読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

村井理子「兄の終い」

2024年01月10日 | ま行の作家
CCCメディアハウス2020年4月 初版2020年5月 初版第3刷169頁宮城県塩釜警察署刑事第一課から夜遅く、「私」の携帯にかかってきた1本の電話それは、既に両親を失くしている「私」の唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報でした発見者は兄と暮らしていた小学生の息子で今は児童相談所に保護されているといいます周囲に迷惑ばかりかける人だった兄二度目の離婚後、多賀城市へ住まいを移したものの . . . 本文を読む
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丸山正樹「刑事何森 逃走の行先」

2023年09月12日 | ま行の作家
東京創元社2023年6月 初版268頁デフ・ヴォイスシリーズスピンオフ第2弾優秀な刑事ですが組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森刑事の活躍を描きます「逃女」「永遠(エターナル)」「小火(しょうか)」ベトナム人技能実習生、ホストに貢ぐ女性、高齢者ホームレス3編とも貧しく孤独な女性が加害者で実際に起きた事件をヒントに創作されています何森の考えを通して現代社会の現状 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「魂手形 三島屋変調百物語七之続」

2023年08月19日 | ま行の作家
角川書店2021年3月 初版発行293頁江戸は神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語従妹のおちかから聞き手を引き継いだ三島屋の次男・富次郎は、語られた話を墨絵に描き封じ込めることで聞き捨てとしていました「火焔太鼓」美丈夫の勤番武士が語る摩訶不思議な力であらゆる火災を制す神器の真実「一途の念」馴染の団子売りの娘が打ち明けた一途な愛が起こした悲しき事件「魂手形」木賃宿に泊まったお化けの復讐 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「さよならの儀式 8 Science Fiction Stories」

2023年07月30日 | ま行の作家
河出書房新社2019年7月 初版発行2019年9月 5刷発行413頁「母の法律」被虐待児を救済しうる奇跡のシステム、マザー法により新しい家族の元で幸せに暮らしていた少女・二葉しかし、養母が病気で亡くなったことで未成年である二葉は施設に戻らなければならなくなります「戦闘員」妻を亡くしてから独り暮らしの老人・達三が、毎朝の散歩ルートで少年が防犯カメラを壊そうとしているのを目撃以来、防犯カメラが気になる . . . 本文を読む
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森沢明夫「水曜日の手紙」

2023年07月23日 | ま行の作家
角川書店2018年12月 初版発行285頁水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの日常が記された手紙が届くという「水曜日郵便局」主婦の直美は職場や義父母との関係で抱えたストレスを日記に吐き出すだけの毎日を変えたいと、理想の自分になりきって手紙を出します一方、絵本作家になる夢を諦めて人生に迷っていた洋輝も、婚約者の薦めで水曜日の手紙を書くことに不思議な縁で交差した2人の手紙は、関わる人々の . . . 本文を読む
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丸山正樹「刑事何森 孤高の相貌」

2023年07月19日 | ま行の作家
東京創元社2020年9月 初版323頁「デフ・ヴォイス」シリーズから派生したスピン・オフ作品本作の主人公・何森刑事は同シリーズを通して下手をしたらシリーズ主人公の荒井尚人をしのぐほどの人気とのことかくいう私もファンで、ずっと読みたかった1冊です「二階の死体」車椅子利用者の女性宅で起こった殺人事件捜査本部の方針に疑問を持った何森は…「灰色でなく」容疑者は供述弱者の青年彼の自白を信じられ . . . 本文を読む
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皆川博子「皆川博子コレクション2 夏至祭の果て」

2023年07月02日 | ま行の作家
編・日下三蔵出版芸術社2013年5月 初版発行429頁文庫未収録作品に、アンソロジーや再編集本に収録されたきり文庫化の機会を逸してきた作品、さらに一度も本になっていない未刊行作品を増補してまとめた全五巻のうちの第二巻第一部「夏至祭の果て」児童書「海と十字架」発表後、大人の物を、と望まれ主題をもっと掘り下げたもの1976年下期の直木賞候補に選ばれていますキリシタン弾圧の頃に、殉教者としてではなく、自 . . . 本文を読む
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丸山正樹「ワンダフル・ライフ」

2023年06月12日 | ま行の作家
光文社2021年1月 初版第1刷発行316頁事故で重度の障がいを負った妻を自宅介護する中年男性の日常とその心理を描く「無力の王」30代後半の夫婦が1年限定で不妊治療に臨む様子を描く「真昼の月」不倫相手である上司の子を身ごもった20代の女性が別の男性と距離を縮めていく様子を描く「不肖の子」脳性まひの青年がネットで知り合った健常者の女性に恋をし、自分は健常者であると偽りの身分をまとって彼女とデートする . . . 本文を読む
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丸山正樹「水まきジイサンと図書館の王女さま」

