今回のお題は
「食塩水の問題への取り組み方」
理科のお話ではありません。
あくまでも算数のお話。
食塩水は入試では頻出の分野。
どこの塾でも5年生で取り扱うことが多いですね。
割合と比の学習を終えたお子さんであれば
取り組める分野です。
食塩水の問題では
つまずきやすいポイント
がいくつかあります。
それを確認していきましょう。
< つまずきポイント①:濃度ってなに? >
「濃度」というコトバに初めてお目見えすると
濃さのことだろう
とコトバの意味はわかった気になります。
数値が高いと、濃い食塩水
数値が低いと、薄い食塩水
というイメージは持てるはずです。
でも問題を解く段階で
このコトバの意味を本当に理解していないと
混乱するケースがあります。
試しに、お子さんに
「20%の食塩水に含まれる水の割合は何%?」
と確認してみてください。
80%と即答できたお子さんは
濃度の意味を理解しています。
濃度とは、食塩水全体に対する食塩の割合、のこと。
20%の食塩水とは、食塩水全体のうち20%
ということは、残りの水の割合は、100-20=80%
この、当たり前すぎることが、
けっこう多いんです。
公式にあてはめて濃度の計算をしているなら
要注意。
今一度、確認してみてください。
< つまずきポイント②:食塩水を取り出すと濃度はどうなる? >
受験生であれば必ず取り組む、食塩水のやり取りの問題。
容器Aには10%の食塩水300g
容器Bには25%の食塩水200g
「容器Aから50gの食塩水を容器Bに入れてかき混ぜました。
容器Bの食塩水の濃さは何%になりましたか。」
このとき
「容器Aから移した50gの食塩水の濃度がわからないから、
と思ってしまうことがあります。
10%の食塩水300gから50g取り出すと
残った250gの食塩水も、取り出した50gの食塩水も、10%
そう思ってしまうわけです。
食塩水を取り出しても、濃度は変わらない。
容器Aから何g取り出したとしても
残った食塩水と取り出した食塩水は、どちらも濃度10%のまま。
そう説明しても、いまいちピンとこないお子さんも。
「う~ん、薄くなるような気がするけどな・・・」
反応が鈍いときは
次のような説明をしています。
ビンに入った果汁100%のオレンジジュースを買ってきた。
そのうちの半分をコップに入れて飲んだ。
コップに入れたジュースは果汁100%だし
残ったジュースも果汁100%。
どちらも100%から薄くなることはないよね。
この説明をすると
「あ~言われてみればそうだね」
と納得してくれます。
食塩水を取り出しても、濃度は薄くならず、もとのまま。
理解しているか、確認してみてください。
< つまずきポイント③:どの解法を選択すべき? >
食塩水の問題には複数の解法が存在します。
①3公式の表
②ビーカー図
③濃度面積図
④平均面積図
⑤てんびん
etc.
①②③のうちのいずれか・・・A
④⑤のいずれか・・・B
の2つの解法を使い分ける生徒がほとんどでしょう。
ここでつまずきのポイントとなるのが
AとBの使い分けについて。
どの問題のときにAを使い
どの問題のときにBを使うか。
その識別ができるかどうかで
差がつきます。
覚えておいてほしい識別方法は2つ。
【識別方法・1】
アにイを混ぜてウができたとき
つまり、ア+イ=ウ、とたし算の式で表現できるとき
B(平均面積図、てんびん)が使える
【識別方法・2】
食塩水の量が1種類しかわからないとき
A(3公式の表、ビーカー図、濃度面積図)では解けないので
B(平均面積図、てんびん)で解く
ドクターの、イメージde暗記「根本原理」ポイント160
でも取り上げている
重要なポイントです。
ぜひ覚えてください。
はい、ここまで~。
それでは、また。