小説・鉄槌のスナイパー3章・NOー(98)
そして平穏な日々がつづき、五月のゴールデンウィーク、そして六月の梅雨を迎え、大きな被害も無く、七月の後半には梅雨明けを迎えた。
すると、打って変わったような真っ青な青空が広がって本館的な夏山シーズンを迎える季節に入った。
その頃になると美保のお腹も重そうに迫り出していた。そして風呂に入って手を充てると、子供が元気に暴れて腹を蹴る様子が手に伝わって、京平の顔も崩れていた。
そしてペンションの予約も例年になく予約が殺到し、いつの間にか予約に対応仕切り無い程の盛況ぶりだった。
そして京平は仕事に負われ、あれよあれよと八月に入り、美保は動くのもけだるい様子だった。
そして盆も近くなった八月十日、京平と父良平の二人が庭の手入れをしていると、ス~ッと一台の車がペンションの前で止まった。
見ると京都ナンバーのベンツだった。そして駐車場に入って止まった。
京平と父良平は手にしたカマを置くと軍手を外して迎えに出た。
「紺野さん、お久し振りです。お世話になります」。
それは真田貴明だった、京平は驚きながら美保を大声で呼んだ。
「紺野さん紹介します。山下則子さん。今度結婚するんです」。
スポーティーな恰好をしたスタイルの良い女性は隣で恥ずかしそうにもじもじしながらそっと顔を上げた。
「始めまして、山下則子です。宜しくお願いします。紺野さんの事は彼から聞きました。兄が亡くなって紺野さんが面倒を見るようにって言われた事も。本当に有り難うございました。お礼が遅くなって済みませんでした」。
京平は言葉が出なかった。そして頷きながら真田の顔を見ていた。すると腹を抱えて美保が出て来た。すると驚いたように女性の顔を見ているのだった。
「え~っ友世?・・そんな事ないわよね。真田さんいらっしゃい真田さん」?
「奥さんお久し振りです、似ているでしょう友世に。山下則子さんです。自分のフィアンセです」。
「えっ、山下さんって。あの山下辰彦さんの妹さんなの。そう、お目でとうございます。さあ、そんな所に立ってないでどうぞ」。すると京平は隣で訳も分からず立場に困っている父良平を紹介すると真田を紹介した。
真田貴明は照れ臭そうに中へ入ると突然立ち止まると、「紺野さん、自分たちもこちらで式を挙げたいです。お願いします」
京平達のようにペンションで結婚式を挙げたいと言うのだった。
「おいおい、急に言われても直ぐには準備は出来ないぞ」。
「はい、分かっています。紺野さんの都合の良い時で良いんです。則子さんのお母さんにも許可を頂いて来ました。社長さん奥さん、何とかお願いします」。
真田と彼女はその場に土下座しるのだった。
「そんな事は止して下さい。分かりました。京平、美保さん、段取りをしようか。でも両家の御家族を呼ばなくていいんですか?・・・」
「はい、披露宴は京都の方で九月に開きたいと思っていますので。その時はお越し頂きたいんですが、お願いします」。
すると美保は「貴明さんちょっと」と真田を呼んで、友世の事を聞いた。
「はい、もう友世の事は則子に総て話しました。自分もただ似ているから結婚するんじゃありません」。
「うん、だったら良いけど。でも驚いたな、瓜二つなんだもの。友世も祝ってくれるわよ」。
「はい、奥さんにそう言って頂けるのが一番嬉しいです。もしかしたら叱られるんじゃないかって、少し心配でした」。
すると話が聞こえたのか山下則子が二人の元へ歩いて来た。そして美保に真田が愛していた佐々木友世の事は総て聞いて、結婚に踏み切った事を伝えたのだった。
美保はしっかりとした考えで真田と結婚する山下則子を信じた。
すると、美保の顔に脂汗が流れ始めた。京平はその変化に気付いて隣に行くと、見る間に真っ青になると腹を抱えて座り込んだ。
「父さん、ワゴンを回して。母さん、先生の所へ電話して、陣痛が始まった。連れて行くからって早く!」。
「始まったか!」と父は表に駆け出して行った。母はその場で受話器を取ると病院に電話していた。それは訓練されているようでもあった。
そんな様子を見ていた真田貴明と山下則子はただ呆然と見ているしかなかった。そんな二人に京平は笑みを浮かべて見た。
「貴明、心配ないよ陣痛だから。先生からも双子は早産になり易いことは聞いてたから。悪いな、行って来る」。NO-98-38
