70年、イタリア、仏。ベルナルド・ベルトルッチ。
15年に4Kとして修復。画質はきれい。
ベルトルッチは「1900年」までは好きだが、あとは
好きではない。10本位は見ている。
29歳、ベルトルッチ監督、日本ではこれが初公開ではないか・・
Jルイトランティニアン(マルチェロロ)
Sサンドレリ(ジュリア)、ドミニクサンダ(アンナ)、
Pクレメンティイ。カメラ、Vストラーロ。
モラビア原作、とても文学的映画。そのせいか評は割れる。
3回目くらい。原作は未読。
冒頭から退廃感、虚無感が漂う。
原題は「孤独な青年」「体制順応主義者」の意味らしい。
まず、ストラーロのカメラが素晴らしい。
監督とは同年、ローマ生まれ、8本位一緒に撮っている。
カメラアングル、斜めからまっすぐに変化、
アップ、ロング。カメラが彼でないと、作れないほどだ。
30年代のイタリア美術も抜群にいい。それを見るだけでも満足では。
インテリアすべて、家具、食器、ファッションなど
アンナはパリに住んでいるが、イタリア美術がいい。
ステンドグラスが幾つか映り「サスペリア」のよう。
30年代、イタリア、ムッソリーニファシズム。
マルチェロはファシストに順応するが、
これがファシストなのというくらい、頼りなく、
はっきりしないメンタルで、何を考えているか不明男。
中産階級のお気楽娘ジュリアと結婚する。
ファシストの彼は指令を受け、そのためパリへ新婚旅行へ。
ある反ファシスト教授を殺害する指示だった。
会ったばかりの教授妻、アンナにひかれ、新婚妻がいるのに
関係を持つ。「君と一緒ならブラジルへ逃げたい」と真面目に語る。
これは何なのか・・
自分がない?マルチェロは10歳の頃、使用人に
性加害を受け、彼を殺害というおぞましい過去がある。
これもどこまで真実なのかは・・
父は精神病院入院中。母は男がいてアルコール依存症。
教授、アンナ、マルチェロ、ジュリアと食事をし、
ダンスホールで踊る。アンナとジュリアのダンスシーンは
美しく妖艶で、この映画の見どころで有名。
女性二人、特にアンナはバイセクシャルでもあるか・・
レズビアンっぽい振る舞いがある。これは後記。
スミレの花を得る人たちが歌う「インターナショナル」の歌
と思うが、あれはなんでいれたのか・・
ファシストたち。イタロ、盲人コミュは?
見えない障害は意味がある?
暗殺は森で、雪と樹々に覆われ暗い場所。
何回も教授を刺す。
アンナは森を逃げるがマルチェロは見つめるだけ。
数年後、ムッソリーニは去り世界が変わる。
マルチェロは、娘が生まれ守りに入って生きている。
ある日イタロから連絡がある。彼に会いに行くが、
彼も街中に放置する。
近くにいた男色家を見て、教授を殺したのはかつて性加害を受けた
この男だとわめき散らす。
「誰でも人生から脱走したくなる」
「卑怯者、同性愛者、ユダヤ教は同類。まとめて銃殺したい」
マルチェロを守っていた男はつぶやく。
「あなたは何を求めているの?」
ベルトルッチは詩人でもあり若い頃、パゾリーニが師だった。
パゾリーニは確か同性愛だったと思う。
ベルトルッチ、2年後の「ラストタンゴインパリ」は、
男女の過激性愛作で話題だった。
HPを開設していた頃、私なりに分析し
ゲイの映画でもあったと記憶している。
画家、ゲイのFベーコンの絵が飾ってあり、
Mブランド、Mシュナイダー二人のSEXも
変態的、同性愛的もあったから・・
監督はバイセクシャル?と感じた。
本作でもアンナはバイだと思う。
同じく70年作「暗殺のオペラ」は次のページに。
こちらが先に撮影か。
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