読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

千早茜「魚神」

2024年06月25日 | た行の作家
集英社2009年1月 第1刷発行259頁生ぬるい水に囲まれた孤島ここにはかつて政府によって作られた一大遊郭がありました捨て子の美貌の姉弟、白亜とスケキヨスケキヨは陰間屋に売られ、白亜は廓に売られ、二度と会うことも叶わないはずが…上顧客の後押しを得て陰間屋を飛び出し薬売りとして暗躍するスケキヨと白亜の魂は惹きあい、避けあい、そして再び寄り添う時、島に変化が…二人の周囲の人 . . . 本文を読む
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千早茜「赤い月の香り」

2024年05月13日 | た行の作家
集英社2023年4月 第1刷発行221頁「透明な夜の香り」の続編カフェでアルバイトをしていた朝倉満は客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと誘われます朔は繊細な心と人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作る仕事をしていました満の仕事は前作で若宮一香が担っていた、いわゆる家事手伝いで、気が進まなかったもののカフェで朔から漂ってきた香りが欲しかった . . . 本文を読む
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辻堂ゆめ「僕と彼女の左手」

2024年03月31日 | た行の作家
中公文庫2021年3月 初版発行解説・逸木裕 -柔らかく心地よい光-272頁幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医師になる夢が絶たれた時田習そんな時に出会ったのは、左手だけでピアノを奏でる清家さやこでした天真爛漫な彼女にいつしか恋心を抱くようになる習でしたが、同じ時間を過ごせば過ごすほど彼女の表情は暗くなり不可思議な行動をとるようになります様々な状況を突き合わせていくと、ひとつの結論に… . . . 本文を読む
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千早茜「透明な夜の香り」

2024年03月29日 | た行の作家
集英社2020年4月 第1刷発行2020年6月 第3刷発行248頁仕事に行けなくなり自宅アパートでほぼ引き籠り生活をしていた元・書店員の一香近所のスーパーで見た求人広告に応募し採用されます仕事は、古い洋館の家事手伝い採用された理由は「嘘の香りがしなかったこと」その洋館では調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城と共に、オーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていました人並外れた嗅覚を持つ朔のもと . . . 本文を読む
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千早茜「しろがねの葉」

2024年03月11日 | た行の作家
新潮社2022年9月 発行2023年1月 3刷314頁戦国末期秀吉の唐入りの徴用と凶作が重なり、貧しさに耐えかねた一家が村の隠し米を盗み夜逃げしかし、追っ手が迫り幼い少女ウメは両親とはぐれてしまいます道に迷ったウメが入り込んだのは岩見国、仙ノ山と呼ばれる銀山の間歩(坑道)でしたそこで、天才山師・喜兵衛に拾われ、鉱山の知識と未知の鉱脈のありか、山で生きる知恵を授けられ、女ながら間歩で働き始めます元々 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(十三)大海篇」

2023年12月12日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2022年8月 第一刷発行365頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第13巻最終巻です最後の最後まで気が抜けない展開に勿体ないと思いながら一気読み結が幸へ放った言葉「世の中、そない簡単に信用していい相手ばっかりと違いますで」身近に信を置ける相手がいない結が哀れですしかし、惣次と結の夫、音羽屋忠兵衛が親し気に話しているところを見た幸は不安に…結の言葉が現実のもの . . . 本文を読む
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千早茜「西洋菓子店 プティ・フール」

2023年12月10日 | た行の作家
文藝春秋2016年2月 第1刷発行254頁フランスで菓子作りの修行をし、帰国後一流の洋菓子店に就職した亜樹祖母が身体を悪くしたと聞いて、店を辞め、都心から外れた商店街で祖父母が開いている西洋菓子店「プティ・フール」の手伝いを始めます祖父の作るシュークリームは長く人気の定番商品で、日々祖父に仕事を教わりながら自分なりの創作洋菓子作りに励む毎日でした亜樹を中心に弁護士の恋人、元後輩、その自称・恋人、店 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(十二)出帆篇」

