エンターテイメント、誰でも一度は憧れる。

PCグラフィック、写真合成、小説の下書き。

20XX年・クエスチャン (-4-)

2010-04-26 19:17:26 | 20XX年・クエスチョン
20XX年・クエスチャン (-4-)

「では我々は何の対策も出来ないまま手をこまねてろと、どうして磁気を伴った空間や6000メートルもの磁気を伴った層が出来たのかね」。
神宮時「恐らく、この異常気温の上昇で乱気流が発生し、地上のチリや埃が予想も着かない程の量が舞い上がり、分子と分子とぶつかりあって磁気を帯びたんでしょう。その証拠に、避難民の話しでは大型の竜巻があちらこちらで発生したそうです。
大勢の住民も巻き上げれ、被害に遭われた一部の人は見付からないそうです。 その竜巻は、貨物列車を意とも簡単に舞い上げ、空高く消えたそうです」。出席者の誰もが苦悩な表情を浮かべ、溜め息交じりに壇上を見つめて居る。

米士官「それで、人為的被害はどれ位出ているんですか」。
環境庁「まだ確かな情報ではありませんが、モンゴルと中国の高官関係者の話しですと十万単位だと伝わって来ております。概算の数字と内訳ですが」。次々と読み上げられる被害者の数、出席者達は呆然と聞き入って居る。
手の施しようもなく、時間ばかりが流れ、早一ケ月が過ぎた。

二月の中旬に入っても大陸の異常気象は治まる気配は無かった。それ所か、異常な傾向は徐々に中国全土へと驚く程早く、そんな馬鹿なと驚く程ゆっくりと広がり始めた。
ある時は一晩で数百キロも南下したと思うと、一週間で僅か数十メートルと言う気紛れな広がりを見せていた。

そして、異常な現象はまるで意志を持った生き物でもあるかの様に北の大国、ロシア連邦には越境せず、真っ直ぐ南下を始めたのである。
それには日本政府も驚きを隠せないでいた。西条純一郎大統領は己を長とする緊急対策本部を官邸に設置した。

佐伯晃はコタツに入り、ペンを片手に原稿を書いていた。TVニュースが始まると手を休め、異常現象のニュースを見入って居た。
不意に立ち上がると書棚から世界地図を取り出し、原稿の上に広げた。
チベットの東の一番外れの国境ははタジキスタン、このまま南下するとインドは勿論、東南アジアはスッポリ入ってしまう。

中国の西の端は・・・このまま南下して来ると大阪辺りか・・・佐伯はじっとTVを見詰めていた。スッと立ち上がると隣の部屋に行き、パソコンのスイッチを入れた。    もし、このまま治まらず南下したら日本を含めて22ケ国がエリアに入る、とすると、22ケ国の人工が約35億人で学会で発表になった被害者の割合で被害者数を出すと、11億2千万もの人達が犠牲になるのか・・・。
この時代まで人間がしでかした大きな過ちが、今になってこう言う形で忌ましめの為に き襲たのだろうか。ボ~ッとモニターを見て居る。

「ピピピピピッ~・ピピピピピッ~」と、TVが臨時ニュースを知らせた。
リビングに駆け出した。
あの女子アナ、立花ソニアの落ち着きはらった顔がアップになった。
すると、隣にはあの神宮寺勝彦がいた。
フンッ、あの男は自分の保身が何より全てなんだ。人が何人死のうと関係ないのさ。
そんな男に何ができる。佐伯はムカッと腹がたった。
「ここで番組を中断して気象異変に関するニュースを申し上げます.
今年の元日以来今日まで続いておりました異常な気候が、多くの国々を飲み込みました。 今まで分かっているだけで犠牲になられた人は当初の推定を大きく上回り、8億3千万人と発表がありました。

この甚大な被害をもたらした異常気象がアラビア海、ベンガル湾、南シナ海、黄海、日本海の沿岸に達した所で消滅しました。また上空3000メートルにありました磁気を伴った6000メートルの層が忽然と消滅しました。その事に因って衛星の全ての機能が元に戻り、衛星から現在の被害地域が捕らえられる様になりました。
お隣には世界気象学会理事長であり、地球物理学の教授でもいらっしゃいます神宮寺博士にお越し頂いております。博士に解説を頂きながらライブでお送りします。神宮時博士、宜しくお願いします」。

「こちらこそ宜しくお願いします」。と神宮寺はニコリともせずに軽く会釈した。    「早速ですが。この異変の犠牲者ですが、この8億3千万人と言う被害者数は当初の予測の5倍近く上回った訳ですが、どう言う事でしょうか?・・・」。
神宮時「これは誠に残念な数字になりましたね。この8億3千万と言う犠牲者が出てしまった第一の要因としては、異常気象が出現したのが中国の内陸部から奥地モンゴルであった事。
第二に、地上3千メートルから6千メートルまでに存在した磁気を伴った 層の出現、それに伴って荒れ狂った乱気流と各地で出現した巨大竜巻です。
第三に、3千メートル級の高い山に阻まれ、大型機に因る救出が出来なかった事。第四に、これが全てと言っても良いんじゃないでしょうか。交通機関に恵まれ ていなかった事。これが一番大きな要因でしょう。      
この犠牲者の大半は中国内陸部と、インドの内陸部の方達で占められているようですからね」。
「今後の事ですが、異常気象はこれで終りでしょうか。また、今後も犠牲者の数は増えるんでしょうか。犠牲者の数は確かでしょうか。
NO-4-8