先週の1日~3日の3日間マレーシアのセパンにてMotoGPの公式テストが行われた。
しかしホンダ勢は好調のようです!
ワークスのレプソル・ホンダへ移籍したケーシー・ストーナーは
1日目1番手。2日目2番手。常にトップ2以内のタイムを出す。
3日目は仕様違いのシャーシの比較テストを開始すると今年初転倒。幸い大事には至らずテストプログラムを続行。
「クラッシュを喫してしまったけど今日は決定的にベストな1日だった。仕様違いのシャーシでフィーリングを良くしようとトライし全体的にステップアップを果たした。」
午後からはトラクションコントロールのテストに専念。2分00秒台をホンダ勢最多の2度記録した。
「消耗したタイヤでバイクが良く機能するようになった。滑り始めるときにタイヤがもう少し早く止まるようにトラクションコントロールを試しコーナーでのスピードが良くなった。今回のテストで見つかった解決策に大満足。期待していた以上だった。」
「バイクのパッケージに満足。すごく良いベースセッティングで集中できたのは僕たちにとってとても重要だった。」
昨年の日本GPで左鎖骨を負傷したダニ・ペドロサは今回のテストを肩の回復具合の確認と位置づけてテストに。
1日目に61ラップを走行。3日目には連続12ラップを実行し合計で144ラップを周回した。「全体的なテストの進み方に満足。ベストニュースは腕が回復したこと。心配していた痙れんも力不足もなかった。午後には連続12ラップを走り良かった」と、満足感。
「バイクの仕事にも満足。沢山のことをステップ・バイ・ステップで試しサスペンションに関してはハッキリしたアイデアを持ってマレーシアを発つ。シャーシとエンジンに関してはここに戻って来るときに決める。」
「今回は10年型に集中した。2度目のテストでは今年型を試す時間があるだろう。オーリンズは一緒に改善できる新たなパーツを持って来るだろう。望んでいた一つであるブレーキングの安定感に関して重要な前進を果たした。」
次回2月22日からのオフィシャルテストに向けトレーニングを継続しフィジカル面をさらにアップさせる。
3台目のワークス、アンドレア・ドビツィオーソ
1日目は8番手。2日目に4番手に浮上すると3日目には2分0秒台を2回2分1秒台を9回記録。「午前中に異なるセッティングを試しコーナリングが良くなった。トラクションコントロールの仕事にも取り掛かり良い解決策が見つかった。クラッ チも幾つか試したけど期待していた結果を得られなかった。午前中はトラックコンディションが良かったからソフトタイヤを使用して2分0秒台で走るこ とができた。このトラックで初めても2分0秒だったから嬉しい。」
「この3日間の仕事に満足。全てのホンダ勢は高い戦闘力がある。僕たちはまだ十分ではなく仕事を継続しなければいけないことを自覚している。冬の間に取り組んだトレーニングにも満足。フィジカル面において今回のテストを上手く乗り切った。」
「今までにこれほどハイレベルなシーズンスタートはなかった。ラップタイムには自分自身が驚いている。タイムは通常2度目のテストから反映されていたから、HRCのハードワークが証明されていることになる」
チームは違うがマシンはワークス仕様のマルコ・シモンチェリ
3日目にトップタイムをマーク
「すごく嬉しい。バレンシアのテストでニューマシンはグッドなポテンシャルがあることに気づきグッドなフィーリングがあった。それにここは僕のお気に入りトラックではない。昨日からコンスタントに積み重ね今朝は素晴らしタイムをマークする機会があった。」 「レースシミュレーションに集中しコンスタントなリズムで走れた。終盤は疲れてしまったけど全体的には360度の満足感だ。チームは完璧に機能した。全てが良くなった。バイクもチームも僕自身も。」 「今年は上位に進出できるはずだ。もちろんこれは最初のテストに過ぎないから地に足をつけて仕事を続けなければいけない。」 今年は台風の目になるかな?注目しておいたほうがいいかも。 今期からシモンチェリのチームメイトになる我らが青山博一
「今年1回目のテストでマシンもチームもすごくいいフィーリングで走り出しました。チームは今までに日本人ライダーを起用したことがあり日本人の気質が分かっているのですごくいい感じでスタートできました。」
