日本一のツルの飛来地、出水にやって来た。
出水市ツル観測センター。
飛来数12992羽。
その内、マナヅル&ナベヅル以外となると、たったの8羽。
実に0.06%である。
「0.06%のどれかを見つける!」
そんな私達の目標は、はなから絶望的である。
まぐれで見つかるかも。
そんな大甘な望みは、30分ほどで木っ端微塵に打ち砕かれた。
だめだ。諦めた。
カメラから目を離し、腰をポンポンと叩いていると、展望台で観測を続けている家内から電話が。
「オッチャン、クロヅルいるよ。」
「えっ?」
「お隣の方がスコープ覗かせてくれるだって。」
「何ですと?!」
展望台に上ると家内の横に立っていたのは、上品な中年のご夫婦だった。
何と四国は高松から2泊3日で、ツルを見るためにここに来ているんだとか。
大型のスコープを指さし、
「今、見えてる筈ですよ。どうぞご覧になって下さい。」
「有り難うございます。では失礼して・・・あ、これですね。ヒャー、これがクロヅルか。」
急いで自分のカメラに持ち替え、スコープが捉えていた付近を探すも、
これだもの。
皆目見つけられず、断念。
まあなんだ。
『見た』と言う事だけは書いておく。
「池にセイタカシギがいます。」
「あー、辛うじて届きます。」
「あそこにいるのはコクマルガラスですね。」
「どこですか?あ、あれですね。せめて頭を上げてくれ!」
高松人は異次元の眼力で、異形の鳥たちを次々と見つけ出す。
あの大群の中からだ。
魔法を見る思いである。
「昨日はカナダヅルも確認しました。」
「ヒョエー」
高松のご夫婦と別れ、私達は取り敢えず駐車場脇の東屋で昼飯。
昼飯の後は東干拓へ。
ゆっくりと車を走らせていると、
「あ、ミサゴがそこに止まった。」
「何と!」
直ちに停車。
そのまま窓を開け、パシャリ。
チカ!
やっぱ、近さは正義だね。
ジョウビタキも
東干拓到着
耕運機にチョコンとミヤマガラス。
来年こそは、『0.06%』をカメラに収めたい物だ。