小用を済ませ、そそくさとリビングに戻る私。
ソファーに根が生えた、いつもの午後である。
さてと、
さっき(ビデオ)の続きを見なくちゃ。
その時、
何とも言えない違和感が。
ソファー向かって左端が私の定位置だ。
??
さっきまで私のお尻があった所に・・・
眼鏡に似た物体が。
いやいやいや。
どうやらビデオの見過ぎのようだ。
私は目が疲れているらしい。
目を擦りながら、ゆっくりとソファーに近づくと、
あっ
あ"ーー!!
踏みしゃいだーーーー!!
(注 久留米弁で『踏みつぶした』の意)
この変わり果てた姿は、紛うこと無く愛用の老眼鏡である。
哀れ眼鏡君。
自分のご主人様から、理不尽な圧死の仕打ちとは。
しかも無残にもバラバラである。
すまん!
全然気付かんかった。
だ、だが、まだ手はあるぞ。
気をしっかり持てよ。
バラバラになった彼を拾い上げた私は、急いで手術台(テーブル)に運んだ。
すぐに蘇生措置を施してやるからな。
えーっと、
み・・・
見えん。
老眼鏡を治すには老眼鏡が必要。
この何とも情けない命題の前に呆然としていると、
「オッチャン、レンズにヒビ入っとるぞ。」(家内)
あっ、ほんとだ。
これはいかんともし難い。
ご臨終だ。
私がリタイヤした直後に作った老眼鏡。
享年6歳の短い命だった。
チーーーン
とっとと、眼鏡屋さんに行かなくちゃ。