2023年05月08日 | ま行の作家
絵・高杉千明偕成社2022年7月 初版1刷149頁「デフ・ヴォイスシリーズ」のスピンオフ作品児童書です小学4年生になった美和と英知の周囲で起こる出来事あれこれ毎朝、土しかない花壇に水を撒くおじいさんあちこちに現れた食べたものを吐く猫たち図書館で大切な栞を失くした女の人これらの物語がミステリー要素も加わり少しずつリンクしていきます児童向けなので、後味の悪い結末にはならずほんわか心温まる内容になってい . . . 本文を読む
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皆川博子「皆川博子コレクション1 ライダーは闇に消えた」

2023年05月04日 | ま行の作家
編・日下三蔵出版芸術社2013年3月 初版発行437頁文庫未収録作品に、アンソロジーや再編集本に収録されたきり文庫化の機会を逸してきた作品、さらに一度も本になっていない未刊行作品を増補してまとめた全五巻のうちの第一巻第一部表題作「ライダーは闇に消えた」1975年3月に講談社文庫から書下ろしで刊行されて以来、実に38年ぶりの再刊江戸川乱歩賞に応募するつもりで書き溜めていた本格推理小説の文法に則った青 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」

2023年04月20日 | ま行の作家
角川文庫2022年6月 初版発行解説・小松和彦607頁江戸、神田にある袋物屋・三島屋一風変わった百物語を続けていますこれまで聞き手を務めてきた主人の姪・おちかが嫁入りしたことを機に、その役目を引き継いだのは三島屋の次男・富次郎さてさて、新章・三島屋変調百物語にはどのような趣向が凝らされているのでしょう「泣きぼくろ」再会した友が語り始める一家離散の恐ろしい運命憑りつかれたことで人格が変わってしまう恐 . . . 本文を読む
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森沢明夫「本が紡いだ五つの奇跡」

2023年03月10日 | ま行の作家
講談社2021年9月 第1刷発行348頁編集者・津山奈緒、作家・涼元マサミ、装幀家・青山哲也、書店員・白川心美、読者・唐田一成崖っぷちの5人は、ある1冊の本にめぐりあう先回の「きらきら眼鏡」が残念だったので、しばらくは読まないつもりでしたが主人公が5人の連作短編集ならどうかしら、と思い読んでみました要は森沢明夫さんが好きで読みたいのです本作も他作品とのリンクがあってウフフ津山奈緒から涼元マサミへ以 . . . 本文を読む
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丸山正樹「慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス」「わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス」

2023年03月02日 | ま行の作家
「慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス」創元推理文庫2021年12月初版解説・池上冬樹290頁デフ・ヴォイスシリーズ第3弾連作形式の短編4編妊娠したろう者の妻と夫の悲劇を見据える「慟哭は聴こえない」ろう者の俳優の苦悩を捉える「クール・サイレント」行き倒れたろう者の人生を辿る「静かな男」会社内での障がい者差別をめぐる裁判劇「法廷のさざめき」これまでと同様聴覚障がい者たちの苦悩と葛藤、主人公・荒井が抱える . . . 本文を読む
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宮部みゆき「心とろかすような」

2023年01月28日 | ま行の作家
創元推理文庫2001年4月 初版2012年9月 26版2019年11月 新装初版解説・戸川安宣 宮部さんのデビューの頃344頁元警察犬で今は蓮見探偵事務所の用心犬、ジャーマン・シェパードのマサと飼い主で所長の浩一郎氏、長女で調査員の加代ちゃん、末っ子で高校生の糸ちゃん、etcが立ち向かう5つの事件をマサの目を通して描く連作短編集犬が人の言葉を解して、というとオダギリジョーさん大活躍のNHKドラマ「 . . . 本文を読む
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丸山正樹「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」

2023年01月16日 | ま行の作家
2015年8月 第1刷2020年3月 第10刷解説・三宮麻由子304頁昨年読んだ「龍の耳を君に デフ・ヴォイス」の前作仕事と結婚に失敗した荒井尚人、43歳今の恋人にも半ば心を閉ざしています求職難に直面して止む無く唯一の技能である手話通訳の仕事を選択肢に入れたことから、長く封印していた自分が「コーダ」であるという事実が浮かび上がってきますろう者の法廷通訳を務めたことから広がる人間関係ろう者に寄り添う . . . 本文を読む
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