小国からは矢部経由で帰る。
途中、黒木の大藤まつりの案内が目についた。
国道沿いにはテントがズラリと張られ、お茶を始め、各種物産が売られている。
連休直前とは言え、平日にも関わらず、そこそこの人出である。
ちょいと寄っていくか。
国道から一筋入ったこの狭い通りに、数10mも間を置かずに2件の酒蔵がある。
綺麗な水が流れる堀には鯉が泳ぐ。
旭松酒造
ちょいと入ってみるか。
試飲できますって・・・
俺、車なんだよ。
なんでそんな酷な事、書くんだよ。
目の前で美味しそうに試飲するオッサンをしり目に、カウンターに並ぶ酒の中から買ったのはこれだ。
帰宅して撮ったものだ。
まだ飲んでいない。
今夜あたり、私の血中でアセトアルデヒドに変わる予定だ。
因みに、背後から邪悪な視線を送る黒い影は、私らが勝手に一泊して、ほったらかしにした事を怒っているようだ。
再び黒木の大藤にもどす。
藤棚に入った途端、むせ返るような藤の匂いに包まれる。
屋台が並び、美味しそうなソースの焦げる匂いと綯い交ぜだ。
征西将軍壊良親王から将軍職を譲られた、良成親王お手植えの藤。
国の天然記念物。
当然なことに、この場所を目指してのあの人出である。
藤棚の下は結構な人だ。
人が写らないように撮るには、接写中心になるしかない。
同じような写真で恐縮だが、辛抱してもらうほかない。
さっきから中国語が飛び交ってはいるが、不思議な事にこの集団、なんだかお行儀がいい。
第一、大容量のアンプでも喉に隠しているんじゃないかと言う声の大きさが無い。
普通だし、なにより周りに配慮が見える。
あ、台湾から。
どーりで。
Welcome to Japan !
「野菜が安か!あ、干し椎茸も。」
テント村に入ると、家内の腕には見る見るうちに、ビニール袋が多数ぶら下がっていった。
私は名物のジャガイモ饅頭を喰いながらテーブルで待つ。
醤油で煮たジャガイモを小麦粉を練った皮で包み蒸したものだ。
素朴な味がとてもいい。
町営の駐車場は400円。各種物産が建ち並び、二つの酒蔵を巡ることもできる。
近場の方、ちょいといかが。