読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

西加奈子「くもをさがす」

2025年02月10日 | な行の作家
河出書房新社2023年4月 初版発行2023年8月 19刷発行252頁2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から寛解までの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――自分自身は今のところがん検診の結果は問題なしですが決して他人事ではないと思 . . . 本文を読む
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凪良ゆう「流浪の月」

2024年11月26日 | な行の作家
東京創元社2019年8月 初版2020年2月 五版313頁凪良さん、初読です周囲から変わっている、と言われる両親と更紗変わっていようがいまいが、更紗にとってはとても居心地のよい仲の良い家族でしたしかし、父親が亡くなり、その寂しさに耐えきれない母親が恋人と家を出ていってしまい、伯母の家に預けられてからの日々はとても居心地の悪いもので、学校にも伯母の家にも彼女の居場所はありませんでした学校帰りに本を読 . . . 本文を読む
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乃南アサ「六月の雪」

2024年08月09日 | な行の作家
文藝春秋2018年5月 第1刷発行509頁声優への夢破れ派遣社員として働く杉山未來、32歳独身福岡に暮らす両親、弟妹と離れ、祖母の朋子と東京で2人暮らしをしていますある日、祖母が台湾生まれであることを知った未來は祖母の骨折、入院を機に、彼女を元気づけるためゆかりの地を訪ねようと7日間の予定で台湾へと旅立ちます父親の伝手で案内してくれることになった親切な台湾人たちと一緒に調べ始めますが、最近の祖母は . . . 本文を読む
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夏川草介「臨床の砦」

2024年08月06日 | な行の作家
小学館文庫2022年6月 初版第1刷発行263頁「自分だけが辛いのではないと思えば、踏みとどまる力が生まれる」2020年の年末から新型コロナ感染者が急増し、医療従事者の体力は限界を超えていました現場の印象は医療崩壊ではなく医療壊滅長野県の感染症指定医療機関、信濃山病院に勤務する内科医・敷島寛治を主人公に、未知のウィルスとの闘いに挑んだ医療従事者たちを描きます当時の感染者、医療従事者たちへの理不尽な . . . 本文を読む
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乃南アサ「雫の街 家裁調査官・庵原かのん」

2024年07月23日 | な行の作家
新潮社2023年6月 発行349頁家裁調査官・庵原かのんシリーズ第2弾新任地・川崎で今度は家事事件を担当することになったかのん東京と福岡、遠距離恋愛だった栗林と無事結婚し、忙しくも充実した日々を送っています「幽霊」「待ちわびて」「スケッチブック」「引き金」「再会」「キツネ」「はなむけ」記憶喪失の男、失踪後7年が過ぎ妻から失踪宣告の申し立てが出された歯科医、義理の父親から性的虐待を受けている女児、4 . . . 本文を読む
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中島要「結び布 着物始末暦(十)」

2024年07月09日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2018年2月 第1刷発行271頁着物始末暦シリーズ第10巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズいよいよ最終巻です商売敵とはいえ、三百年も続いた京の呉服問屋・井筒屋の暖簾をこのまま消してよいものか呉服太物問屋、大隅屋の若旦那・綾太郎は悩んだ末、本両替商・後藤屋の大旦那に相談に行き、まさかの条件を突き付けられます決着をつけるため、着物始 . . . 本文を読む
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中島要「刀圭」

2024年07月01日 | な行の作家
光文社2010年9月 初版1刷発行267頁長崎帰りの若き町医者・井坂圭吾亡き父の教えに従い、貧しい町人たちを安く、時に無償で治療していましたところが、懇意にしていた薬種問屋の若旦那・生三郎と言い合いになり、援助を打ち切られてしまいます圭吾の診療を手伝っていたタキは、新たな援助先を頼りますが、そこには思いも寄らぬ因縁がありました自分のことは後回し人のために誠意を尽くす若き医師の物語と思いきや頭でっか . . . 本文を読む
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中島要「白に染まる 着物始末暦(九)」

