先週、TVニュースを見て、少し驚いたことがありました。あるハワイの住人がホームレスシェルターを離れて歩み出した…といったストーリーだったのですが、私はその方を、少しだけ知っていたのです。ニュースで取り上げられていたのは、1970年代にハワイ大学バスケットボール部で大活躍した、ジェロームさん。
ジェロームさん時代のハワイ大学バスケ部はそれはそれは強く。ジェロームさんを含めてファブラス5(素晴らしい5人)と呼ばれた5人の選手の活躍で、ハワイ大学の名が全米に轟いた時代でした。
5人はハワイで英雄となり、ある人はプロ選手となってアメリカ本土へ。ある人はビジネスの世界で成功し、ジェロームさんについて言えば日本の社会人チームで活躍。ナショナルで6年間活躍していたので、もしかしたらご存知の方もいるかもしれません。
私がジェロームさんに会ったのは、5,6年前のこと。当時60代後半だったジェロームさんは短期間、イオラニ宮殿でセキュリティをしていました。ジェロームさんは私が日本人と知ると、日本時代のことなどいろいろお話ししてくださって。私も日本からのゲストによく「このジェロームさんは、以前、日本鋼管でプレーしていたんですよ~」なんて紹介し、「日本鋼管じゃないよ、ナショナルだよ」、とジェロームさんに訂正されていました(恥)。
そんな話を主人に伝えると、「え? ジェロームって、ファブラス5のジェローム?」と驚き、わざわざ宮殿に会いにきたことも。実は私はジェロームさんがそれほど有名人とは知らなかったのですが、昔、主人は大ファンだったとか。主人は「あなたの大ファンでした」とかと本人に伝えて、紅潮していましたっけ。
…話は戻って、今回のニュースはちとビター・スイートな内容でした。ジェロームさんは宮殿を辞した後もセキュリティとして仕事をしてきましたが、コロナの影響で職を失い、3か月前からホームレスシェルターに住んでいたそう。それがこのほど各所のサポートもあって自分のアパートを確保し、シェルターを出た…というニュースでした。
ジェロームさんは御年73歳。これまでの人生、UP&DOWNがあったことでしょう。それでも路上生活を選ばずシェルターに入り、人生の仕切り直しをしたところがさすがです。こういったシェルターは消灯時間もあれば飲酒禁止のルールもあるし、入所を嫌がる人がそれは多いのです。
ジェロームさんと宮殿で顔を合わせていたのはほんの数か月ですが…ジェロームさんの今後の生活が平穏なものとなりますように!
…実際、ハワイでもコロナ禍が過ぎ去ったような印象がある昨今ですが、このニュースのように今なおあちこちで「コロナの影響」を見聞きします。たとえばこの週末は、オバマ大統領の出身校でもある名門私立校、プナホウスクールで移動遊園地が開催されたのですが、いつになく小さな規模のものでした。
2月のプナホウカーニバルはホノルルの名物。観覧車や絶叫マシーンまで登場するかなり大規模の移動遊園地で、2020年、2021年はキャンセル。2022年は在校生だけが参加して行われたのです。今年は3年ぶりに一般公開して大規模に行われるはずが、大がかりなライドは一切なく、メリーゴーランドなど子供用の小さな乗り物だけ。多彩なゲームもなし! 「なんだか淋しかったな…」と息子は嘆いていました。
それもこれも3年間のコロナ禍のため、移動遊園地をセットアップする会社が人員不足に陥っているからだそう。スリリングな乗り物をテキトーに設置し、テキトーに運営するわけにはいきませんし、各ゲームにも12時間以上、人が張り付かなければいけませんしね。
そういえば昨夏訪れたヒロのファーマーズマーケットでも、出店がずいぶん減っていました。この3年間で島を離れた人も多いから…と、あるベンダーさんが言ってましたっけ。
…一見、コロナ狂騒曲が収束しつつあるように見えるハワイですが、コロナ以前の平和な生活に100%戻るのには、まだまだ時間がかかるのでしょう。コロナ憎し、ですが頑張りましょう!