そして平穏な日々がつづき、五月のゴールデンウィーク、そして六月の梅雨を迎え、大きな被害も無く、七月の後半には梅雨明けを迎えた。
すると、打って変わったような真っ青な青空が広がって本館的な夏山シーズンを迎える季節に入った。
その頃になると美保のお腹も重そうに迫り出していた。そして風呂に入って手を充てると、子供が元気に暴れて腹を蹴る様子が手に伝わって、京平の顔も崩れていた。
そしてペンションの予約も例年になく予約が殺到し、いつの間にか予約に対応仕切り無い程の盛況ぶりだった。
そして京平は仕事に負われ、あれよあれよと八月に入り、美保は動くのもけだるい様子だった。
そして盆も近くなった八月十日、京平と父良平の二人が庭の手入れをしていると、ス~ッと一台の車がペンションの前で止まった。
見ると京都ナンバーのベンツだった。そして駐車場に入って止まった。
京平と父良平は手にしたカマを置くと軍手を外して迎えに出た。
「紺野さん、お久し振りです。お世話になります」。
それは真田貴明だった、京平は驚きながら美保を大声で呼んだ。
「紺野さん紹介します。山下則子さん。今度結婚するんです」。
スポーティーな恰好をしたスタイルの良い女性は隣で恥ずかしそうにもじもじしながらそっと顔を上げた。
「始めまして、山下則子です。宜しくお願いします。紺野さんの事は彼から聞きました。兄が亡くなって紺野さんが面倒を見るようにって言われた事も。本当に有り難うございました。お礼が遅くなって済みませんでした」。
京平は言葉が出なかった。そして頷きながら真田の顔を見ていた。すると腹を抱えて美保が出て来た。すると驚いたように女性の顔を見ているのだった。
「え~っ友世?・・そんな事ないわよね。真田さんいらっしゃい真田さん」?
「奥さんお久し振りです、似ているでしょう友世に。山下則子さんです。自分のフィアンセです」。
「えっ、山下さんって。あの山下辰彦さんの妹さんなの。そう、お目でとうございます。さあ、そんな所に立ってないでどうぞ」。すると京平は隣で訳も分からず立場に困っている父良平を紹介すると真田を紹介した。
真田貴明は照れ臭そうに中へ入ると突然立ち止まると、「紺野さん、自分たちもこちらで式を挙げたいです。お願いします」
京平達のようにペンションで結婚式を挙げたいと言うのだった。
「おいおい、急に言われても直ぐには準備は出来ないぞ」。
「はい、分かっています。紺野さんの都合の良い時で良いんです。則子さんのお母さんにも許可を頂いて来ました。社長さん奥さん、何とかお願いします」。
真田と彼女はその場に土下座しるのだった。
「そんな事は止して下さい。分かりました。京平、美保さん、段取りをしようか。でも両家の御家族を呼ばなくていいんですか?・・・」
「はい、披露宴は京都の方で九月に開きたいと思っていますので。その時はお越し頂きたいんですが、お願いします」。
すると美保は「貴明さんちょっと」と真田を呼んで、友世の事を聞いた。
「はい、もう友世の事は則子に総て話しました。自分もただ似ているから結婚するんじゃありません」。
「うん、だったら良いけど。でも驚いたな、瓜二つなんだもの。友世も祝ってくれるわよ」。
「はい、奥さんにそう言って頂けるのが一番嬉しいです。もしかしたら叱られるんじゃないかって、少し心配でした」。
すると話が聞こえたのか山下則子が二人の元へ歩いて来た。そして美保に真田が愛していた佐々木友世の事は総て聞いて、結婚に踏み切った事を伝えたのだった。
美保はしっかりとした考えで真田と結婚する山下則子を信じた。
すると、美保の顔に脂汗が流れ始めた。京平はその変化に気付いて隣に行くと、見る間に真っ青になると腹を抱えて座り込んだ。
「父さん、ワゴンを回して。母さん、先生の所へ電話して、陣痛が始まった。連れて行くからって早く!」。
「始まったか!」と父は表に駆け出して行った。母はその場で受話器を取ると病院に電話していた。それは訓練されているようでもあった。
そんな様子を見ていた真田貴明と山下則子はただ呆然と見ているしかなかった。そんな二人に京平は笑みを浮かべて見た。
「貴明、心配ないよ陣痛だから。先生からも双子は早産になり易いことは聞いてたから。悪いな、行って来る」。NO-98-38
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