「今年はワークスマシンが9台。毎戦、その9台に割って入れるようにトップ5を目指して頑張ります」
最高峰クラス復帰のトニ・エリアスだけがホンダ勢で今ひとつ元気が無かった
3日間のオフィシャルテストで総合17番手。体調不良でパフォーマンスを発揮できなかった模様だ。ウインターブレークを利用してパワーアップに着手。最高峰クラス参戦当時の体重に戻し昨年Moto2クラスの初代王者に輝いた舞台に戻って来たが・・・1日目17番手、2日目19番手3日目16番手。レギュラーライダー勢の最下位に低迷した。
「難しい3日間になってしまった。暑さと時差ぼけ対策のためテストの1週間にマレーシア入りしたけどテストの3日前から体調を崩してしまった」と風邪による体調不良が原因だったことを説明。
「抗生物質の服用を強いられ体調は良くなかった。このバイクを走らせるには、完璧なフィジカルコンディションが要求されるんだ。」
「体調が悪かったけど生産的な3日間だったと思う。信頼と安定感を追及するために異なったセッティングを試した。まだやるべき仕事は沢山ある。適したセッティングを見つけるのに苦労しているけど今はRC212Vに適応中だからこれはノーマルなこと。」
注目のドゥカティ勢
プラマック・レーシングのロリス・カピロッシ
「チームが気に入った。ドゥカティのマシンでもう一度働けることに満足」
新天地からの挑戦に満面の笑みを浮かべた。
「スズキを3年間走らせバイクは全く違うからライディングスタイルを少し変更しないと。ビックなチェンジをするとき何も簡単なことはない。もちろんこのバイクは過去に乗っていたのとも違う。バイクは独自のスタイルがありそれを理解しなければいけない。」
「GP11のポテンシャルは非常に高い。現時点でそれを全面的に使えていない。ライディングスタイルの仕事をする時間が必要だけど開幕戦の準備に向けて十分なテスト日数がある。カタールには準備が整うと思う。」
ニッキー・ヘイデンは参加者最多の187ラップを周回。
「沢山のやるべき仕事があった重要な3日間だった。もちろん上位陣から遠いことが気に入らないけど、1日毎にギャップを詰めた。今日は何時でも雨が降りそうだったから午前中に沢山走り幾つか気に入ったことが見つかった。」
「チャタリングの発生を理解するために多くの時間を費やした。昨年もこのトラックで同じような問題があった。他のトラックでは発生しなかったからGP11に関連する問題ではないかもしれない。このトラックにおける特殊な問題かも。」
そして注目のヴァレンティーノ・ロッシ
1日目は23ラップの走行に止まったが2日目には42ラップを周回。「今日も走らせることができた。これは肩に力を入れ続けたけど状態が悪くならなかったから重要なことだ」
「2分03秒台で走る分には全てが良いけどもう1秒縮めようとすると力が弱まり痛みが増す。回復時間が必要だ。肩の状態は良くなるけど5月まで待たなければいけない。その時になればより深く突っ込んだ仕事ができる。一度フィジカルコンディションが完璧になり戦闘的なタイムをマークできる時今日のような全ての仕事が疑問になるかもしれない。」
「今日は沢山のことを試した。特にエアロダイナミックスに取り組みウイングありなしを比較。ウイングなしのオプションに傾く。フィジカルコンディションが良くない場合ウイングありだとコーナーの進入で負担がかかり肩に良くない。」
「コーナリングを改善する必要がある。思うようにバイクを曲げることができない。明日は今日と同じ情熱を持って仕事を続けもっと多くの情報を収集しよう。」
「タイヤテストにも着手した。ドゥカティはソフトタイヤとハードタイヤを履く場合パフォーマンスが大きく異なる。結果は悪くないけどフロントの振動の問題を解決していない。チャタリングが出始めると本当に扱いにくい。」
「バイクもライダーも全てが絶好調のようだ。週末のグランプリよりテストの方がストロングに走るのはノーマルなこと。3日間周回できれば、バイ クを調整できるから速く走ることができる。それに路面にタイヤのゴムが残るから明日はもっと速くなるだろう。僕たちの目標はタイムを良くすることだけどフィーリングを良くし難しく走らないようにすることだ。」
今年は1台のみ参戦のリズラ・スズキ
2日間続けて最多ラップを周回したアルバロ・バウティスタ
