もりんの日々是迷い人

もりん。50代主婦。
×あり。子あり。
良い職場と幸せを探し求める日々。

満月の夜に『あの人』を思う。

2024-07-21 21:23:00 | 家族
今日(7月21日)は満月です。
『バックムーン』だそうです。

満月には不思議な力があるそうだけど…
何故か今日は、亡くなった『あの人』のことを強く思い出します。

『あの人』私の前の夫。
今年の4月に亡くなりました。

あの日から、思い出さない日はないけれど、今日は特に強く思い出す気がします。
満月のせいなのか。
昨日、あの人の家の売却が済んだからなのか…。


あの人が亡くなった日。
娘から連絡を受けて病院へ行った時、あの人は既に亡くなっていました。

あの日からずっと後悔していることがあります。

あの人と…
最期にちゃんと話したかった。

もともと口数の多い人ではないし、離婚してから会っても、会話らしい会話をしたことがなかった。
私にはあの人が、いつも不機嫌にすら見えていました。

なのに…。
あの人の昔の写真は、みんな笑っていて。
幸せそうに見えて。

そういえば。
生きているあの人を最後に見た日も、あの人は笑ってた。
久しぶりに見た、あの人の笑顔だった。

「ガンになんて、なるもんじゃないよ」
そう言ってニヤっと笑った。
あの言葉。
今覚えばあれはあの人の、精一杯の「生きたい」だったのだと思う。

あの人が病気になってからも。
私はあの人が死ぬなんて考えてなかった。
きっと大丈夫って、勝手に思い込んでた。

あの人と最期に話したかった。 
今までのこと。
子供たちのこと。

結局何も話せないまま。
それでも。あの人の声が、今も私の耳に残ってる。
いつも面倒くさそうな返事をする声。

もっと早く、ちゃんと話せば良かった。
もうそれは永遠に出来ない。 
それが悔やまれてならない。


明日は当たり前に来る。
家族は当たり前にいる。
そういうものじゃない。
伝えたいことは、ちゃんと伝えないといけない。
いつかじゃなくて『今』に。


あの人はドラマや映画が好きだった。
亡くなる前には、娘とよく映画を観に行っていたそう。
『ミステリと言う勿れ』『ゴジラ―1.0』とか。昔からゴジラが大好きだった。
『ブラックペアン2』も見たいって言ってたらしい。
ガルパンの映画もまだ完結してないし、月々パーツが送られてくる戦車も完成してない。

あの人には、まだまだ見たいものもやりたいこともあったのに。
そう思うとやりきれない。

満月には浄化作用があるそうです。
この気持ちが癒える日は来るのでしょうか。

どうかあの人が、天国で幸せにしています様に。

私がいつか行ったら会えるのかな?会って話をしてくれるのかな?

後悔のない人生なんて無理かもしれないけれど。
どうか…誰もが生きている『今』を大切にしてくれたらと願います。




悲しいのも寂しいのも仕方ないこと。

2024-07-19 16:10:00 | 家族
運命って。
誰が考えて誰が決めるんてしょうね。

前の夫が亡くなって早3ヶ月。
幾つもの『偶然』?が重なって。
気持ち悪いくらいです。


前の夫が亡くなって。
子供たちの引っ越しを考えた時に
出て来る問題と言えば…
家はどうする?
引っ越しはどうする?です。
 
1枚のチラシが入って来ました。

便利屋さんのチラシです。
引っ越し、家屋買取、解体、遺品整理…なんでもありの便利屋さんです。

チラシって、ちょっと怪しいですよね。
でも。引っ越しと遺品整理は頼めるのではと連絡。

チラシの会社は小さそうでしたが、グループ企業らしく、色々な部門があって大元は大きい会社らしい。

それでも、不動産は不安だけれど…

ご主人は、去年から宅建の勉強をしていました。
これも、偶然なのか?
ご主人が前の夫が亡くなった後のことを考えて勉強してくれていたのだと私は思ったけれど(前の夫が癌で長くないことを知ってから勉強を始めたので)
ご主人本人は「将来、定年したあとの仕事のため」なんて言ってましたが。

