日本で異次元の少子化対策をするとニュースが。児童手当などの経済的支援の強化、学童保育などの子育てサービスの強化、育休などの働い改革の推進。結論から言えば、あいも変わらず中途半端。本気ではない。
ちょっとフランスのそれと比べてほしい。フランスでは1993頃、出生率が1.65まで落ち込んだ。まあそれでもいまの日本に比べればという数字である。現在日本は1.43である。ちなみに病院で働く友人によれば、ここ最近出産がその病院では減っているという。
で、フランスは2006年に2.0、そして2020年は1.83となっている。フランスは少子化対策に成功した。っていうか、日本は取り組むのが遅すぎる。
フランスの子育て支援のGDP費は3.6%。ちなみに英国では3.2%。では日本は?なんと1.8(1.79)%。どのように使っているのかは、ここでは省くが、大枠で見るだけで、いかに日本が公的資金を子育て教育に使わない国なのかが一目瞭然である。
以下のような指摘がされることはないが、あえて問題提起としてあげておく。
子供ができると、日本では未来の教育費が心配になるので、学資保険を賭ける人が多い。子どもが幼い内から保険料を支払い、進学のタイミングや大学に入学するタイミングで保険金を受け取る貯蓄性のある保険のことである。子供のことを考えて、家計を切り詰めて、保険を賭ける。通常「賭ける」とは言わない。「掛ける」だが、皮肉を込めてみた。
教育に公的資金が充分であれば、不要な保険であることがわかるだろう。ちなみに欧州など先進国ではポピュラーな保険ではない。日本では、どこか子育てや教育を個的なこと(個人や家庭が行うこと)とセッティングされているようで、公共的なものとみなす力がない。そもそも公共性を日本人は知らないし。
ちょっと引用。
麻生太郎氏が「少子化の最大の原因は晩婚化」で出産に「体力的な問題がある」と女性に問題があるかのように言っていますが、子どもを持たない理由のトップは「子育て・教育にお金がかかるから」(内閣府2022年版「少子化社会対策白書」)。公的教育費と家族分野社会保障を貧困にしている政府の責任です pic.twitter.com/PoOuBPsXlX
— 井上伸@雑誌KOKKO (@inoueshin0) January 17, 2023
これが日本の現実。日本の中で日本のことだけを見ていては、日本の現実はわからない。他と比較しなければならない。社会科学の基本中の基本。
世界の中で、日本は子供に、家庭に冷たい国。こういう結論になる。
「良くない!」と思うなら、「良くする」ように変えればいいだけ。