僕は僕なりの“マイ”Life

死ぬ前に読みかえして「クスッ」と笑ってみたい

第2回:中国と旧正月

2014年05月13日 21時07分13秒 | 中国散歩道
旧正月。
中国では春節と呼ばれているこの長期休暇は中国では欠かせない連休となっている。
旧正月という通り、日本の正月にあたり、年末年始のムードとなる。この春節期間は正月を家族と過ごすため、地方から北京や上海に出てきている人達はみな故郷に帰る。
金持ちは当然のごとく飛行機で帰るが、一般市民はそんな贅沢はできず、みな高速鉄道(中国の新幹線)や夜行列車で帰郷をする。中国が広いことは誰しも知るところではあると思うが、実際にこの春節の里帰りにかかる時間を聞くとそのスケールの違いに空いた口が塞がらなくなる。

例えば浙江省で働く人が故郷の雲南省に帰る場合。
通常の列車で30時間もかけて帰るという。30時間!飛行機だったら成田からリオデジャネイロまで行けてしまう。映画だったら長編でも10本も観れてしまう。しかも一般的に春節期間中は猫も杓子も帰郷するので、電車の混雑具合はラッシュ時の中央線を遥かに上回り、ボックスシートの向かい合う人と人の間に人が立ち、荷物を乗せる網棚の上に人が寝るという漫画のような展開(ただし、実際に見たことはないので多少オーバーかもしれない)。

実際には実家のある街までたどり着いたとしても、電車の駅から実家までバスで3時間というアドベンチャーなので、本当に長い人では冗談でなく2~3日をかけて里帰りをするのだ。春節は大体7~9連休なのだが、例えば移動で片2日かかると、往復で4日。移動だけで連休の半分が潰れてしまう。
そのため、春節では通常の7週間の休みに加えて前後数日を有給にしたり、工場ワーカーなどは前後1週間を休み3週間の長期連休にしてしまうケースもある。

こんな苦労をして帰路につき、久々の故郷で休みを満喫していると、周りの勧めもあって、もう戻って働かなくてもいいか、なんてそのまま戻って来ない従業員もいる。冗談のように聞こえるかもしれないが、これは事実。
実際に春節明けに社員が半分しか戻って来ないケースもあり、工場などでは悩みの種になっている。これを解決するために、ボーナスの一部を春節明けにずらして支給するなど対策を取っているという。

このように中国では春節はとにかく誰も働かないので、堂々と休みが取れる。
日本で働いていると、どうしても仕事が気になって長期休暇が取りにくいが、この点では中国の春節は非常に良い。
有給を消化しないことで有名な日本人だが、多少祝日を減らしても、国策として各企業に1年は1度、必ず社員に9連休を取得させること、という法令を出すくらいしても良いかもしれない。


※春節には街中でもガンガン花火が打ち上げられる

最新の画像もっと見る

コメントを投稿