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昔、母が憑かれたようにテディベアを作っていた時期があった。大きいのから小さいのまで、100体以上も作っていたと思う。素人の趣味の手作りだけど、なかにはちゃんとした作品もあって、ショップで売っていただいたり、知り合いに貰ってもらったりしているうちに、ぱったり作ることをやめてしまった。今、家に残っているのは20体ぐらいだろうか。お気に入りで手放せなかったものたちと、できそこないで貰い手のなかったものたちだ。部屋に飾ってあったり、衣装ケースに詰め込んであったりするのだが、たまにベランダに運び出して虫干しをしてやる。写真の子は、私のお気に入り。読書の秋なので、このところ声に出して読んでいる太宰治の「女学生」と川端康成の「掌の小説」を抱かせてみた。
どちらも短編集だ。「女学生」は、すべて女性の独白体で書かれている。どの作品も、ずきんとくる。太宰は、女が秘密にしておきたいこと、誰にも言えない恥ずかしい心を、しゃあしゃあと語らせる。この、女たらしめ!
「掌の小説」には、小さい作品ばかりが122編も収められている。完成度の高さにおどろく。川端も、駆け引きする女心を、するどく意地悪く書いたりしている。
似てないようで、似ている二人。そういえば、どちらも自殺したんだっけ。
どちらも短編集だ。「女学生」は、すべて女性の独白体で書かれている。どの作品も、ずきんとくる。太宰は、女が秘密にしておきたいこと、誰にも言えない恥ずかしい心を、しゃあしゃあと語らせる。この、女たらしめ!
「掌の小説」には、小さい作品ばかりが122編も収められている。完成度の高さにおどろく。川端も、駆け引きする女心を、するどく意地悪く書いたりしている。
似てないようで、似ている二人。そういえば、どちらも自殺したんだっけ。