人間は、特殊な環境になければ、毎日眠ります。では、睡眠という、生理現象は、なんなのでしょうか?
脳は、記憶等一定の限界があります。
人間は、どちらかと言えば、起きている状態が特別で、起きていられるために、特別なホルモンを出し続けています。このホルモンは、量が決まっていて、夜になると枯渇して来ます。これが、眠くなるという状態です。
睡眠に入ると、意識が無くなり、刺激に対する反射も鈍くなりますが、逆に、脳は活性化して、ある働きをいくつか睡眠中に行います。
まず、脳の中の情報、記憶と呼ばれるもの、いったん生命維持のための情報を除き全てリセットします。その後、忘れてはいけないと判断した情報のみをピックアップして、再構築します。しかも、寝る前よりも、鮮明に完璧な型に組み立て直します。
つまり、日本人にありがちだった寝ないで頑張るというのは、医学的にとても非効率な、単なる精神論です。
そして、枯渇したホルモンを作り、翌日起きていられるようにします。
この一連の作業は、精神医学的には、脳は快感と感じているので、幻想を見ます。それが夢です。
手術での全身麻酔との違いは、全身麻酔中は、脳の活動は停止するので、身体の呼吸などの生理的活動も停止します。睡眠は、痛みなどの刺激に対する反応はあるため、刺激で目を覚まします。
睡眠時間は、個人のそれぞれの元々の脳のキャパや、状態で差があり、一様ではありません。
また、睡眠がずっと不足すると、脳の限界を超えた状態が続くため、運動機能、精神安定に影響を与え、通常20日を越えると死亡します。
高度成長期は、サラリーマンは睡眠を削ってというのが、美徳でしたが、とんでもない資本家優先の論理です。