トロのエンジョイ! チャレンジライフ

「人生で重要なことはたった3つ。どれだけ愛したか。どれだけ優しかったか。どれだけ手放したか」ブッダ

「存在しない時間の中で」山田宗樹

2021-08-22 05:12:40 | 読書

久しぶりの読書記事です。

この小説の大きなテーマは、

「神は実在するということが、物理的に証明されてしまったらどうなるか」

ということなんです。

 

ぎえー重苦しい、と思われますか?

多くの人にとって、神様というのは自分の心の中に存在するもので、

それを「信仰心」と言ったりするのでしょうけど、

神様が実体あるものとして本当に「いる」としたら、

これはとんでもないことだと思います。

 

しかもこの物語に登場する「神」は、たいそう気まぐれで無慈悲な存在のようです。

ある課題を人類がクリア出来なければ、宇宙を終わらせる、この世界を消してしまう、というのです。

 

山田宗樹さんは、このような途方もない「もし…だったら」というテーマを書くのが得意な作家さんです。

例えば、「百年法」という作品では、

「誰もが年老いることがないが、百歳で必ず死ななければならない世界」というものを書いています。

 

さて、「神」を目の当たりにした人類は、どうするでしょう?

どうしようもない、と絶望する者、

「神」の課題に果敢に挑もうとする者、

さまざまな人間模様が描かれます。

果たして本当に、宇宙は消えてしまう運命なのでしょうか?

 

それは、「読んでのお楽しみ」ということになります。

久しぶりに夢中になって小説を読みました。

期待を裏切らない(裏切る?)作品だと思いました。

 

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