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平成11年4月14日に起きた山口県光市、母子殺害事件の印象がことさら強いのは、本村洋さんの全身が怒りに震える会見を見たことからでした。
大切な家族を奪った犯人は少年法に守られ、被害者及び遺族は法の壁に阻まれている。
TVの報道でも、加害者の権利ばかり守られ、犯罪被害者のほうは人権何ももあったもんじゃない状態が常でした。
その答えをいったい誰が欲していると思って訊いているのか知りませんが、心の傷に粗塩をグリグリ押し込むような、無神経で容赦ない質問。
弁護士が守るべきは依頼者の権利だから、物言えぬ被害者サイドを軽んじるのは仕方ないとしても、判例踏襲主義でしかない判決。
被害者や遺族になりかわって加害者へ罪を科すはずの公判に、遺影も持ち込めないし、遺族が被告人へ質問することが出来ないのは、理不尽すぎました。
こうした世間の常識からかけ離れた司法の世界に一石を投じたのが、本村さんも設立から参加した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の訴えかけでした。
やがて国を動かし、被害者に光があたるようになったのも、弥生さんや夕夏ちゃんのおかげといえるのではないかと思います。
なにやら反省しているかのような発言も報道されてますが、家族でなければ面会できないことから、死刑反対論者と養子縁組し、福田から大月に姓を変えるような加害者からは、心から後悔することなど望めないと私は思います。
本当に反省しているのなら、おかしな人との養子縁組を解消し、元の姓に戻ってから言えと。
加害者の権利をうんぬんするのが人格者であるがごとき、おかしな風潮は反転しつつあります。
裁判員制度の導入が、法と世間の常識をあわせ、量刑に正しく作用することを願ってやみません。
この事件では、橋本徹大坂市長が、あの弁護団に対し許せないと思うなら弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたいというようなことを言ったのですが、橋本氏自身は懲戒請求をしてないというオチもあって、ちょっとズッコケちゃいました。
でも懲戒請求は殺到。
業務妨害だと、弁護団の数人が損害賠償を求め、提訴。
地裁、高裁では橋本氏に賠償命令を出しましたが、最高裁がこれを破棄、逆転勝訴となりました。
このとき、朝日新聞は橋本氏に弁護士を辞めるよう紙上で勧告してましたが、今じゃ改革の旗振りだと持ち上げてるのが面白いです。
朝日新聞にとって社会正義とは何なのか、その定義をちょっと訊いてみたいです。
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