Drマサ非公認ブログ

またオリンピック不祥事

 小山田圭吾氏の虐待が取りざたされたばかりで、オリンピックでまたもや不祥事である。開会式の責任者のひとりである小林賢太郎氏が、かつてコンビを組んで芸人活動をしていた頃、ユダヤ人大量虐殺を揶揄するネタを行っていたことがわかって、ユダヤ人協会からも抗議され、解任された。

 今回の東京オリンピックでは、これまでに不透明な出来事、不祥事と立て続けだ。もうお家芸ではありませんか、日本の、その政府筋の、そのお偉いさん方の・・・

 ついでに女性蔑視で問題とされ、大会組織委員会の会長職を解かれた森喜朗氏に面白い話題が出ている。彼を名誉最高顧問に就任させようという動きが活発になっているという。森氏が希望したわけでもないとしても、パターナリズムが根を下ろした世界では、これまで貢献したとされる偉い人に、なんだか名誉を与えることを当然とするからだろう。

 バカじゃないか(口が悪くてゴメンナサイ)。こないだ女性差別が問題となり、これといって反省することもなく、そもそも問題を理解しない人物を上げ奉ろうというのである。さすがオリンピック・スピリットだ、平和の祭典だ?ゆがんだ世界の象徴でしかないではないか。

 そこで小林氏の問題についても、簡単に触れておきたい。

 ユダヤ人問題が、いかに重要な問題であるのか、日本人は知らなすぎる。確かに「ダメだよなあ」程度に認識はしているだろう。麻生のような「ヒトラー肯定」発言が、欧米では許せない発言であるのかをよく知らないのであろう。

 どうして人類がユダヤ人虐殺をしてしまったのかは、人類が突き詰めて考えなければならない問題であったし、今も問題である。欧米は世界をリードしていたというのに(このような評価自体がうぬぼれだが)、人類史上最悪の事態を引き起こしてしまった。ヒトラー、ナチスとは彼らにとって、絶対乗り越えねばならい問題なのである。

 だから、どうしてヒトラーが現れ(個人という次元)、ナチスという政党が現れ、国民に支持され、さらにその危険を欧米は防げなかった(集団という次元)のか、学問的に、科学的に解明していかなければならない。そういう思いを抱えて、20世紀半ばからの歴史は動くのである。

 だから、欧米の心理学者や精神分析家(個人の次元)、哲学や社会学(どちらかといえば集団の次元)、他の科学だけではなく、芸術文学が徹底的にその原因を探求し、ヒトラーが生み出されないように、ナチスが生み出されないように、差別を元にした虐待虐殺が起こらないようにと活動してきたのである。

 なぜならこれら学問的知見から見いだせるのは、人間という動物はこのような悲劇を産出しかねないとみなせるからだ。これは欧米人のトラウマである。トラウマは、本来自分では気づかないものだが、学問の成果が人々に気づかせたのである。そう、誰もがやりかねないのだ。

 そこに無配慮にユダヤ人大量虐殺をネタにされた場合、ネタにした人間が、このトラウマにさえ気づかない人間でしかないのであり、ユダヤ人を、被差別者を、欧米人を、ついには人類全体を否定するか、無知であることをさらけ出しているだけである。

 僕たちは引き受けているだろうかと、反省せざるを得ない。

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