Tシャツとサンダルの候

童女木池の心優しきオジサンの世界に土足で踏み込んだようだ。

近所の童女木池に久々に散歩に出かけた。

童女木池は江戸時代に灌漑用として掘られた溜池で・・・

 

ん?

視線の先に、オジサンが池の方に向かって、何やら投げ入れている。

野鳩が2匹、逃げようともせずに、オジサンと共に池を見つめていた。

 

オジサンが投げ入れているのは、どうやら、魚のえさらしい。

不明瞭で申し訳ないが、大きな鯉4~5匹と、30cmはあろうかと思われる亀が2匹、オジサンが餌を投げ入れるたびに、バシャバシャと群がっていた。

 

「へえーすごいですね。いつも、餌をやられてるんですか?」

 

え!・・・・ええ。」

 

私に話しかけられたのが、よっぽど気まずかったのか、オジサンは餌やりを突然止めてしまった。

以後、池をひたすら見つめるばかりだ。

もう、これ以上話しかけるなオーラ、満開である。

鳩が、オジサンを心配そうに見ていた。

 

 

どうやら私は、触れてはいけない世界に、土足で踏み込んでしまったようだ。

そんなにオジサンを傷つけるような事を言った覚えもないが・・・

 

帰ろか、もこ。

 

 

 

 

さあ、東京の娘が帰ってくる。

これから、迎えに行かなくちゃ。

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