MINORI(みのりのブログ)

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くい打ち工事データ改ざん問題について①

2015年10月22日 | 家を建てるなら&メンテナンス
今一番の新聞ざた、
「横浜のマンション傾斜問題」で、杭工事データ改ざんが問題になっている。
その杭打ち工事について
建築界に長く係わってきた一人の技術者としての意見を言いたい。
私は建築設計・監理をずっとやってきました。
それも設計だけではなく、監理もしっかりやってきました。
40年以上の経験で、いかに監理が大切かを痛切に感じてきました。
ちゃんとした設計は当然ですが、
「姉歯事件」として世の中を騒がせた構造計算書偽造問題
設計の大切さを世に知らしめたのも記憶に新しい。
今回の杭工事データ改ざん問題は、
実際に建物を建てる施工の一段階での出来事である。
建物を建てるには、どんなに小さい建物でも何ヶ月も係るし、
物によっては何年も係って建物はできあがる。
その施工段階では、ものすごく多くのチェック確認事項がある。
杭工事の立会い確認、鉄筋鉄骨の配筋・接続・溶接等のチェック、
コンクリート打設の立会い・品質確認・強度確認・etc・・・と
施工の各段階でそれぞれに沢山の確認事項があります。
私が一番言いたいのは、この各段階でチェック確認する
「第三者の目」=「監理者」が一番大事という事。
監理者がいない場合(法的にも監理を規定していない小規模建物など)もありますが、
一定の建物では当然監理の規定があり、監理が行われ、報告も行われる。
設計を行った設計事務所のスタッフが監理するのが基本的だが、
ゼネコンや建売業者等の設計施工一括請負の場合などは、
第三者の監理者ではなく、
自社の監理部門のスタッフが必要な(最低限の場合もある)監理を行う。
大手ゼネコンなどは、それは素晴らしいマニュアルがあり、
当然「監理は第三者の目で見る」様にマニュアル化されている。
独立した監理部門を設けている業者もある。
第三者の目で監理する事が、いかに大切かは誰でも解かるだろう。
しかし、現実問題は、まず「まともな監理者」は少ないという事。
大手設計事務所でも、監理専門の技術者は少なく、
プロジェクト毎に設計要員が監理に廻されたりしている。
とにかく、経験が一番大切な監理者が育っていないのが現実である。
設計・デザインはできても、監理ができない設計者が多いのだ。
長くなってきたので、続きは次回とし、
次回は杭工事をもう少し解かりやすく説明します。