新潮文庫2023年8月 発行解説・諏訪敦387頁湖畔の介護施設で暮らす100歳の寝たきりの男性が殺されます捜査にあたった刑事・濱中圭介は施設で働く日下佳代と出会い、インモラルな関係に溺れていきます一方、事件を取材する東京の出版社の記者は死亡した男性がかつて旧満州で人体実験にかかわっていたことを突き止めますが、なぜか取材の中止を命じられます介護施設の殺人事件と旧満州の人体実験旧満州で起こった若い男女 . . . 本文を読む
集英社2006年6月 第1刷発行2006年12月 第4刷発行204頁温泉を訪れた男女5組の恋物語日常から離れた場所で気づく、本当の気持ち切なく温かくほろ苦い恋愛小説集です「初恋温泉」熱海・蓬莱初恋を実らせ、事業も順風満帆というのに突然妻から離婚を切り出された夫夫は、いつのまにか妻には自分の最高の部分しか見せなくなっていた、というか最初からそうあるべきと思い込んでいたのですね「白雪温泉」青森・青荷温 . . . 本文を読む
新潮社2022年10月 発行2023年1月 6刷168頁お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない急逝した作家の闘病記これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然がんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まります58歳で余命宣告をうけ、それでも書くことを手放さかった作家が最期まで綴った日記 . . . 本文を読む
新潮社2008年7月 発行254頁中編を3編「アカペラ」身勝手な両親を尻目に前向きに育った中学三年生のタマコ大好きな祖父が老人ホームに入れられそうになり“駆け落ち”を決意します一方、タマコを心配する若い担任教師は2人に振り回されて…「ソリチュード」従妹との恋と父親との確執からくる閉塞感から逃れようと18歳で家出した春一東京の夜の世界に身を置き、雇われですが一軒 . . . 本文を読む
角川春樹事務所2023年3月 第1刷発行2023年4月 第2刷発行252頁「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に続く希望の物語地元のラジオ局で深夜番組の担当をしているソガある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところリスナーからよく似た肖像画を見た、と葉書が届きます美術館を訪ねたことをきっかけに広がる物語「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」の登場人物たちとの邂逅が、土曜日のハンバーガー、流星新 . . . 本文を読む
筑摩書房2020年11月 初版第1刷発行179頁34歳になる独身女性・柴田理不尽な雑用、セクハラ等、女性差別的な職場にキレて「妊娠してます」と口走った妊婦ライフ偽の妊婦を演じることで空虚な日々にささやかな変化を起こしていきます「偽装妊娠」とは面白い設定です彼女はどうやって産休まで会社をだまし続けるのかまた産休明けはどうするのか会社を辞めてしまうのか後半で意外や意外にも…そうだよね~で . . . 本文を読む
マガジンハウス2022年10月 第1刷発行368頁1970年代、シンガーソングライターとして十代でデビューを飾った荒井由実のちに日本最大のポップスター、ユーミンとなる煌めく才能はいかにして世に出たか八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系の私立女子中学に進学放課後や休日は高度成長期の東京を好奇心いっぱいに動き回り、人間関係を広めていき、音楽界に燦然と輝くアーティストたち . . . 本文を読む
角川書店2023年2月 初版発行317頁10年刻みで遡りながら明かされる、ある家族たちの軌跡をたどる全6章2029年のごみ屋敷韓国からきた異父兄の家出おばあちゃんのお通夜で通常運転のママうちの家族はふつうとはちがう2019年のクルーズ船クルーズ船で一緒になった夫婦と年若の青年なんだかすべてがパフォーマンスに見えた2009年のロシアンルーレットクリスマスの夜のダイヤの指輪ママの掌の上で踊らされている . . . 本文を読む
中央公論新社2019年5月 初版発行395頁文芸誌「小説BOC」の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作ある“ルール”のもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの一族が対立する歴史を描きます時代は19世紀後半から20世紀初頭、明治時代ですかつて幼馴染だった黒い瞳の新太郎、青い瞳の灯、新太郎の妹で耳が大きい鈴成長した三人は、それぞれの道を歩んで . . . 本文を読む
朝日新聞出版上巻・青春篇2018年9月 第1刷発行351頁下巻・花道篇2018年9月 第1刷発行353頁戦後の長崎から大阪、オリンピック後の東京へ任侠、立花組組長の息子、立花喜久雄が父親の死をきっかけに大阪の花井半次郎家にお世話になり、日本一の女形歌舞伎役者として人間国宝に認定されるまでの一代記切磋琢磨する喜久雄と半次郎の一人息子・俊介長崎時代から喜久雄を坊ちゃんと呼び、影日向に支えてくれる徳次色 . . . 本文を読む
光文社2016年2月 初版第1刷発行296頁地方に暮らす仲良し5人組は高校卒業と同時にそれぞれの道を歩みます大学受験に失敗し、ぶらぶらしながら孤独を感じていた三千花東京の大学を卒業後、ライターとなりますが挫折して地元に帰ってきた志津短大を出て、母の言いなりで市役所に勤務する麻里奈奔放な美人で社長と結婚した後も不倫の日々をブログに綴る理恵20歳でできちゃった婚をし、3人の子供を育てながらネット中毒に . . . 本文を読む
文藝春秋2016年3月 第1刷発行435頁2014年の東京春ビール会社の営業課長、明良部下からも友人からも信頼される彼の家に謎めいた贈り物が…夏都議会議員の夫と息子を愛する篤子思いかけず夫やママ友の秘密を知ってしまいます秋TV局の報道ディレクター、謙一郎香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材するなど仕事は充実しており、再来月には結婚も控えていますそして、冬2085年の日本ごく緩い繋がりが . . . 本文を読む
中央公論新社2019年7月 初版発行409頁文芸誌「小説BOC」の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作ある“ルール”のもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの一族が対立する歴史を描きます2095年、壁によって分断された東京は〈不眠の都〉と呼ばれていました睡眠コンサルタントで働くシュウは謎の美女と出会い…「螺旋プロジェクト」最 . . . 本文を読む
ポプラ社2022年8月 第1刷282頁ままならない日常に悩む惑う人たちが踏み出す一歩が背中を押してくれる連作短編集「ママはダンシングクイーン」家族仲がしっくりいかず生き方に迷う主婦「私の名前はキム・スンエ」16歳になる直前まで自分が在日韓国人3世と知らされていなかった姉妹「彼が見つめる親指」ゲイであることに葛藤する男子高生「私はそれを待っている」血の繋がった子どもを持てなかった母親「36年目の修学 . . . 本文を読む
絵・フジモトマサルちくま文庫2016年12月 初版発行125頁フジモトマサルさんが描いた読書の風景から吉田篤弘さんが紡いだ24の物語私たちは、いろいろなところで本を開く電車で、ベッドで、公園のベンチで、縁側で、喫茶店で、お風呂でなぜそこで本を読んでいるのか、何を読んでいるのか、何を感じているのか、そこには、ひとつひとつ異なる物語があるそしてもちろん、開いた本の中にもまた別の物語がある大人のための絵 . . . 本文を読む