2024年06月09日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2017年8月 第1刷発行271頁着物始末暦シリーズ第9巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ大隈屋の若旦那・綾太郎は朝からうんざりしています西海天女と呼ばれている唐橋花魁が吉原で最後に着る打掛を大隈屋で作ったことが江戸中の噂となり、それを一目見ようと客が押しかけてきたからです唐橋に恨みを持つ札差の澤田屋や井筒屋江戸店店主・愁介がつけ . . . 本文を読む
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中島要「異国の花 着物始末暦(八)」

2024年06月04日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2017年2月 第1刷発行272頁着物始末暦シリーズ第8巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ柳原の土手で古着屋を営む六助は、朝から落ち着きませんなぜなら、今日は着物始末職人の余一と一膳飯屋の看板娘・お糸の待ちに待った祝言の日だからです身支度を整え、余一の元へ向かおうとする六助の前に、井筒屋江戸店店主・愁介が現れますいったい愁介は何を . . . 本文を読む
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中島要「なでしこ日和 着物始末暦(七)」

2024年05月31日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2016年8月 第1刷発行273頁着物始末暦シリーズ第7巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ余一はお糸と夫婦になることを決心長年の思いが実り、喜んで父に伝えにいったお糸でしたが、頭ごなしに反対されてしまいますなぜ父はふたりの仲を認めてくれないのか母の形見である撫子色の着物を着て祝言を挙げたかったのに、と困惑するお糸の前に意を決した様 . . . 本文を読む
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中島要「錦の松 着物始末暦(六)」

2024年05月15日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2016年2月 第1刷発行275頁着物始末暦シリーズ第6巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ一膳飯屋の看板娘・お糸は長年想いを寄せている着物の始末を生業とする職人・余一にきっぱり断られてしまった一方で、紙問屋の若旦那・礼治郎から嫁にきて欲しいと言われます想い人を忘れることが出来ず悶々とした毎日を送るお糸一方の余一も、自分の壮絶な過去 . . . 本文を読む
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中島要「なみだ縮緬 着物始末暦(五)」

2024年05月04日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2015年8月 第1刷発行280頁着物始末暦シリーズ第5巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズお糸、おみつ、綾太郎、六助の各人の視点で描かれる4編余一から決定的な別れの言葉を浴びせられ悲しみのどん底に追いやられたお糸突然、お糸を秘かに9年も見て来たという紙問屋の若旦那から求婚され…5年も思い続けてきたのに、ようやく父親も . . . 本文を読む
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中島要「雪とけ柳 着物始末暦(四)」

2024年04月02日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2015年2月 第1刷発行264頁着物始末暦シリーズ第4巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ正月早々、江戸の町では開店したばかりの老舗呉服屋、井筒屋江戸店の噂で持ち切り「井筒屋で配られている引き札を五枚集めたら効果な絹のしごきがもらえる」「どうやら井筒屋は配ったしごきの色で美人番付をしているらしい」しかし話の裏にはとんでもない陰謀が . . . 本文を読む
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中島要「夢かさね 着物始末暦(三)」

2024年03月21日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2014年2月 第1刷発行2016年2月 第7刷発行277頁着物始末暦シリーズ第3巻着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ「菊とうさぎ」「星花火」「面影のいろ」「夢かさね」3作目ともなると登場人物たちのキャラにも慣れてきてすんなりと物語世界に入り込めますただ、本文内にもありますが、何かと都合のよいところがあって安易な展開にやや興ざめ女性 . . . 本文を読む
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中島要「藍の糸 着物始末暦(二)」

2024年02月08日 | な行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2013年7月 第1刷発行2014年2月 第6刷発行267頁着物始末暦シリーズ第2巻呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は、着物の染み抜きなど、何でもこなす着物始末屋・余一のもとへ打掛の始末を頼みます毛嫌いする余一を困らせようと生地が弱り擦り切れた打掛を渡したのですが、その仕上がりは非の打ちどころのない出来栄えでした余一に対して何としても一泡吹かせたいと願う綾太郎そんなある日、彼 . . . 本文を読む
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