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もう夏は過ぎてしまいましたが…。今日は7月に日本で購入し、読んでゾ~ッと涼しくなった本をご紹介しますネ。「怪談和尚の京都怪奇譚」(三木大雲著)がその1冊。
これは…相当コワイ御本です。京都・蓮久寺の三木和尚が檀家さんから相談を受けたコワイ出来事、そして和尚さん自身が体験した怪奇譚をまとめたもので、(何せ和尚さんの書いたものですから)嘘偽りなしの不思議な話がてんこ盛り。
本の後ろの要約部分から内容を少し紹介しますと、「死者からの電話、人形の怨念、線路にしゃがむ老婆、自動販売機から伸びる手、死神に救われた話…」といった感じです。ね、コワイでしょう!?
私が特にゾ~ッとしたのは、複雑な死に方をした女性(の霊)が葬儀の前夜、お寺に挨拶に来た時のエピソードです。ううう、ここでは深く言いますまい。書くのも恐ろしい…。
しかも三木和尚の文章は軽快で読みやすく、どんどん読み進められるのもいいですね。数々のエピソードに加えて、因果応報の話や怨霊の話、邪気の話などなど、仏法に基づいた興味深い談話?も挟まれていますから、コワイだけではなく勉強になる本でもありますよ。
そう、世間に溢れたただの怪談本ではなく、仏教の教えというか解釈も含まれた、深~い1冊がこれ。オススメですよ~。文春文庫の1冊で562円でした。