群馬大学 慢性看護学研究室ブログ

患者様や未病の方が、自分らしく生活できるよう研究・探求しています。糖尿病と慢性腎臓病透析予防外来も開設しています。

管理栄養士さんとの連携について

2021-07-15 21:56:00 | 東日本腎不全研究会(旧 群馬県腎不全看護セミナー)
東日本腎不全研究会では、複数の透析施設の方が参加しているため、毎回「これって他の施設ではどうしているの?」という疑問について「情報交換コーナー」を設けております。6月17日に行った情報交換についてご紹介します。

***** 2021.6.17  情報交換コーナー *****

Q: 体液管理の問題で、栄養士さんに食事指導を依頼しますが、行動変容の効果は難しいです。栄養士さんと一緒にやれること、効率的かつ効果的な工夫がありましたら教えてください。


【A施設】
・栄養回診を1回/月実施しており、その他は栄養指示書に基づく食事指導(水分制限量を決め、それが守れているかどうか)が主である。食事がペースト食やおかゆであると水分量が多いので、その重さを測定してもらったり協力している。

【B施設】
・栄養指導(体液管理の場合は特に塩分制限)の内容を医師・看護師・栄養士で共有していて、各職種で折に触れて患者に指導内容を思い出させるような声掛けなどを行っている。それによって、患者には「あー、(自分に関わってくれる医療者はみんな、自分のことを)分かってくれているんだな」という、ポジティブな印象を与えている。
・患者が記載してきたセルフモニタリング表(体重測定、体重計にのることなど)に対しても、「できてるねー」などといったリアクションやフィードバックを確実に・どの職種からも行うようにしている。また、体重増加が少なく透析が楽だった時など「今日は透析が楽だったですねー」などと振り返りをしたりしている。継続記載することに意味があるので、こういった関わりは効果があると思う。
・栄養指導に家族も巻き込むようにして、より多くの自宅での情報を看護師・栄養士で共有するようにしており、具体的な指導につなげている。

【C施設】
・栄養士によって、得意・持っているスキルや指導方法・内容には、かなりの差がある。栄養士は、患者の生活面や治療や検査データなどをふまえた問題状況の把握が難しいのかな… という印象がある。看護師はその部分を補いつつ、栄養士と一緒に活動していく必要がある。
・患者に「ラーメンは運分が高いです」などの一般論を提示するのではなく、実際に食べたお店のメニューや購入した食品などのリアルな塩分量を提示することで、患者は問題状況を真摯に受け止めるきっかけとなっている。こういう関わりをどの栄養士にもしてもらえるよう、看護師が指導のモデルを提示するようにしている。

コメント
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