ドラえもんは一時期超絶好きだったが、流石に30代にもなったので「ウオー!!ドラえもん最高!!」というテンションではなくなった。
それでもある程度のドラえもん一般常識にはついていけるレベルの知識はあると思いたい。
ドラえもん声優が大山のぶ代から水田わさびに変わって多分12年ぐらい経過していると思うが、未だにドラえもんは大山のぶ代以外は認めない!!!という原理主義者の方々もおられる。
僕も元々は原理主義者だったが、水田わさびがドラえもんの声優をやることに恐ろしいプレッシャーを感じていたことを知りどうでもよくなった。
ちなみにルパンは声優が変わってからもう20年以上経っているが、未だに「クリカンは下手くそ!芸がダメ」と頑張っている人達もいるが熱心でカッコいいなと思う。
大長編ドラえもんを映画館で見たのは「のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち」以来だった。個人的にはオリジナルは超えないなぁと思い、特に面白かったとは思えなかった。今回「宝島」を見るにあたり2017年の「のび太の南極カチコチ大冒険」も見てみた。これは伏線もはっていて、話がよく出来てるなぁと思ったが最高だった!!とは思わず、まぁ及第点といった印象だった。
久々に大長編のドラえもんをわざわざ映画館まで足を運んでまで見たい!と思ったのは、今作のキャラデザにある。初めて「宝島」のポスターを見た時に絵が古い!思った。昨今の目が大きなドラえもんからちょい細長い目をした1980年代後半イメージのドラえもんへと変化していた。ドラえもんだけではない。のび太やしずかちゃん、スネ夫、ジャイアンもキャラデザが全く変わっており、これだけでも「見てみたい!」と思わせるビジュアルだった。
が、だからといって話の内容は特に期待していなかった。
正直、昔のドラえもんも子供の頃に見たから印象深く、面白いと思っているだけで全てのドラえもん大長編が面白い!かというとそうでもないと僕は思う。
なお「創世日記」、「夢幻三剣士」、「宇宙漂流記」のあたりはあまり好きではない。
といわけで今回の「宝島」についても「南海大冒険」のリメイクみたいなもんだろう、と期待はしていなかった。
前置きが長くなったが「のび太の宝島」を見た感想は、とにかく最高だった。
あまり期待していなかったこともあるとは思うが、本当に面白かった。
僕の中では史上最高のドラえもん映画だったと言える。
制作陣も相当ドラえもん大好きなんだな、とも思わされた。
というか30代~40代向けのドラえもん好きのための映画だったと感じる。
理由としては
・過去作のオマージュ
「のび太の恐竜」ではのび太が恐竜がいなかったらスパゲッティを鼻から食べる、という約束をするシーンがあったが、今作でも宝島がなければ鼻からカルボナーラを食べる、といった謎の約束をする。また石頭でバリアーに突っ込むシーンは「雲の王国」のオマージュだろう。シルバーのところにいくときに迷路を辿っていくのは「ブリキの迷宮」を思い出させた。他にも色々あると思うが、1回見ただけなのでそれぐらいしかわからなかった。
・道具のセレクション
時限バカ弾、重力ペンキ、四次元くずかご、名刀電光丸、風神うちわなど大長編に出て来た道具がたくさん出てくる。浸水した船から海水を出す時に四次元くずかごを使っていてセンスがあるな、と感じた。また救命イカダが出て来たときは感動のあまり、少々涙してしまった。
・おじさん、おばさん達向けのキャラデザ
昔懐かしい絵柄で、30~40代のおじさん、おばさんでも楽しめる!
・なんかわかりやすく泣けて、なんかカッコいいような気がするシーン
なんかそういうシーンがあってよくわからないけど感動する!
・エンディングの星野源の曲がなんかいい
いい曲だとは別に思わなかったが、途中のフレーズに「ぼく ドラえもん」が入っており、それだけでうーん、いい曲だと思ってしまった。
とにかく面白くて泣ける映画だったが、脚本には少々粗があるのも否めない。シルバーパッパは、なんで海賊になったのかはよくわからなかった。中二病になってしまったのか?いわゆるノアの方舟を作って宇宙に脱出したい、というのはわかるが海賊になる意味はあるのか?財宝を集めてる意味もよくわからん、あとで加工するのか?
あと最後いい感じで未来に帰っていったけど、未来の地球が破滅するのは一緒だし解決出来たようで解決出来ていないのもちょっと気になった。
脚本の粗なんて探しだしたらキリがないが、この映画は本当に良かった。ドラえもん史上、最高!と言える映画だったと思う。これまでは旧「鉄人兵団」が不動の1位だったが、今は今作「宝島」が1位となった。
ドラえもんが好きなら是非とも一度は見た方がいい作品だった。
見ておいて良かったぁ。