どうにも恐縮だが、相も変わらず明星山である。
もっというなら、今回も投稿の主題は、ベニツチカメムシである。
『カメムシはもういい!うんざりだ!』
と言う声が聞こえてきそうだ。
当然だ。
私だってそう思う。
辟易している方は、
「くそったれ!!」
と一声叫び、とっととページを閉じる事をお勧めする。
今回、家内も一緒である。
里山の風景の中を行く。
右手の草叢や、
竹藪になってしまったこの場所も、元々は、ちゃんとした石垣が組まれた田んぼや畑なのだ。
農業の担い手が無くなって、随分と時が経っている事がよく分る。
日本の縮図が、こんな所にも垣間見えている。
この先の沢を渡ると、本格的な山道に入る。
ギンリョウソウ
口先というか、花先が黒く変色してきている。
分類上は、
「ツツジ科らしかよ。」(家内)
「へー!」(私)
である。
黒蘭は変化なし。
木段を登る。
毎度の事なので、ここからは、
ワープ!
はい、明星山到着。
この後は、いつもの様に、白金縦走路を行き、ベニツチカメムシポイントを目指す。
ポイントであるボロボロの木には、私にだけ分かる目印を置いている。
えーっと・・・・
ここだ、ここ。
あれ?
一匹だけ?
地面や付近の低木を探してみても、数十匹居た筈のベニツチカメムシが、全く消え失せている。
「あ、ここにいるよ!」(家内)
4~5m先にベニツチカメムシ発見。
同じく一匹だけだ。
???
カメムシを探しながら、更に歩く。
数10mほど先でまた発見。
ここは2匹だ。
「あ、こんなとこにおった!」(私)
こいつに至っては、ひと山離れた場所で見つかったものである。
最早、同じコロニーに所属していたかすら、はっきりしない距離である。
いずれにしても共通している事は、単独、若しくはペアーの少数であり、傍にボロボロノキらしき木がある事である。
もしかして繁殖活動を終えた個体が、これからそれぞれのコロニーを作り、産卵の準備に掛かろうとしているのだろうか?
いずれにしても、あの賑やかだったベニツチカメムシ一家は、離散してしまったようだ。
蘭の一種と思しき、謎の株。
これも変化なし。
開花が待たれる。
コガクウツギ?
コシアブラ
来年こそは、新芽を頂くかな。
新芽と言えば、この木のように赤身を帯びたり、
白かったりするのものがあるのは、どういうメカニズムなんだろう?
胡椒の木の実。
「あ、クサイチゴが生ってる。」(家内)
つい最近まで、白い花をそこかしこに咲かせていたのに、もう実をつけている。
春から初夏へ。
季節の移ろいが、こんな事でも実感出来る。
「キイチゴ!こっちの方が美味しか。」
ちょいと摘まむ家内。
オッサンがそこで立小便をしてない事を祈りたい。
甘い匂いを辺りに漂わせるスイカズラ。
タツナミソウ
白金山到着。
6月になると、ベニツチカメムシ達は、落ち葉や土の窪みに巣を作るそうだ。
母親は、生んだ卵をボール状の塊にし、そして、それに覆い被さり、十日間以上も何も食べずに護り続けるという。
その様子を観察出来たら、少なからず感動するに違いない。
観れるだろうか?
観れないだろうなぁ。