ひと月ほど前、
南阿蘇ビジターセンターの職員から、熱心に進められた場所がある。
「あそこは、9万年前の阿蘇大噴火の痕跡ば見られますばい。」
その場所というのが、
鍋ヶ滝(小国町)である。
花公園からの帰路、ちょっと立ち寄ってみた。
ここは以前訪れた事はあるが、その時はそんな事など知る由も無く、9万年前の遺物を確認していない。
今回、改めてそれをこの目にしたい。
瀑声に向かい、木段をスタコラ降りていくと、
鍋ヶ滝が見えてくる。
鍋ヶ滝は裏側を通って、対岸まで行けるため、裏見の滝とも呼ばれている。
よって、
このように滝の裏から瀑布を眺めるのが、この滝の正しい楽しみ方である。
なのに、
私らときたら、瀑布と反対側の岩壁を、穴の開くように見つめている。
何故なら、
ビジターセンター職員が言う9万年前の痕跡は、この岩盤に埋まっているからだ。
これだ。
約9万年前、
阿蘇で起こった巨大噴火は、阿蘇カルデラをつくり、その時発生した火砕流は、九州各地に到達。
ここ小国地方も呑み込まれた。
これは当時、この地に枝を伸ばしていた樹木が、灼熱の火砕流に覆われ炭となった姿である。
謂わば、世界で最も古い木炭なのだ。
化石ではないそうで、よくもまあ風化もせずに残っていたものである。
対岸から。
南阿蘇ビジターセンターの職員のおじさん。
とても為になりました。
有り難うね。