3日目に腹痛に見舞われたことから午前中に3ラップを走った後テストライダーの青木が最新スペックのエンジンをはじめシャーシ・エンジンマップ・電子制御のテストプログラムに続けた。「体調が良くない。回復の兆しがない。初めての2分00秒台にトライするために午前中のグッドなトラックコンディションを利用しようとしたけど 走り始めて直ぐに不可能だと気がついた。チームに申し訳ない。がっかりだ」とアルバロはテストキャンセルの理由を説明。
「チームはグッドなタイムを出してもポイントもプレミアムもないことを思い出させてくれた。この2日間沢山の仕事をしたから大きな問題ではないと思う。それにノブがグッドな仕事をしてくれた。沢山のテストをしてくれたから次回のテストに役立つことを期待する。」
チームマネージャーのポール・デニングは「アルバロの体調に問題がありましたが我々はここでの仕事に満足しなければいけないです。スズキは常にマレーシアでグッドなポテンシャルを発揮することから大きな結論を出すのは難しいです。従ってテストの全ての結果を保証することに注意を払い中古タ イヤで沢山の周回を重ね大量の仕事を消化しました。」
「アルバロの2日間は素晴らしかったです。そしてノブは非常に細かい仕事をしてくれたことから今日1日を失ったとは思いません。チームにとってタフな冬を過ごしましたが全員が2011年に全力を尽くすことを約束しています」と説明した。
今期WGP参戦50周年のヤマハ
テック3のルーキ、カル・クラッチロー
11月のオフィシャルテストでは経験あるリカルド・トルモだったが今回は初経験のセパンで1日目16番手2日目15番手、3日目15番手トップから1.960秒差の総合16番手だった。
「まだ多くのことを学習しているところだけど安定したリズムで走ることができ1日ごとにラップタイムを伸ばすことができたからテストに満足」と、3日間のテストを総括。
「僕はビックなラーニングカーブ(学習曲線)にいる。ピュアなスピードを追及していない。このトラックで一度も走ったことがないし直ぐに学ぶには難しいトラックだ。全てのライダーたちがここで何マイルも走ったことがあるけど今の僕は経験を積まなければいけない。」
「僕のタイムは、昨年のレースタイムに近づいた。バイクもチームもトラックも、全てが僕にとって新しく肩の状態を考えればこれは喜べる。今後の課題はブレーキングとハードタイヤでのペースアップだけどバイクの感触は良くなっている。」
「大量のデータを確認して次回のテストでも継続してライディングスタイルを合わせて行きたい。まだ、スーパーバイクの乗り方が残っているけど進歩し速く走れているから満足だ。」
ワークスに移籍したベン・スピーズ
3日目に5番時計を記録。総合6番手、ヤマハ勢では2番手に進出。疲労蓄積を考慮した1日目からステップ・バイ・ステップでラップタイムを伸ばし、3日目には2分01秒台を、チームメイトのホルヘ・ロレンソと並び最多の20回を記録。
「2日目も3日目も安定した形でグッドなタイムをマークしたから大満足。バイクのコンスタンシー(一貫性)を証明した」と、チャンピオンマシンであるM1の戦闘力を称賛。
「幾つかの点に関しては、まだやるべき仕事がある。セッティングが違う2つのエンジンを試し、僕たちが望む方向性が分かった。燃料消費の電子制御を試し、良い解決策が見つかった。決定的にここでやるべきことをやった。」
「ホルヘの横で上手く走れた。僕たち2人は、チームが仕事を継続することができる内容の濃い情報を提供するために懸命に働いた。」
そしてデフェンディングチャンピオンのホルヘ・ロレンソ
3日目3番時計を記録。総合4番手だったが、最速リズムで周回を重ね王者の貫禄を見せた。
「この3日間のテストを終え、すごく満足している。ベストウインターテストの1つとなった。通常はフィーリングに問題があるが、バイクの感触はベターだ。まだ幾つか改善しなければいけないところがあるけど、次のテストで、ステップアップができると思う。」
「午後トラック上は暑かったけど、速いラップがあった。グッドな方向性に進んでいるから、自信を与えてくれた。ベン(・スピース)はすごく良い仕事をしている。昨日バイクのことについて話し合った。グッドなチームメイトだ」とテストを振り返った。