久しぶりの読書記事です。
この小説の大きなテーマは、
「神は実在するということが、物理的に証明されてしまったらどうなるか」
ということなんです。
ぎえー重苦しい、と思われますか?
多くの人にとって、神様というのは自分の心の中に存在するもので、
それを「信仰心」と言ったりするのでしょうけど、
神様が実体あるものとして本当に「いる」としたら、
これはとんでもないことだと思います。
しかもこの物語に登場する「神」は、たいそう気まぐれで無慈悲な存在のようです。
ある課題を人類がクリア出来なければ、宇宙を終わらせる、この世界を消してしまう、というのです。
山田宗樹さんは、このような途方もない「もし…だったら」というテーマを書くのが得意な作家さんです。
例えば、「百年法」という作品では、
「誰もが年老いることがないが、百歳で必ず死ななければならない世界」というものを書いています。
さて、「神」を目の当たりにした人類は、どうするでしょう?
どうしようもない、と絶望する者、
「神」の課題に果敢に挑もうとする者、
さまざまな人間模様が描かれます。
果たして本当に、宇宙は消えてしまう運命なのでしょうか?
それは、「読んでのお楽しみ」ということになります。
久しぶりに夢中になって小説を読みました。
期待を裏切らない(裏切る?)作品だと思いました。
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