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Tシャツとサンダルの候

煮込みうどん久留米荘



午前中、工事業者との打ち合わせがあった。

思いのほか時間を取られ、昼前までかかってしまった。


「こんな時間になっちまったよ。腹減ったな。」


向かった先は、久留米のソウルフードの一つ、久留米荘である。



昼前とは言え、いつもなら、順番待ちの行列が多少は出来ている筈だが、運よくすんなりと座る事が出来た。




注文したのは、かしわ飯のお握りと、



「ごぼう天うどんでーす。」


私は、最近の短冊に切ったごぼう天は好かない。

昔ながらのかき揚げの場合だけ、ごぼう天うどんと決めている。

いや、

これがこの店の特徴と言っているのではない。

ここの最大の特徴と言えば、出汁で直接うどん麺を煮込んでいる事にある。

そのせいで、画像を見ても解るように、汁は濁っているし、泡なども浮かんでいたりする。

多少、いや、かなり見かけが悪い。

それに加え、少ししょっぱめの出汁には、独特の癖まである。

麺はと言えば、博多のそれと同じで、はなからコシなどは無い。

一般的なうどんの価値基準からしたら、良い所なんかどこにも無さそうに見える。

だが、さにあらずなのだ。

久留米っ子にとっては、これがいいのだ。


いただきまーす。



箸で麺を持ち上げたら、悠長にフーフーなんかしてはいけない。

電光石火、素早く口に運ぼう。

そうしないと、箸で持ち上げただけで、コシの無いうどんは切れてしまうからだ。

久留米や博多で、うどんを食う時のコツである。




ズルズルズルーーーー




これだよ、これ。

やっぱ、うんめえや。

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