Drマサ非公認ブログ

インフルエンザ狂想曲 後半

 インフルエンザ患者が増加しているという。本当だろうか?

 じつは1月なかば、僕もインフルエンザチェックを行った。もともと慢性の気管支炎をもっており、咳が酷くなったので、耳鼻科に相談に行った。診察前に熱を計ると、38度近い熱があった。「道理で体調悪いなあ」と思ったのだが、そこで医者がインフルエンザチェックをすると言い出した。

 僕としては、気管支炎の相談をしたいだけなので、インフルエンザチェックは不要だと言ったのだが、医者も看護師もヤル気満々である。こちらかがOKしてもいないのに、検査キッドの包装を破り、看護師は医者に長い綿棒を渡すのである。「先生、いらないよ」と言っても、「流行ってるから」などと言って、勝手に僕の鼻の前に綿棒を持ってくる。

 正直に言って、根負けしてしまい、受け入れてしまった。いや正確にいうと、僕はOKしてはいない。流れのまま、やられてしまった。僕は心の中で傷害事件と笑っていた。

 結局は陰性で、インフルエンザではなかった。「だから、やらなくてもいいって言ったでしょう」と医者に言ったけれど、笑って言ったせいか、「流行ってるから」などと言われ、僕も「しょうがないな」と諦めた。医者もルーティン・ワークとして対応しているに過ぎない。

 まあでも、いい商売である。インフルエンザチェックは6000円程度、患者負担は2000円程度。1日20人やれば、病院は12万円も儲かる。検査に大した時間はかからない。

 このようにインフルエンザチェックは高熱であれば行われる。一昔前は、インフルエンザチェックは健康保険の関係で1回しかできなかったと思うが、現在は何度もできる。健康保険の適用範囲を広げたわけだ。

 もっと昔であれば、チェックの精度が悪かったので、インフルエンザであっても、単なる風邪として対応していた。高熱が出て半日程度経たないと、インフルエンザチェックをしなかったのだが、最近は何度でもできるので、インフルエンザチェックは繰り返されることもある。

 また37.5度程度でも行うという。また数時間でもチェックの精度は上がっていると、メーカの売りになっている。知り合いの医者に聞くと、以前と精度は変わってないと思うとのこと。患者の方がとにかくインフルエンザチェックを希望する。

 おそらくインフルエンザ患者が増加している理由の大きな部分は、このように検査を数多くするようになり、捉促率が上がっているだけではないだろうか。

 結果、インフルエンザの実態に大きな変化はないが、あたかも科学的な根拠のような見かけをとる数字に惑わされ、不安が広がるのではないだろうか。結局、科学が発達すると、リスクを意識するようになってしまい、不安に囚われてしまうのであある。

 先日テレビでインフルエンザを取り上げていた。たまたま見ていた昼の情報バラエティ番組である。俳優の高橋克己さんが解説のために来ていた医者に「自分が子供の頃と何か変わったのでしょうか」と質問した。つまり、インフルエンザの不安が広がっているのは何かインフルエンザや人間に変化があったのかという疑問である。

 医者の答えはこんな感じだったと思う。「昔に比べると、インフレンザの検査が良くなり、インフルエンザに効く薬を出せるようになった」と。高橋さんの質問に応えているとは思えないが、これで番組のこのコーナーは終わったと記憶している。医者の答えは医療が良くなったとの話だから、安心が広がったということになる。よくわからない話だ。

 先ほどインフルエンザの実態に大きな変化はないと言ったが、それは推測ではある。しかしながら、テレビ番組での医者の話はインフルエンザに関する医療は良くなっているとのことだ。最初にインフルエンザは自然治癒するとの事実Aを取り上げたが、これらを重ね合わせると、インフルエンザを不安がる必要はあまりないはずである。

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