蛍のひとりごと

徒然に、心に浮かんでくる地唄のお話を、気ままに綴ってみるのも楽しそう、、、

ふしの味付け

2006年04月04日 | 楽しいお稽古講座
メロディーラインのことを、私共は、『ふし』と呼んでおります。

ところが、この「メロディー」だけでは何とも立ち行かないのが地唄でございまして、
「唱歌うたい」なんていう、お口の悪い云われ方をされてしまいそうです。


     「地唄は、そのまま、きっちりと唄いさえすれば
      唄の『心』が出るように出来ているのですから
      昔の人はよくぞ作って下さったとお思いになりませんか?
      本当にありがたいこと・・・。」


桜咲く陽だまりの午後、富樫先生がしみじみとおっしゃられました。
もちろん、私に何の異論のあろうはずもございません。





では、その「心のある」地唄を唄うにはどうすればよろしいのでしょう。

ふしの味つけには、いくつかの技巧がございます。


     1、アタリ・・・・・唄い出すときには必ず使います
     2、フリ・・・・・声を単調に引っ張らないために使います
     3、フリキリ・・・・・声を切るときに使います
     4、シオリ・・・・・声を絞る技術です
     5、強弱・・・・・これが一番大切かと存じます


どれも、声の高さは全く変えないままであしらいます。

中でも声の強弱はとても大切で、例えば、高い声域にきた時には、お声をスゥっと絞ります。
また、アタリやフリ、フリキリなどの細工をする直前にも、必ずお声をいったん絞ります。





いつか機会がございましたら、どうぞ、よぅくお耳をすませてお聴きになってみて下さいませ。
お料理の隠し味のようにさりげなく、何気なく、フワッと良い具合にあしらわれているのが
聴こえてまいりますでしょう





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