12・11・1
目を向けた!見た!
家内は机の上の一輪挿しにバラを活けてくれた。
フッと見た。
「きれいな花だな・・・」と思った。
ささやかな感動があったのです。
心が動いたのです。
停止した生命活動が始動したのです。つまり、
腑抜けから立ち直るキッカケだったのです。
パープーの松ちゃんを真似て始めた落描きです。
落描きの地図を描く、売り物件を落描きで記録する。
落描き絵地図も落描きスケッチも見て描きます。
そんな意識はありませんでしたが、
観察する初歩の初歩、今迄より、ほんの少し、ほんの少しですが、
自ら目を向けて、獲得した情報を、
この上なくお粗末な絵に描き込んだのです。
絵に描き込むことで対象物に意識を向け、
ほんの少しですが今までより注意深く視る。
視て描く、手を動かす動作を通じて
全体の印象、雰囲気までも無意識に
心に留めているのです。
描くことで獲得した情報は
潜在意識に働きかけ、新たな何かを発生させます。
新たな商売の手法を編み出し、
間もなく、経済的に立ち直れたのです。やがて、
宇野千代著「天風先生座談」に出会うことで
中村天風師創建の心身統一法に巡り合ったのです。
心身統一法の眼鏡を借りて振り返ると、
一輪挿しのバラの花のこと、落描き絵地図、落描きスケッチも
人生後半の転換点だった、と見えてきました。