小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(89)
「そう、御苦労様。九時四十五分か、後一時間ちょっとだな。それで、あのあと幸子さんの家に寄ってご両親に何も可も話しておいたぞ。
そしたら分かってくれた。それから、この中から五千万、お前からだと言って置いて来たから」。
「そうですか、有り難うございました。そうですか、分かってくれたんですか。流石紺野さんですね」。
「いや、話したのは妻だ。お前にも同情していたよ。友世さんのお父さんの面倒を看ている事を聞いて誉めていた。
それで、今度訪ねて来てくれた時は上がって貰うってさ。もし幸子さんの死因の事で細かい事を聞かれたら俺から聞いたと言っておけ。たぶん聞かないと思うが、お前の口から話さない方が良い」。
「有り難うございました。じゃあお金足りないですね。どうします?・・・」。
「俺達に任せておけ。金なんか払う必要はない」。
京平はそう言いながらバックからブリーフケースを出した。そして窓から入る明かりの下で銃に消音器を付けるとカートリッジを入れて弾を「カチャッ」と装填した。そして三河に渡し、また準備を始めた。
「凄いピストルですね、僕本物を見るのは初めてです。僕に持たせてくれませんか」。
「素人がオモチャ代わりに持つ銃じゃない。それに持たない方がいい」三河は低い声で諭すように口にした。
「済みません、それがライフルですか」。
「うん、出来れば使いたくないな。真田、覆面は?・・・」
「はい、買って来ました。一応三つ、ゴリラの覆面ですが買って来ました」。
すると、山道をヘッドライトの光が照らした。京平と三河は覆面を被り、車を降りた。「真田、合図はあるのか」。
「いえ、特にありません、着いたら携帯に電話するそうです」。
「そうか、電話が入ったらあそこの小屋まで来てくれって言え。俺達は先に行って隠れているから」。そう言うと二人は走って物置小屋へ向かった。
そして暗がりに姿を隠すと真田の携帯が鳴るのが聞こえた。
すると、上って来た車のライトが消えた。そして駐車場にゆっくり入り、小屋に向かって近付いて来た。
真田はバックを持つとゆっくりとした足取りで小屋に歩いた。すると、運転席のドアが開いてルームライトが着いて男は急いで消した。
中には誰も乗ってはいなかった。男はエンジンを掛けたまま車を降りるとドアを開けたまま歩いて来た。そして真田に気付いて向きを変えて歩いていた。
「止まれ、一人だろうな」。
「ああ、お前は。それに此れきりだと言う証明はあるのか」。
京平はサッと飛び出すと男にライフルを突き付けた。三河は同時に車に走りエンジンを止めた。
「貴様、良い度胸じゃねえか。俺達を揺するとは」。
「ああああ、ぼぼ僕を殺したら、てて手紙が警察に届くぞ、そそれでも、いいい良いならこここ殺せ」。
「そうか、俺達はいっこうに構わないぜ。警察にも仲間がいるからな、じゃあここで死んで貰おうか」。と京平は額にライフルをグイッとを押し付けた。
「ワワワッままま待って下さい、ししし死にたくない。お願いですからこここ殺さないで下さい。おおおお願いです。お願いです」。
「我々が本気だと言うことを見せてやる」。と京平は駐車場の奥、200メートルはあるだろう、街灯の電球に照準を合わせ、引き金を引いた。パシュッ、と微かな音と共に、パンッ、と電球が弾け散った。
「ア~ッ・・・わわわ分かりました。ご・ごめんなさい、ごめんなさい・・・」。とガタガタ震えだした。
「貴様、俺達に張ったりは効かねえんだ。仲間の面を知った以上生きては帰れねえ。それ位分かって揺すったんじゃねえのかっ!」。京平は男の襟を掴むと車に連れて行った。三河は車を移動させて隣に着けて止めた。
「うう嘘です、誰にも話していません。手紙もありません、それに本当に来るとは思っていませんでした。許して下さい」。
「駄目だ。お前は相手にしてはいけない相手を恐喝したんだ。自殺行為だよ。それに兄弟や両親も気の毒にな。手前の欲の為に明日の朝日は拝めない。心からお悔やみを言うよ。気の毒にな」。
「おおお願いです。両親や妹や弟は助けて下さい。ぼぼ僕が悪かったんです。おお願いです。真田さん何とか助けて下さい」。
そこへ三河が来て車検証と免許証を持って乗り込んで来た。
「おい、お前、山下辰彦。西京区の下津林か、桂離宮の近くだな。此れで彼女とも家族ともお別れだな。相手が悪すぎたな。見たろ、ボスの腕を。短い命だったな」。三河はどすの効いた声で立ち直れないように追い込んで威した。
「ただ、一つだけ助かる方法がない事はない。従うか山下」。
