Drマサ非公認ブログ

日本の汚染水プロパガンダ

 日本が汚染水を海洋放出して、基準値以下であるとか、中国やフランスもトリチウムを放出しているのに日本だけ問題になるのは何故?などとメディアが喧伝している。

 ついでに中国人が日本にイタ電していて、中国人ってどうなってる?中国っておかしい?という報道も目につく。

 まあ国外に敵を作るというのは政治的手法としては良くある手。まあ国内に敵を作ってもいいのだが。そうすると、我々は正しいと。この我々が日本はってことに。これはメディア論でメディアの政治手法を扱うときに、最初に問題にする。で、我々っていう集合性に弱い。それは原初的愛国心に訴える手法と言われる。

 今回の汚染水報道は基本的にはプロパガンダである。それがプロパガンダであるというのが、意識に上ってこない。プロパガンダがキツイ言い方であるとすれば、少なくとも東電と政府のやり方のPRである。

 はっきり位置付けておこう。メディアとはその本質がPRである。そして、日本人であるから日本が正しいと思いたい(原初的愛国心)、「非国民」とは言われたくないという心理が働く。このメカニズムが強化されるような動きになると「大本営発表」に向かう。

 平和主義者に「愛国心が欠けていると非難すればいい」と言ったのは、ゲーリング。同じようなメカニズムは当然だが、現代でも起き続けている。

 そこでメディアはPRしながらも、隠すのである。ちょっと今回の汚染水放出で。

 トリチウム以外の核種は基準値を超えているとか、東電が出すデータが統計的は不十分である。東電が処理水と呼ぶ汚染水は人類至上初めてのメルトダウンしたデブリに直接触れている。そもそもこれまで東電はデータ改ざんを行ってきた。ちなみにIAEAは放出を推進しているわけではない。

 と、思いついたことを書いてみたが、科学的には問題点はいくらでもあげられるだろう。そして、メディアは東電と政府が隠す問題点を取り上げ、アジェンダセッティングすることもない。メディアの役割を果たしていないので、結局政府と東電が言うことをPRしているだけであるから、「大本営発表」的である。

 さて科学的根拠が強調されるが、この科学的根拠自体が東電政府にとって都合のいい科学的根拠である。異なる科学を持ち出せば、それは崩れる。そして科学的根拠同士の政治が生じるだろう。

 ちょっと海洋科学者からの意見を引用しておこう。昨日も利用させてもらったvideonewscomのyoutube映像だ。

 海洋生物学では、放射能を海洋投棄するなどというのは問題外である。当たり前だ。これだけ環境や自然を人間が破壊してきたという事実を振り返るなら、科学もまた変化している。「汚染水の海洋放出は世界の流れに逆行する」。

 環境に放出していい基準値などを設定していいなど、そもそも人間の傲慢でしかない。

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