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お酒のお供Y・・・129

2015-03-12 15:39:41 | 日記


文違い

惚れている芳次郎から、眼病の治療費に三十両ほしいと無心された

新宿の女郎・お杉。情夫のつもりでいる田舎者の角蔵から

母親が病気だといって二十両、色男気取りの半七からは義理の父と

縁切りをしたいといって十両をせしめ、二人をそれぞれの部屋に待たせたまま、

別の部屋にいる芳次郎へ手渡しにいった。

「芳さん、待たせてすまなかったね」

芳次郎はいかにも目が悪いという様子でお杉を迎え入れ、

差しだした三十両をすまなそうに受けとった。「すぐに医者へいくよ」

泊まっていけというお杉の誘いを、医者に女のそばに寄るなと言われていると断り、

金を持ってさっさと帰ってしまう。 帰ったあと、お杉がふと見ると

手紙が落ちている。小筆という女から芳次郎にあてた手紙だ。

読んでみると、小筆の「兄の不行状が原因で妾にだされそうになり、

いやなら五十両出せとおどされた。二十両はなんとか工面したが

残りの三十両ができない。芳次郎に相談したら新宿のお杉をだまして

三十両こしらえると言ってもらえ、すごくうれしい」という内容。

芳次郎の眼病が嘘だったとわかり、お杉はすっかり腹を立ててしまう。

一方、待ちくたびれた半七は、なにげなくあけた長火鉢の引き出しの中に、

こっちは芳次郎からお杉あての手紙を見つけた。

読んでいくと文面に自分の名前が出てきた。

眼病の治療代を半七からせしめるという文面だ。ついさっき、

お杉にいい気持ちで手渡した十両がその金だったと気がつき、頭に血がのぼった。

そこへふてくされたお杉が入ってくる。

いきなりケンカになる。二人とも相手がなんで怒っているのか知らないのだが、

とにかく頭にきているから、

理由はおかまいなしに自分の言いたいことをまくしたてる。

話が食い違うのは当たり前で、ついには頭にきた半七がお杉をなぐる騒ぎになった。

一人おめでたいのが別座敷にいる田舎者の角蔵。自分だって被害者なのに、

そんなことは夢にも思わず、騒ぎの原因はお杉が自分のことを

隠しているからだと思いこむ。

そこで若い衆の喜助を呼び、あの二十両は母親が病気だから渡しただけで、

決して色恋からではないと説明してこいと言いつけた。

そのあとでちょっとあわてて、「あっ喜助、ちょっくら待て。

そう言ったらば、おらが色男てえことがあらわれ(バレ)やしねえか」



                    立川志の輔  古典落語100席引用


はっ、はっ、は。それではスケさん、カクさん、参りましょう。

それではスケべさん、カク煮さん、参りましょう。参った、参った。



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