ここ数日、お天気が不安定なホノルルです。今もザーザーと雨が降っています…風も強いです!
雨、雨、雨…と考えていたら、今日、急にあることを思い出しました。ハワイ島ワイメアにある、雨乞いの岩のことを…。岩の名は「マナウアManaua」。ちなみに、ハワイ語でマナは霊力や気、ウアは雨を意味しています。
その岩は、ワイメアの小さなホテル、「ジャカランタン・イン」の中庭に鎮座しています。かなり大きく、写真ではわかりずらいのですが、高さは人の背丈ほどもあります。
しかも、大変神聖な岩でもあります。古来、この岩には雨を降らせる霊力があると信じられ、ワイメアの住民は日照りで困るたび、この岩にお参りしたものだそうです。実際、写真でも岩の上に緑のレイが置かれているのがわかりますか?
私の尊敬するワイメア在住のフラの師、マイカ・カモホアリイさんによれば、昔、いつもこの岩のうえに、近くの池に住む女性のモオ(大とかげ)の精が座っていたとか。そのモオには雨を降らせる神通力があったので、住民は雨が必要な時、岩にお参りしたのですね。
なので自分がその岩に座っていない時にでも、もし岩にお供えがあったなら、人々は雨を必要としているに違いない。モオの精はそう考え、お供えを見るたび、近隣に雨を降らせてくれたそうです。ずいぶん、パワフルなモオだったのですね!
私がマナウアを訪れたのは、約3年前。上記にマイカさんを取材した帰りのことでした。マイカさんから岩の話を聞き、帰りにマイカさんにいただいたレイを持って、岩を参拝したのです。
私は霊能力ゼロではありますが、なんだか岩を見た時、とてつもなくスピリチュアルな岩であるような気はしました。なので手を触れないように気をつけながら、レイをお供えしましたっけ。
そして、その数時間後。私たちがコナ空港へと車を走らせていた時のことです(私はカメラマンと一緒でした)。その日はジリジリ肌が焼けるほどの晴天だったのですが、空港に向かう途中の道路で異変が起きました。なんと急に空が曇り、大雨が降ってきたのです! それは視界が閉ざされるかのような大粒の激しい雨だったので、もうビックリでした!
その時、なぜか私は思い当たってカメラマンに言ったのです。「これはきっと、雨乞いの岩のお陰よ。私たちがレイを持ってお参りしたから、雨を降らせてくれたのよ。でも、この雨が岩のパワーのお陰であることを私たちが理解した以上、すぐに雨はやむと思うわ」。
すると! 不思議なことに私がそう言った途端、雨が本当に小降りになり、ものの数分のうちに上がってしまったのです。不思議ですが、本当の話。
…思うに、モオの精は自分の力が理解された段階で、「そうよ、この雨は私が降らせたの。わかってくれているなら、もう雨を降らさなくてもいいかしら?」と思ったのかもしれません。本当に、(こんなことを言うと神がかって聞こえるかもしれないのですが)その雨のタイミングは絶妙だったのです。まるで私たちの会話がモオの精に筒抜けで、モオが「フフフン」と笑いながら、雨の栓を閉じたり開いたりしているかのようでした。
…ずいぶん前の経験ですが、雨模様だった今日、急に、不思議な雨乞いの岩を思い出してしまいました。
まだまだハワイには、こんな不思議なお話が溢れているのですよー。