Tシャツとサンダルの候

初秋の散歩路を行く。今日もいくつかの謎めいた光景に遭遇する。

毎朝の散歩に出かけた。

エレベーターの前で違和感を感じた。

 

お分かりだろうか。

拡大してみる。

なぜ9階まで登ってこようと思ったのか。

9階には、彼らの食料である小さな虫はほとんどいない。

大変な労力を使ってここまで登ってくるメリットがなんなのか。

 

謎である。

 

 

散歩は毎朝コースを変えて、もこと歩く。

家の周りに、たくさんの紫色の花が咲いているところを通った。

何と言う花か知らぬが、綺麗だったので立ち止まって、パシャリ。

 

そのまま、何気に地面に目をやった。

え、そこから?

 

てっきり、

この家の住人が栽培されているのかと思ったら、側溝との僅かな隙間から無造作に生えていた。

辺りの路傍を見回すも、この家の周囲にだけしかこの花は生えていない。

この家は角地で、両辺ともびっしりと盛大に咲いているが、隣の家の境界を過ぎると咲いていないのだ。

 

何らかの作為がなければこうはならないと思うが、わざわざ、こんな数ミリの隙間に種を植えるだろうか?

 

 

 

謎である。

 

 

散歩も終わりに近づくと、前から経過を気にしているところがある。

『忘れ物ですよ!』

とでも言いたげに、長らくこのフェンスに置かれている折れた傘と片方の幼児用の靴。

強風が吹いた日があったにもかかわらず、毅然としてまだそこにあった。

 

落し物になった経緯も謎だが、拾ってここに置いた人間の真意も、

 

 

 

謎である。

 

 

 

今日もいくつかの謎めいた光景に遭遇する、初秋の散歩路であった。

 

そんなもん気にしてどうするのだ!

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