年老いた母親との面会話。
読み手に取って、最も興味を惹かない主題の一つではなかろうか。
今回の投稿はそういう話であると、最初に断っておく。
私の母は認知症である。
施設に預けている。
施設に預ける事については、暫く悩みもしたが、今ではこれで良かったと思っている。
母は今年9月で97歳となる。
施設では、コロナ騒ぎの前は、かなりの頻度で、外出に連れて行ってくれていた。
散歩や買い物、施設周りの道路清掃等である。
これが、脳への適度な刺激になっていたのと同時に、足腰にはいい運動になっていて、
「あたしゃ、まだ足腰は達者やけん。車椅子やら要らん。」
それが母の自慢だった。
そこに新型コロナである。
外出は完全に中止。
室内での催しに終始せざるを得なくなった。
高齢者施設としては、至極当然の措置である。
だが、結果として、筋力低下が著しくなってきているのも確かである。
こんな短期間にと驚くばかりだ。
おまけに、昨年の緊急事態宣言から、家族の面会も度々中止となった。
これが面会と言えるかどうかは別にして、現在、玄関のガラス越しに会う事だけが許されている。
無論、これも当然の措置であり、異議などは微塵もない。
車椅子が嫌いなお袋。
介添えして貰いながらも、自らの足で歩いてやって来た。
とは言え、つかまり立ちでやっと立っている状態だ。
顔も上にあげられない。
足腰、首、体中の筋力が低下している。
一年前は無かった事だ。
こんな状況下では、ガラス越しの面会ですら、1~2分が限界だろう。
「そんじゃ、帰るけんね。バイバイ、元気でな。また来るたい。」
「ほら江島さん。息子さん達帰るって。バイバーイ。」
職員に促されて、手を振ってはいるものの、
お袋にとって、
何で私らが中に入って来ないのか、何で直ぐ帰ってしまうのか、
理解しがたい事だろう。
新型コロナ、
いや、チャイニーズウイルスの、
クソッタレ!!