読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

吉田篤弘「鯨オーケストラ」

2024年05月27日 | や・ら・わ行の作家
角川春樹事務所2023年3月 第1刷発行2023年4月 第2刷発行252頁「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に続く希望の物語地元のラジオ局で深夜番組の担当をしているソガある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところリスナーからよく似た肖像画を見た、と葉書が届きます美術館を訪ねたことをきっかけに広がる物語「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」の登場人物たちとの邂逅が、土曜日のハンバーガー、流星新 . . . 本文を読む
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八木詠美「空芯手帳」

2024年05月05日 | や・ら・わ行の作家
筑摩書房2020年11月 初版第1刷発行179頁34歳になる独身女性・柴田理不尽な雑用、セクハラ等、女性差別的な職場にキレて「妊娠してます」と口走った妊婦ライフ偽の妊婦を演じることで空虚な日々にささやかな変化を起こしていきます「偽装妊娠」とは面白い設定です彼女はどうやって産休まで会社をだまし続けるのかまた産休明けはどうするのか会社を辞めてしまうのか後半で意外や意外にも…そうだよね~で . . . 本文を読む
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山内マリコ「すべてのことはメッセージ 小説ユーミン」

2024年04月29日 | や・ら・わ行の作家
マガジンハウス2022年10月 第1刷発行368頁1970年代、シンガーソングライターとして十代でデビューを飾った荒井由実のちに日本最大のポップスター、ユーミンとなる煌めく才能はいかにして世に出たか八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系の私立女子中学に進学放課後や休日は高度成長期の東京を好奇心いっぱいに動き回り、人間関係を広めていき、音楽界に燦然と輝くアーティストたち . . . 本文を読む
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吉川トリコ「あわのまにまに」

2024年03月27日 | や・ら・わ行の作家
角川書店2023年2月 初版発行317頁10年刻みで遡りながら明かされる、ある家族たちの軌跡をたどる全6章2029年のごみ屋敷韓国からきた異父兄の家出おばあちゃんのお通夜で通常運転のママうちの家族はふつうとはちがう2019年のクルーズ船クルーズ船で一緒になった夫婦と年若の青年なんだかすべてがパフォーマンスに見えた2009年のロシアンルーレットクリスマスの夜のダイヤの指輪ママの掌の上で踊らされている . . . 本文を読む
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薬丸岳「蒼色の大地」

2024年02月28日 | や・ら・わ行の作家
中央公論新社2019年5月 初版発行395頁文芸誌「小説BOC」の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作ある“ルール”のもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの一族が対立する歴史を描きます時代は19世紀後半から20世紀初頭、明治時代ですかつて幼馴染だった黒い瞳の新太郎、青い瞳の灯、新太郎の妹で耳が大きい鈴成長した三人は、それぞれの道を歩んで . . . 本文を読む
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吉田修一「国宝」

2024年02月25日 | や・ら・わ行の作家
朝日新聞出版上巻・青春篇2018年9月 第1刷発行351頁下巻・花道篇2018年9月 第1刷発行353頁戦後の長崎から大阪、オリンピック後の東京へ任侠、立花組組長の息子、立花喜久雄が父親の死をきっかけに大阪の花井半次郎家にお世話になり、日本一の女形歌舞伎役者として人間国宝に認定されるまでの一代記切磋琢磨する喜久雄と半次郎の一人息子・俊介長崎時代から喜久雄を坊ちゃんと呼び、影日向に支えてくれる徳次色 . . . 本文を読む
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吉川トリコ「光の庭」

2024年02月17日 | や・ら・わ行の作家
光文社2016年2月 初版第1刷発行296頁地方に暮らす仲良し5人組は高校卒業と同時にそれぞれの道を歩みます大学受験に失敗し、ぶらぶらしながら孤独を感じていた三千花東京の大学を卒業後、ライターとなりますが挫折して地元に帰ってきた志津短大を出て、母の言いなりで市役所に勤務する麻里奈奔放な美人で社長と結婚した後も不倫の日々をブログに綴る理恵20歳でできちゃった婚をし、3人の子供を育てながらネット中毒に . . . 本文を読む
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吉田修一「橋を渡る」

2024年02月04日 | や・ら・わ行の作家
文藝春秋2016年3月 第1刷発行435頁2014年の東京春ビール会社の営業課長、明良部下からも友人からも信頼される彼の家に謎めいた贈り物が…夏都議会議員の夫と息子を愛する篤子思いかけず夫やママ友の秘密を知ってしまいます秋TV局の報道ディレクター、謙一郎香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材するなど仕事は充実しており、再来月には結婚も控えていますそして、冬2085年の日本ごく緩い繋がりが . . . 本文を読む
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吉田篤弘「天使も怪物も眠る夜」