ご主人が宅建の勉強をしてくれていたのが、どれだけ心強かったか。
万が一相手が不利なことを言ったり、嘘を言ってきたら分かるかもしれませんから。

偶然だったのは、便利屋さんのチラシと、ご主人の宅建の勉強だけじゃありませんでした。

前の夫の癌が分かった頃……
ご主人の実家の隣に『司法書士事務所』が出来ました。

家を売る前に、まず、前の夫になっている家の権利を、息子に移さなければなりません。
前の夫の家→息子の家→売却。なので。
その書類手続きを行ってくれるのが、司法書士さんです。

亡くなった前の夫は、別の司法書士を考えていたようですが…
そっちの司法書士は、前の夫の母親が亡くなって家を相続する時に不備があったのを、こちらの司法書士さんが初回の無料相談の段階で発見してくれたので、こちらにお願いすることに決めました。

近くて連絡は取りやすいし、書類の受け渡しも直に出来る…そんな司法書士事務所が近くに出来るなんて…
偶然なのか?運命なのか?
はたまた亡くなった前の夫の導きなのか?
ちょっと怖いくらいです。


司法書士さんの書類も終わって。
いよいよ家屋の売却手続きです。
近々あの家は他人の物になります。

私が初めて結婚して住んだ家で
子供たちが生まれ育った家で
前の夫が亡くなる寸前まで過ごした家で…
とにかく私にはたくさんの思い出がある家です。

悲しくもあり。寂しくもあり。
でも、どうしようもなくもあり……

ただ今は。
時の過ぎるままに
運命の流れるままに
過ごしている感じです。










全てが終わる。全てが消える。

2024-07-18 16:00:00 | 家族
前の夫が亡くなって…
早くも3ヶ月が過ぎました。

色々ありました。
お葬式をして。
納骨をして。
子供達が引っ越して来ました。

私には再婚した夫…『ご主人』がいます。
子供達は前の旦那さんとの子供で。
子供と言っても、もう成人しています。

現在、息子30歳。娘24歳。
この年齢の子供たちを見ずして、前の夫は逝ってしまいました。
(亡くなってから誕生日が来たので)


子供たちが越してきたのは、私の今の旦那さんの実家。
ややこしい(笑)

私とご主人は、団地?のようなマンション?に2人で住んでいて。
ご主人の実家は、そこから約徒歩10分の距離にあります。

6年前に建て直しました。
建て直して直ぐは、ご主人と私、義母の3人暮らしでした。
が。
近くに住むご主人の姉弟家族が、あまりに身勝手に頻繁に出入りするのに嫌気がさして、私は家を出ました。
離婚覚悟でしたが、結局離婚にはならずに、今はご主人と別の所に住んでいると言う訳です。


ご主人の実家。建て直す時に。
ご主人と私で、色々色々考えました。
義母には気兼ねなく暮らせるようにと、1階に大きなキッチンとリビングと部屋。
私たち夫婦には、2階に小さいキッチン。

私たちの2階には。
部屋は小さくてもひとつ多めに。
屋根裏には部屋にもなりそうな場所を作りました。

ひとつ多めの部屋と、屋根裏に電気もコンセントもある場所を作ったのは………
子供たちに何かあったら住めるようにでした。

考えた当時に、前の夫が病気だったわけじゃありません。
あくまで遠い将来何かあればと、作った部屋でした。

なのに…なのに…
まさかこんなにも早く、あの部屋を使うことになるなんて思いもしませんでした。

最初は。
今、私とご主人が住んでいる所に、子供たちを呼ぼうと考えていました。

けれど。
息子には軽い障害があり、大きい声で話したり騒いだりしてしまうことがあり…集合住宅での生活は難しく。
息子も娘も、いわゆる『オタク』で。大量のグッズを持って行きたいと言う。

そんなこんなな事情を考えて…
子供たちは、ご主人の実家に住むことになったのでした。

娘には、もともと私が使っていた部屋を。
息子は、余分に用意しておいたあの部屋を。
大量のグッズは、屋根裏の部屋に。

結果的に……皮肉にも…
全てが上手くいきました。


何故子供たちはこちらに引っ越さなければならなかったのか?

