Tシャツとサンダルの候

足のマメが痛い時には、長尾製麺でうどんなのだ。

土曜日の40kmウォークで、飛び切り大きなマメを両足に作り、日曜のエントリーを早々に諦めた私。

朝から、歩く事すら儘ならぬ。

トイレに行くにも、120歳の老人の様に、ヨボヨボと歩かねばならない。


イテテ。くそったれめ。

 

誰に言うでもなく、悪態をつく。

 

「おのれ。こうなったら、吉井にうどん食いに行くぞ。」

「はあ。」(家内)

 

歩けないくせに、出かけたがるとは、此は如何にだが、急に予定が無くなり、何しろ暇だから仕方ないのだ。

ま、運転する分は大丈夫だしね。

目指す場所は、吉井の長尾製麺。

何故、ここなのかと言うと、ここに、日曜日だけのうどん屋さんが出現するからだ。

2月の『雛飾り巡り』で、ここに立ち寄った際、その事を知った。→吉井白壁土蔵群と湯布院を散策する

向かって右手の小屋がそれだ。

店名は『井戸』と言う。

向かって左手前は売店。長尾製麺の商品が買える。

因みに奥に見える家屋は、雛飾り巡りの時には、江戸中期作らしい年代物の五人囃子などが飾られる。

営業は12時過ぎから。

表の縁台に置かれたノートに、名前を書いて待つ。

その間、売店でいくつか製品を買う。

 

社長or会長?かどうか分らぬが、爺ちゃんが店番していた。

言っておくが、ここの素麺は、嘗ての人気料理番組『どっちの料理ショー』で取り上げられたくらいの逸品である。

「こっちの吉井素麺、いろは、如水は手延べですたい。息子が作りよる。ちょっと高かばってんの。」(爺ちゃん)

 

あ、んじゃそれ下さい。

それと長うどん(ビニール袋の半生の麺)もね。

これ、前来た時に買ったけど、滅茶苦茶旨かったもん。

ご自宅。

雛祭りの時は、ここで婆ちゃんと随分と長く話したっけ。

覗いてみたら、廊下にその婆ちゃんが居た。

 

「あら、いらっしゃいませ。」(婆ちゃん)

「あ、どうも。」

 

玄関に紙が引かれているのは、

「電灯の所に燕の巣がありまっしょ。燕がフンをしますけんの。」

「あ、ホントだ。優しかね。」

「いえいえ。ばってん、こんツバメ。朝、爺ちゃんば起しにきますと。可愛かとですよ。」

 

そうこうするうち、

「江島さーん、〇✖さーん、、、お待たせしました。お入りください。」

ここの2代目だろう。店の中から呼ぶ声が。

漸く開店のようである。

 

ノートに記入の順番に従い、4組だけが、中に招き入れられた。

呼ばれなかった人達は、外で待つしかない。

それだけ店の中は狭いという事だ。

そして、メニューはこんだけ。

かけうどんが500円。決して安くはない。

「お待たせしました。」

 

これが、かけうどんだ。

Simple is best

としか、言いようは無い。

家内は温ぶっかけを注文。

ネギや昆布等の薬味を乗せ、酢と出汁醤油をかけて食べるというもの。

 

「美味しかあ!これ、うちでも真似しよう。」(家内)

 

麺はコシがあって、ツルッツルだ。

頂きまーす。

 

こちらも、やっぱり

 

 

旨し!!

 

 

である。 

 

この店のうどんのメニューが、高いか安いかは人それぞれだ。

だが、この日の客は皆、顔をほころばせていた事は、書いておかねばなるまい。

 

 

 

因みに、私の足のマメが、車を降りた途端、たちどころに破れた事も、付記しておく。

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