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「そう、御苦労様。九時四十五分か、後一時間ちょっとだな。それで、あのあと幸子さんの家に寄ってご両親に何も可も話しておいたぞ。
そしたら分かってくれた。それから、この中から五千万、お前からだと言って置いて来たから」。
「そうですか、有り難うございました。そうですか、分かってくれたんですか。流石紺野さんですね」。
「いや、話したのは妻だ。お前にも同情していたよ。友世さんのお父さんの面倒を看ている事を聞いて誉めていた。
それで、今度訪ねて来てくれた時は上がって貰うってさ。もし幸子さんの死因の事で細かい事を聞かれたら俺から聞いたと言っておけ。たぶん聞かないと思うが、お前の口から話さない方が良い」。
「有り難うございました。じゃあお金足りないですね。どうします?・・・」。
「俺達に任せておけ。金なんか払う必要はない」。
京平はそう言いながらバックからブリーフケースを出した。そして窓から入る明かりの下で銃に消音器を付けるとカートリッジを入れて弾を「カチャッ」と装填した。そして三河に渡し、また準備を始めた。
「凄いピストルですね、僕本物を見るのは初めてです。僕に持たせてくれませんか」。
「素人がオモチャ代わりに持つ銃じゃない。それに持たない方がいい」三河は低い声で諭すように口にした。
「済みません、それがライフルですか」。
「うん、出来れば使いたくないな。真田、覆面は?・・・」
「はい、買って来ました。一応三つ、ゴリラの覆面ですが買って来ました」。
すると、山道をヘッドライトの光が照らした。京平と三河は覆面を被り、車を降りた。「真田、合図はあるのか」。
「いえ、特にありません、着いたら携帯に電話するそうです」。
「そうか、電話が入ったらあそこの小屋まで来てくれって言え。俺達は先に行って隠れているから」。そう言うと二人は走って物置小屋へ向かった。
そして暗がりに姿を隠すと真田の携帯が鳴るのが聞こえた。
すると、上って来た車のライトが消えた。そして駐車場にゆっくり入り、小屋に向かって近付いて来た。
真田はバックを持つとゆっくりとした足取りで小屋に歩いた。すると、運転席のドアが開いてルームライトが着いて男は急いで消した。
中には誰も乗ってはいなかった。男はエンジンを掛けたまま車を降りるとドアを開けたまま歩いて来た。そして真田に気付いて向きを変えて歩いていた。
「止まれ、一人だろうな」。
「ああ、お前は。それに此れきりだと言う証明はあるのか」。
京平はサッと飛び出すと男にライフルを突き付けた。三河は同時に車に走りエンジンを止めた。
「貴様、良い度胸じゃねえか。俺達を揺するとは」。
「ああああ、ぼぼ僕を殺したら、てて手紙が警察に届くぞ、そそれでも、いいい良いならこここ殺せ」。
「そうか、俺達はいっこうに構わないぜ。警察にも仲間がいるからな、じゃあここで死んで貰おうか」。と京平は額にライフルをグイッとを押し付けた。
「ワワワッままま待って下さい、ししし死にたくない。お願いですからこここ殺さないで下さい。おおおお願いです。お願いです」。
「我々が本気だと言うことを見せてやる」。と京平は駐車場の奥、200メートルはあるだろう、街灯の電球に照準を合わせ、引き金を引いた。パシュッ、と微かな音と共に、パンッ、と電球が弾け散った。
「ア~ッ・・・わわわ分かりました。ご・ごめんなさい、ごめんなさい・・・」。とガタガタ震えだした。
「貴様、俺達に張ったりは効かねえんだ。仲間の面を知った以上生きては帰れねえ。それ位分かって揺すったんじゃねえのかっ!」。京平は男の襟を掴むと車に連れて行った。三河は車を移動させて隣に着けて止めた。
「うう嘘です、誰にも話していません。手紙もありません、それに本当に来るとは思っていませんでした。許して下さい」。
「駄目だ。お前は相手にしてはいけない相手を恐喝したんだ。自殺行為だよ。それに兄弟や両親も気の毒にな。手前の欲の為に明日の朝日は拝めない。心からお悔やみを言うよ。気の毒にな」。
「おおお願いです。両親や妹や弟は助けて下さい。ぼぼ僕が悪かったんです。おお願いです。真田さん何とか助けて下さい」。
そこへ三河が来て車検証と免許証を持って乗り込んで来た。
「おい、お前、山下辰彦。西京区の下津林か、桂離宮の近くだな。此れで彼女とも家族ともお別れだな。相手が悪すぎたな。見たろ、ボスの腕を。短い命だったな」。三河はどすの効いた声で立ち直れないように追い込んで威した。
「ただ、一つだけ助かる方法がない事はない。従うか山下」。
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