フランスの鉄道は、日本のように早くから出発ホームや到着ホームが決まっているシステムになっていない。だから乗客は皆、電光掲示板に表示されるまでじっと駅の中の待合のための椅子に腰掛けて待っている。表示されるやいなや人々は目当てのプラットホームへ一斉に動き出す。
パリリヨン駅でも列車の出発ホームがわかるのは早くて20分前。青と黄色のゾーンに分けられた大きなホームが二つあり、黄色のゾーンだとものすごく歩かなくてはならない。そのホームについても列車がとても長いので、多くの乗客に阻まれながら、自分の両のところまで相当歩くこともあり、ほとんど出発時間近くになり、気が焦ったことも何度かある。
この時はディジョンではなくモンバールという駅まで行くので、TGVではなく、ローカル線に乗って行った。パリから約一時間だ。
モンパール駅には親戚関係と言ってもいいくらいの親友、アンリが迎えに来てくれていた。
駅の近くを少し散策したのち、奥さんのアニエスの実家の田舎の家に向かった。Marcenay(マルスネー)というところで、田園風景が広がっていた。動物たちものんびりしている気がする。
アニエスの実家はもともと農家だったようで、広い大きな家だった。大きな倉庫も残っていた。]
まず緑茶を入れてくれて、お菓子でティータイム。そして使わせてもらう部屋や、家になかを一通り案内してもらう。
どうやら主寝室は、私のために提供してくれて、彼らは別の入り口から入る離れのような二階で休むようだった。
今夜の夕食は、彼らに初めてごちそうになった時からのお気に入りのアニエスのキッシュだ。
いつも「簡単なのよ」と作るところから見せてもらうが、やはり材料の違いもあって、なかなかフランスのキッシュの様な美味しいキッシュは日本ではいただけない。
アニエスも絵をかいたり、美術的なものを作ったりするが、どうやら彼女のお父さんがそういうことをする人だったらしい。その作品がこの家のあちこちにあった。
びっくりしたのが、40年以上の前の二人の結婚式の写真だった。映画に出てくるような2人の写真と今を、まじまじと比べ、笑いあった。
たくさん食べた後は、散歩に出かけることになった。写真に写っていた湖の近くだったが、暗いのと寒いので、あまりよくわからなかったものの、食後のいい散歩になった。
明日はいよいよ、ヴァンサンの結婚パーティーのために、ヴェズレーまでアンリ・アニエス夫妻と一緒に行く。結婚式は前年の7月にヴァンサンの奥さんの国のヴェトナムのハノイで行われおり、今回はフランスでのお披露目である。私は7月のハノイの招待は都合がつかずお断りをしていたため、今回のパーティーが楽しみで、フランス式?というものも少しわかるのではと思っている。