2023年12月08日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2022年2月 第一刷発行325頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第12巻宝暦元年(1751年)の赤穂義士所縁の日に、店を開いた五鈴屋創業10年の日を迎えようとしています武士の裃に用いられていた小紋染めを町人のものとし麻疹禍には鉢巻用として江戸紫の小紋染めの切り売りに応じ呉服仲間を追われ、太物商いのみになったあとも工夫を忘れなかった創業時からの帯結び指南に加えて、反物の裁 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(十一)風待ち篇」

2023年11月29日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2021年8月 第一刷発行305頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第11巻湯上りの身拭いにすぎなかった湯帷子を、夕涼みや寛ぎ着の浴衣にそんな思いから売り出した五鈴屋の藍染め浴衣地は江戸中の支持を集めます店主の幸は、一時の流行りで終わらせないためにはどうするべきかと考え続けます折しも宝暦10年、宝暦の大火と冷夏による綿の不作により困難を極める中で「買うての幸い、売っての幸い . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(十) 合流篇」

2023年11月26日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2020年2月 第2刷発行334頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第10巻呉服仲間を追われ呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店ですが、型彫師・梅松と型付師・力造、そして五鈴屋、皆で知恵を寄せ合い、これまでにない浴衣地を生み出そうとします男女の違い、身分の差を越えて江戸の町に木綿の橋を架けたい、そんな切なる願いを胸に懸命に精進を続けていく幸たち第9巻の落ち込みが大き . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(九)淵泉篇」

2023年11月22日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2020年9月 第刷1発行334頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第9巻大坂から江戸に出店して四年目まさにこれから、という矢先五鈴屋は七代目・幸の妹・結により厳しい事態に追い込まれます型彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや今度は最大の困難が待ち受けていました五鈴屋・八代目を周助が継ぎ、新たに五鈴屋江戸本店店主となった幸と奉公人たちは絶望の淵に突き落とされながらも、 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇」

2023年11月14日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2020年2月 第2刷発行334頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第8巻遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」町人向けの小紋染めを手掛けるようになり順調に売り上げを伸ばす五鈴屋江戸店赤穂浪士が仇討を果たした師走14日に店を開いてから2年が過ぎ、多少の波風はあるものの幸を中心に知恵を絞り、笑顔を絶やさず、売ってよし、買ってよしの精神で毎日を過ごしています . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇」

2023年11月09日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2019年8月 第1刷発行297頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第7巻五鈴屋江戸支店は幸を中心に使用人たちとの強い絆で順調に売り上げを伸ばしつつありますそんな中でも、あれこれ知恵を絞り工夫を重ね努力を怠らない面々基本、前向きで明るい内容で、5代目だった惣次を見かけたという不穏な出来事も、結が江戸へきてくれたことや智蔵と歌舞伎役者との関りで感動のうちに立ち消えになるのでは . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(六) 本流篇」

2023年10月29日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2019年2月 第1刷発行307頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第6巻第一章で智蔵が急死したことから一体どうなるのかと思ったら、意外と穏やかな展開で江戸進出の準備が整い、いよいよ江戸へ、と物語は進みます時代に関係なく地方から東京へ進出を考える経営者の参考になる内容です店の立地条件や市場調査などの経営戦略は勿論大切ですが、一番は「人」と思いました七代目店主となった幸と大坂 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(五) 転流篇」

2023年10月27日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2018年2月 第1刷発行2019年2月 第5刷発行307頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第5巻大坂天満の呉服商・五鈴屋の三兄弟に嫁すという数奇な運命を受け容れた幸桔梗屋買取の件も無事片が付き「女名前禁止」の大坂で幸は夫の理解のもと奉公人らと心をひとつにして商いを広げていきます六代目徳兵衛との間に夫婦としての強い絆が生まれ、幸のお腹には新たな命が宿りますしかしその子は早 . . . 本文を読む
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