「PERFECT DAYS」～間に合った♥

映画「PERFECT DAYS」を

母と一緒に観てきました。

（以下、昨日、興奮冷めやらぬまま、書いた記事です）

最終日、たった一度の上映回に、なんとか・・・

「ああ、間に合って良かった」

今も、心がしんとするほど余韻にひたっています。

「PERFECT DAYS」は、

ヴィム・ヴェンダース 監督、

役所広司さん主演の日･独合作映画です。

先日のアカデミー賞こそ逃したものの、

カンヌ映画祭で男優賞などを受賞し、

話題になりました。

映画は、渋谷で公園のトイレ清掃員として働く

中年男性の日常を追っています。

フィクションながら、ドキュメンタリーの味わいです。

本作については、

既に、いろいろ語られているので、

ここでは、わたしの感想をちょこっとだけ書いておきます♫

一言で言えば・・・

大好きです！

もう一度、続けて観たかったくらい、

良かったです！！

（昔は、同じ映画を続けて鑑賞するなんて

あたりまえでした。

シネコンの入れ替え制では考えられませんが）

映像が流れた瞬間に、

「あ、この映画、絶対好き♥」と、

思いましたもの。

ーー続いて、朝ぼらけのなか

聞こえてくる竹ぼうきの音・・・

目を開ける平山（役所広司）。

この静かな流れに、

ますます、惹かれていきます。

映画が進むにつれて、

どんどんその世界にのめりこんでいきました。

毎日のルーティンは、

同じようでいて、実は違うように・・・

一見、無表情な平山も、実は表情豊かなのです。

それは平山の内面そのもの・・・

モミジの苗木、木漏れ日、文庫本、一杯の酒、銭湯・・・

平山は、愛するものが、たくさんあって・・・

そのうえ、人間も大好きで、優しいのです。

姪のニコが家出し、突然訪ねてきたときの

あの嬉しそうな顔ったら！

そうそう、ニコが訪ねて来たことは、

平山の過去を、垣間見せてくれました。

それまで何も語られてこなかったけれど・・・

迎えに来た、ニコの母、平山の妹（麻生祐未）は

見るからに裕福なたたずまい。

このときばかりは平山の顔が歪みましたっけ・・・

それでも、あれこれと語られません。

観る側に委ねられているようです。

いわゆる「音楽」もありません。

ただ、ひたすら平山のコレクションから、

カセットの曲が流れるだけ・・・

洋楽に疎いので、

聞いたことがあるようなないようなですが・・・

歌詞は、平山の心象に重なっているようでした。

これ以外は風や雨など自然の音に、

子どもの声や車のクラクションなどの街の音、

こんな「音」と「音楽」の使い方も、素敵です。

最後に、木漏れ日の映像とともに

「木漏れ日」の説明があり、

「・・・と日本語でいう」と結ばれました。

平山が愛する木漏れ日は

映画のモチーフのひとつです。

この言葉は、日本語に独特の、

もっというなら日本人の感性なのだと

初めて知りました。

小津安二郎監督を敬愛する

ヴィム・ヴェンダース 監督ならでは、と

胸が熱くなってしまい・・・

既に涙していたところで、

これですから、完全に、涙腺が崩壊しました。

最後に、役所広司さんのこと。

わかっちゃいましたが、すばらしい役者さん!

セリフを何も言わずとも、

ほんの少しの表情で、

喜怒哀楽の感情も、来し方も今も、語れるんです。

感服しました。

タイパとは一線を画した、静かな映画。

一夜明けてなお、今朝も心が満たされているようです。

📷　ポスター画像は映画.comよりお借りしました。

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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。

外は、台風のような雨と風です。

どうぞ、皆さま、お気を付けてお過ごし下さいね！

世界中に「優しい風が吹きますように」