「ある画家の数奇な運命」
原題 NEVER LOOK AWAY
2018年 ドイツ
【ムービープラス】
現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルに、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマ
真実かそうでないか明らかにしない約束で制作されたそうです
ナチ党政権下のドイツ
叔母(ザスキア・ローゼンダール)の影響で幼いころから芸術に親しむ日々を送るクルト(トム・シリング)
終戦後に東ドイツの美術学校に進学しエリー(パウラ・ベーア)と恋に落ちます
エリーの父親(セバスチャン・コッホ)は精神のバランスを崩し強制入院させられ安楽死政策によって命を奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官で、その過去を隠して生きていました
その事実に気づかぬままクルトとエリーは結婚、西ドイツへ亡命し創作に没頭します
ナチスの戦犯と犠牲者、東西ドイツ分断、芸術家の生きざまなどを織り交ぜながら、最も描きたかったのはゲルハルト・リヒターの芸術性なのではないかと思いました
叔母との思い出に繋がるラストシーンが素敵です
知らなかったのですが、ベルリンの壁が築かれるまでは東から西への移住は電車で降りたら駅が西、な感覚で比較的容易だったようです
日本やドイツに限らず、戦時下政策で精神病や障がいを持った人を安楽死させたり、断種目的の施術をしたり…
どうしてそのような政策を思いつくのか、信じられません
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「チア・アップ!」
原題 POMS
2019年 アメリカ
【ムービープラス】
平均年齢72歳のチアリーディングチームの奮闘を描いたハートフルドラマ
余生をのんびりを過ごすためにシニアタウンに越してきたマーサ(ダイアン・キートン)
昔、チアリーダーになりたかったと口にしたことからお節介焼の隣人シェリル(ジャッキー・ウィーヴァー)にたきつけられチアリーディングクラブを結成することになります
オーディションで集まったメンバーは腕が上がらない、膝が痛い、などなど
周囲からはバカにされ笑われ、無理解な息子によって邪魔されながらも、若いチアリーダーを味方に引きずり込み、互いに励まし合い練習に励みます
そして全米チアリーディング大会へのエントリーと進んでいきます
マーサにはある秘密があって…
それは終盤の花火で語られます
エンドロールが楽しくて、何歳になっても夢を追うのに限界はないという前向きなメッセージがストレートに伝わってくる素敵な作品でした
ダイアン・キートン、無理に若作りしているのでもない、年相応の美しさ、華があります
配役で成功していますね
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