江戸末期、日本は欧米列強と治外法権を認めと関税自主権を奪われる不平等条約を結んだ。よく知られることだ。
明治政府は粘り強く各国と不平等条約改正を目指して交渉を続けた。まず当時の大国大英帝国に対して行い、1894年治外法権の撤廃に成功し、1911年には小村寿太郎外相のもと関税自主権の回復に成功した。
中学高校と歴史の授業で、日本は西欧列強の力に不平等条約を認めざるを得なかったが、この不平等を解消するための努力をやり続け、ついにはやり遂げたのだ、と習ったと記憶している。
では、現代はどうなのか。
「鳩山由紀夫氏、米軍基地からのオミクロン株拡大説で提言「命を守る為に厳しく米国にモノを申してもらいたい」https://news.yahoo.co.jp/articles/3189b61dafda6b7be3c1d94fc2a44873e1da6119
オミクロン株を米軍が持ち込み、日本に感染が広がってしまった。記事の引用をしてみよう。
「海外から持ち込まれるコロナを防いでいたら米軍基地からのは日本が手を出せない大穴が空いていた。沖縄、岩国などの基地からコロナはあっという間に広がってしまった」とつづった鳩山氏。 「にもかかわらず岸田首相は基地からと断定できないと言葉を濁している。独立国なら命を守る為に厳しく米国にモノを申してもらいたい」と厳しい筆致で続けていた。
ご存知の通り、米軍兵士が沖縄の街に繰り出し、感染を広げてしまった。基地には日本人も働いている。これまでも、日米地位協定を盾に、米兵の犯罪を取り締まることができなかった。
これまたご存知の通り、米軍が駐留している韓国やドイツなどは感染を広げないために、徹底的な移動制限やPCR検査が行われている。なぜか日本はできない。
これが不平等条約でなくて、なんなのか。明治の日本が粘り強く交渉し、不平等条約の改正を目指した心意気は、現在の日本にあるだろうか。自民党の中には「沖縄の感染拡大が米軍のせいだとは言わないほうがいい」と発言するものさえいる。
明治の人たちと同様、令和では不平等条約である日米地位協定の改正あるいは撤廃を志せばいい。当たり前のことだ。