Drマサ非公認ブログ

20年前、田舎者の母親が東京にきた⑴:共同性論

 北海道に住む母親が上京してきたことがある。20年ぐらい経つかと思う。確か多摩地区に住む弟に子供ができたので、初孫ということもあり、やって来たんだと記憶している。そこで、僕が迎えに行くことになった。

 羽田空港で待ち合わせして、目的地の弟の家まで行ったのだが、その時の話をしたいと思う。

 羽田空港からまずモノレールで浜松町に向かった。その電車内での出来事である。

 ちょっと離れた隙に、電車内で母が乳母車に赤ちゃん連れのお母さんに声をかけていたのである。母にしてみれば、いつもの行動にすぎない。北海道の田舎であれば、当時街中で子供連れのお母さんがいれば、「何キロになったのの?」「首すわった?」などと声をかけるのは普通のことだと思う。

 僕が子供の頃だと、当たり前だったし、なんてことではない。「抱っこしてください」などと当のお母さんが言ってくるのも、よくある風景であった。まあなんせ電車内やバス内でおっぱいやってる風景も普通だったし。

 そのお母さんは小綺麗で都会的な方であった。モノレール内で声をかけられ、彼女は嫌な顔をしていた。知らない人に声をかけるということ自体、東京ではデフォルトではない。「変なおばあさん」ぐらいに感じたのではないだろうか。しかもだ、母は浜育ちで、言葉が訛っている。そりゃあ、違和感あるよね。そう僕も感じて、心の中で笑ってさえいた。

 そこで僕は母のところに行って「東京では知らない人にそうやって声かかけたりしないんだよ」と諭したところ、母は「そうなの(笑)」といって、少し離れた場所に移動した。その小綺麗なお母さんはホッとしたようであった。ちなみに「お母さん」などと表現しているが、30歳なるかならないかという感じであったのだが。

 さて、モノレールを降りて、山手線に乗り換えた。そしたら、母はまたもややらかしてくれた。乳母車で赤ちゃん連れのお母さんにモノレールの時と同じように、声をかけていたのだった。

(つづく)

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