テレビでも新聞でも昭和二十年当時の情報を並べている。ここでは終戦後五高では教授以下が宿直を行っているのでその日誌を掲げることにする。
昭和二十年八月二十二日水曜 晴天
民心次第に平静、寮生一時退散せしを以て。(寮日誌にあり)本日より教官宿直を一人と更めらる。(但しその旨を知らずして上田教授見えたるは却って好し。)
当番夜警数名に招かれ、四寮四号室に於いて九時半まで寛談。去る十四日夜、最後の突然の警報によりて全寮退避せんと。桑鎗の変更感概転た深し。
下后校内を 一巡するに、各場概ね旧に復したるも,器材随所に散在し野草徒に繁りて、龍南学園の面目更に無きを奈何せむ。高森良人
八月二十三日 木曜 晴 河原畑正行
一、特記すべき事項なし
八月二十五日 土曜 晴 安達龍三
一、特記すべきことを認めず
八月二十六日 日曜 晴後淡曇 池田一幸
翌早暁より西の風強く雨となる。全寮殆ど窓を開放してありしを以て小使いに協力して之を閉づ。台風九州の東方を通過しつつあるものの如し。その他異常なし。
八月二十七日 月曜 朝水風雨午前中に上がる
一理甲四橋浩生帰寮の申出、明日総務課に出頭手続きすべき以て、鹿江助教授援助願い出される。
八月三十一日 雨天 池田長三郎
雨量多く校内の樹木湿ふ夏草のひどく生い茂るを見て今更ながら生徒の手を借りたく思う 山内教授宿直を援助せらる
九月一日 土用雨後曇 中原勇
特に記すべき事項なし 電灯つかず難儀せり 夜中より更に雨となる
九月二日 日曜 雨殆ど晴れ間無し 藤田繁一
特記事項なし
九月三日 月 雨雷鳴を伴う 山内弘毅
終夜電灯つかず その他特記事項なし
九月四日 火曜 曇時々雨 大和邦太郎
偶々来寮せば総代数名暗中に雑談
九月六日 木曜 晴 鹿江二夫
特記事項なし
九月七日 金 晴 門前真一
特記すべき事無し
九月九日 日曜 雨後晴 安達龍三
特記すべき事を認めず
九月十日 月 晴 佐々木四郎
特記すべき事無し
九月十一日 火 雨 黒川清
特記事項なし
九月十二日 水 曇後雨 上田英夫
別に書くこともないが夜に入ってから構内を巡視して見て黒川教授が例によって勉強して居られるのに驚きかつ敬服した。書くことといえば先ずこんなもの・・以上10時記
夜十二時少し前寮務室にありて読書中、すぐ近くの廊下に物音あり、多分夜警ならんと思い居りしところ今度は二寮三寮間の中庭にあたりて何か金属性のものを扱う物音したれば小官廊下に出でて暗闇に
対して『誰何』したるに勿論返答は無く物音もせずなりたり、夜警を呼ばんと電鈴の『ボタン』を押したれど起きて来ず小官独りありて少々不気味なりき源氏物語中の『夕顔』の巻きのある個所なども思
いあわされてーーー(小使い室まで行きたかったが、その不在中に寮務室に這入られそうで一寸困った)・・夜十二時十五分記
九月十三日 木 曇 藤井外與
特記すべき事無し
九月十四日 金 曇時々雨 大原英一 特記すべき事項なし
九月十六日 日曜 雨夜に入りて益々降り続く 飯島象太郎
特記すべき事項無し
九月十八日 火曜 晴 浅井東一
元総代宮島以下数十名昨日既に帰寮す
昭和二十年八月二十二日水曜 晴天
民心次第に平静、寮生一時退散せしを以て。(寮日誌にあり)本日より教官宿直を一人と更めらる。(但しその旨を知らずして上田教授見えたるは却って好し。)
当番夜警数名に招かれ、四寮四号室に於いて九時半まで寛談。去る十四日夜、最後の突然の警報によりて全寮退避せんと。桑鎗の変更感概転た深し。
下后校内を 一巡するに、各場概ね旧に復したるも,器材随所に散在し野草徒に繁りて、龍南学園の面目更に無きを奈何せむ。高森良人
八月二十三日 木曜 晴 河原畑正行
一、特記すべき事項なし
八月二十五日 土曜 晴 安達龍三
一、特記すべきことを認めず
八月二十六日 日曜 晴後淡曇 池田一幸
翌早暁より西の風強く雨となる。全寮殆ど窓を開放してありしを以て小使いに協力して之を閉づ。台風九州の東方を通過しつつあるものの如し。その他異常なし。
八月二十七日 月曜 朝水風雨午前中に上がる
一理甲四橋浩生帰寮の申出、明日総務課に出頭手続きすべき以て、鹿江助教授援助願い出される。
八月三十一日 雨天 池田長三郎
雨量多く校内の樹木湿ふ夏草のひどく生い茂るを見て今更ながら生徒の手を借りたく思う 山内教授宿直を援助せらる
九月一日 土用雨後曇 中原勇
特に記すべき事項なし 電灯つかず難儀せり 夜中より更に雨となる
九月二日 日曜 雨殆ど晴れ間無し 藤田繁一
特記事項なし
九月三日 月 雨雷鳴を伴う 山内弘毅
終夜電灯つかず その他特記事項なし
九月四日 火曜 曇時々雨 大和邦太郎
偶々来寮せば総代数名暗中に雑談
九月六日 木曜 晴 鹿江二夫
特記事項なし
九月七日 金 晴 門前真一
特記すべき事無し
九月九日 日曜 雨後晴 安達龍三
特記すべき事を認めず
九月十日 月 晴 佐々木四郎
特記すべき事無し
九月十一日 火 雨 黒川清
特記事項なし
九月十二日 水 曇後雨 上田英夫
別に書くこともないが夜に入ってから構内を巡視して見て黒川教授が例によって勉強して居られるのに驚きかつ敬服した。書くことといえば先ずこんなもの・・以上10時記
夜十二時少し前寮務室にありて読書中、すぐ近くの廊下に物音あり、多分夜警ならんと思い居りしところ今度は二寮三寮間の中庭にあたりて何か金属性のものを扱う物音したれば小官廊下に出でて暗闇に
対して『誰何』したるに勿論返答は無く物音もせずなりたり、夜警を呼ばんと電鈴の『ボタン』を押したれど起きて来ず小官独りありて少々不気味なりき源氏物語中の『夕顔』の巻きのある個所なども思
いあわされてーーー(小使い室まで行きたかったが、その不在中に寮務室に這入られそうで一寸困った)・・夜十二時十五分記
九月十三日 木 曇 藤井外與
特記すべき事無し
九月十四日 金 曇時々雨 大原英一 特記すべき事項なし
九月十六日 日曜 雨夜に入りて益々降り続く 飯島象太郎
特記すべき事項無し
九月十八日 火曜 晴 浅井東一
元総代宮島以下数十名昨日既に帰寮す