芝浜
魚屋・勝五郎の家。酒ばかり飲んでもう二十日も仕事をしていない
亭主を女房が起こしている。商売の道具からワラジまできちんと
用意し、今日こそは芝の魚河岸へいかせようというのだ。
ブツブツ言いながらも家を出た勝五郎。魚河岸へ着くと、まだ一軒の
問屋も開いていない。キョロキョロしていると、遠くから時を知らせる
寺の鐘。それで納得がいった。女房が時刻を間違えて早く起こしすぎたのだ。
帰るのも面倒なので、浜に出てひさしぶりに汐の香をかぎながら一服つける
ことにした。ふと下を見ると水でふくらんだ革の財布が落ちている。中には大金。
大あわてで家に帰った。夫婦二人でおそるおそる金を勘定してみると、
なんと四十二両も入っている。これで勝五郎、すっかり気が大きくなってしまった。
もう商売なんかいかなくってもと、仲間を集めて飲みまくり、酔って寝てしまった。
そして、翌朝。前日と同じように女房が勝五郎を起こしている。早くしないと
魚河岸に遅れるという台詞も同じだ。起こされた勝五郎、拾った金のことを
思いだすが、女房は夢を見たのだと言ってゆずらない。
昨日は芝浜へもいっていないし、財布など見たこともない。逆に貧乏ばかり
しているから情けない夢を見てしまうのだと、さとされてしまう。
勝五郎も証拠の財布がないのだから、女房の話を信じるしかない。そんな夢を
見るようではおしまいだと反省し、それからは酒をぷっつりとやめ商売一本。
こうなると、もともと腕のいい魚屋のこと、三年後には長屋から表通りに小さな
店を出し、若い衆を二、三人置くまでになった。
大晦日。正月の用意も整った家で、除夜の鐘を聞きながら昔の苦労話をしていると、
女房が四十二両入った革の財布を出し、「夢じゃなかったんだよ、お前さん」
「しかし、あのときおめえは夢だと・・・」
女房の話によると、あのままだと酒びたりが続き、拾った金を使ったことがわかると
罪にも問われかねない。そこで大家に相談し、金は奉行所へ届けでて夢という話に
したという。金は落とし主が出ず、戻ってきたが、それでも今日まで心を鬼にして
黙っていた。
「もう酒を飲んでもだいじょうぶと思って・・・・・」
これを聞いた勝五郎、涙を流して女房に礼を言う。
ほっとした女房が酒を出すと、うれしそうに口まで運んでやめてしまった。
「ありがてえんだがなあ、やっぱりよそう。また夢になるといけねえ」
立川志の輔 古典落語100席引用
1 株の知識をしっかりと持つ。
2 無駄な投資をしない。
3 過度な希望や夢、妄想を抱かない。上昇リロン!
そら・あかねを飲んで運気上々。
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