相変わらず、股関節が痛む。
大した痛みではないが、愉快な物じゃない事は確かだ。
しばらくは山歩きは控えたい。
幸い、自転車を漕ぐ分には、全くと言っていい程痛みは無い。
曇天の空の下、行く当てもなく、出発である。
筑後川に架かる豆津橋まで来た。
そういえば以前、月曜が休館日だとは露知らず、下村胡人生家まで漕いで行って、悄然と引き返した事あったっけ。
今日は火曜日じゃないか。
よし、進路決定。
キコキコキコ
佐賀平野を縦横に流れるクリークの脇に、
目指す生家跡がある。
ここから入館するようだな。
「いらっしゃいませ。記帳だけお願いします。」
何と入館無料であると言う。
そりゃまあ、御親切に。
お邪魔しまーす。
この建物は、胡人が住んだ往時のまま、殆ど変わりはないのだそうだ。
胡人愛用の火鉢。
もっとも胡人自体は、幼少期のみしかここには住んでいない。
没落士族の例に違わず、父親の代で人手に渡っているようだ。
幅広の階段がある。
登ってみよう。
階段の途中の右手に中2階がある。
そのまま階段を登ると、2階部屋になる。
下村胡人のモーニング等の礼服。
胡人愛用の机。
周辺を少し歩いてみる。
次郎が生きた世界がここにある。
なんて、
次郎物語を読んだことがない私が言う事じゃないか。
んじゃ、自転車漕いで帰るとするか。