2024年01月21日 | や・ら・わ行の作家
中央公論新社2019年7月 初版発行409頁文芸誌「小説BOC」の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作ある“ルール”のもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの一族が対立する歴史を描きます2095年、壁によって分断された東京は〈不眠の都〉と呼ばれていました睡眠コンサルタントで働くシュウは謎の美女と出会い…「螺旋プロジェクト」最 . . . 本文を読む
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吉川トリコ「流れる星をつかまえに」

2024年01月16日 | や・ら・わ行の作家
ポプラ社2022年8月 第1刷282頁ままならない日常に悩む惑う人たちが踏み出す一歩が背中を押してくれる連作短編集「ママはダンシングクイーン」家族仲がしっくりいかず生き方に迷う主婦「私の名前はキム・スンエ」16歳になる直前まで自分が在日韓国人3世と知らされていなかった姉妹「彼が見つめる親指」ゲイであることに葛藤する男子高生「私はそれを待っている」血の繋がった子どもを持てなかった母親「36年目の修学 . . . 本文を読む
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吉田篤弘「という、はなし」

2023年11月02日 | や・ら・わ行の作家
絵・フジモトマサルちくま文庫2016年12月 初版発行125頁フジモトマサルさんが描いた読書の風景から吉田篤弘さんが紡いだ24の物語私たちは、いろいろなところで本を開く電車で、ベッドで、公園のベンチで、縁側で、喫茶店で、お風呂でなぜそこで本を読んでいるのか、何を読んでいるのか、何を感じているのか、そこには、ひとつひとつ異なる物語があるそしてもちろん、開いた本の中にもまた別の物語がある大人のための絵 . . . 本文を読む
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吉田修一「ミス・サンシャイン」

2023年10月02日 | や・ら・わ行の作家
文藝春秋2022年1月 第1刷発行281頁大学院生の岡田一心は、伝説の映画女優「和楽京子」こと、鈴さんの家に通って荷物整理のアルバイトをするようになりました鈴さんは一心と同じ長崎出身で、かつてはハリウッドでも活躍していた銀幕のスターでした切ない恋に溺れていた一心は、今は静かに暮らしている鈴さんとの交流によって大切なものに気づくのでした虚実を織り交ぜて戦後映画史をたどりながら鈴さんの来し方が語られま . . . 本文を読む
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吉田篤弘「屋根裏のチェリー」

2023年09月20日 | や・ら・わ行の作家
角川春樹事務所2021年7月 第1刷発行2021年8月 第2刷発行291頁町の外れにある古いアパートの屋根裏に暮らしている元オーボエ奏者のサユリ唯一の友だちは、自分の頭の中にいる小さなチェリーほとんど引き籠って暮らしているサユリの生活に舞い込んだ200年前に川を遡ってきたクジラの骨が見つかったというニュースそれをきっかけに、サユリの生活に新しい風が吹き込んできて気持ちを前に向かせてくれます「流星シ . . . 本文を読む
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吉田修一「永遠と横道世之介」

2023年08月01日 | や・ら・わ行の作家
毎日新聞出版2023年5月 発行上巻 347頁下巻 382頁横道世之介38歳吉祥寺とは呼べない場所に立つ下宿「ドーミー吉祥寺の南」でオーナー・あけみと事実婚状態で暮らしていますカメラマンとして独り立ちしたものの、まだ名前が売れるまでには至っていませんが、仕事が切れることはなく、下宿人たちやあけみ、仕事上の先輩、後輩らと毎日を彼らしく『リラックス』して過ごしているようです間に挟まれるのが前2作の話で . . . 本文を読む
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柚月裕子「慈雨」

2023年04月06日 | や・ら・わ行の作家
集英社文庫2019年4月 第1刷2020年2月 第11刷解説・松本大介-「色のない夢」398頁警察官を定年退職し、妻・香代子と共に四国遍路の旅に出た神場旅先のテレビで知った愛里菜ちゃん殺害事件は、16年前に自らが捜査にあたりDNA鑑定の結果を決め手に犯人を逮捕した純子ちゃん殺害事件に酷似していました愛里菜ちゃん殺害事件に関して手がかりのない捜査状況に悩む後輩に電話でアドバイスしながら神場は純子ちゃ . . . 本文を読む
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