「ねえ。少し早いけど、あれってそろそろじゃない?」
「へ?」
まあ、どうせ暇だ。
目的があれば、いや目的などなくても行こうじゃないか。
大陸からの贈り物が、どんよりと空を覆うこの佳き日。
私達の湿原始めの日となった。
「春蘭みっけ。」
サワオグルマ
ショウジョウバカマ
何の幼体だろう?
これはシオカラトンボ♀?
ツマグロヒョウモン
今の時期、湿原で目立つのはワラビぐらい。
全体的には、花も昆虫もこれからだ。
いや、ちょっと待った。
もう一つ、やたらと目立つのがあった。
水面を蛇行する黒い影。
それは・・・
大量のオタマジャクシである。
そんな湿原だが、私達には幾つか確認しておきたい物がある。
ひとつはこれだ。
お、咲いてるじゃん。
あとちょい、
ってところかな。
ミツガシワ
これもあと少し。
これは開花まで、もうちょっとかかるかな。
イチヤクソウ
早くも蕾が膨らんでいる。
シジュウカラ
カワラヒワ
湿原からの帰り、田んぼの横を通っていると、
「あ、オシドリがいる!」
「バカ言え。今頃オシドリなんて、、、いたよ!」
どうみてもオシドリである。
オシドリの夫婦である。
冬にあれだけ見るのに苦労したオシドリ。
今はペアで普通に眼の前にいる。
もっとも『鴛鴦夫婦』とよく言うが、彼らの多くはその年限りの関係らしい。
一見、中睦まじいこのペアも、来年になればきっと・・・
雄のオシドリは、換毛が始まっているようだ。
女の子さえ引っかけられたら、もうお洒落は用無しと言うことか。
そんな不都合な真実は置いといて、
どんな理由があったのか、彼らは群れから離れ、この地にとどまる選択をしたようだ。
繁殖はどこでするのだろう。
ここはそれに適さないと思われるが。
何はともあれ繁殖と子育てと、無事に終わりますように。
そんな事を切に願った。
おまけ
日向ぼっこするスッポン。