前の夫と子供たちが住んでいた家は、古く。
古いだけならまだ良かったのだけれど、私が離婚して家を出たあと、あまりに掃除をされない上に、物ばかりが増やされて……
壁はカビだらけ、階段にはガムテープが貼られ。床は抜けそうに緩くなり…。ほぼゴミ屋敷。

離婚して家を出た時。
家を建て直すための頭金くらいは残して出ました。子供たちのために。 事故の保障金を支払って、残った分は置いて来ました。
なのに…結局建て直す事もなく、前の夫は逝ってしまった。

でもそのおかげ?で。
子供たちが近くに住むことになりました。


今の私の気持ち。
子供たちだけで離れて暮らさせるよりは、近くに住んでくれるのは安心です。
でも、ご主人には、とてつもなく大きな『恩』が出来たと思います。

子供たちと一緒に住むことになった義母。全くの他人との同居です(笑)
私としては、ちょっと「ざまあみろ」な感じもあります。 
同居してた時、私がどれだけ嫌な思いをしたか…少しは分かるかな?と思うので。
子供たちにとっても義母は他人なので、多少の遠慮は出るとは思いますが。彼らは誰に似たのか意外と図太い(笑)

ご主人は。
実家を建て直したのは自分で。
自分が良いと言うのだから、誰にも文句は言わせない…そう私に言ってくれました。

他人である私の子供たちがいることで、以前のように、ご主人の姉弟一家が頻繁に出入りしてくれないことを、私は願っています。
義母と同居の頃は。
知らない間に家の中にいて、風呂出たら突然来てて…どれだけ気持ち悪い思いをしたか。


とにもかくにも。
子供たちの引っ越しも済んで…
残すは。
前の夫の家の売却。です。

もうすぐ。 
全てが終わって。
全てが消えます。

ほっと一息つきたいのに……
涙が出ます。












あの人から受けた最期の使命。

2024-05-20 11:36:00 | 家族
火葬場の売店には。
色々なサイズとデザインの『骨壺』が売っていました。

焼かれた後の残った骨は。
まるでドライフラワーの様に乾いて見えて。

骨壺に入らない骨は。
係の人によって潰されます。
潰すと、不思議とあんなにあったはずの骨が、ちゃんと骨壷に収まります。

悲しいと言う気持ちよりは。
ただその光景を、不思議な気持ちで見ているだけでした。

元夫が亡くなったのは先月。
死亡診断を受けてから、4日後にはもうあの人は骨になりました。

生きているうちが花。
なんて言葉を、昭和に聞きましたが。
人は亡くなると、本当に呆気ないです。
魂の無い『ただの器』になった人間は、あっという間に小さくされてしまいます。

人の魂?心?は何処に行ってしまうのでしょう?


明後日。納骨に行きます。
私とご主人。そして子供たちだけの、静かな納骨です。
喪服も着ません。お経もありません。

何十万円も払っても。
本当にあの人が天国に行けたのかなんて、確認出来ませんから。
ただ…思いを込めて手を合わせて。
あの人の静かな眠りを願うだけです。


火葬の時。不思議に思いました。
火葬場には何組もの家族や親族が来ていて。
知らない所でも、何人も亡くなっている人はいるもので…

故人が焼かれてる間に、お寿司を食べてビールを飲んでいました。
すぐそこで。それまで生きていた人が焼かれているのに…
それが『お清め』なのだそうです。
何を清めるのか、私にはわかりませんでした。
うちは小さなお弁当のみだったので、清められなかったかもしれません。

火葬後の。
砕かれる骨の乾いた音は。
悲しみよりも。
ただ、どうして良いかわからない…
『死』とは違う、止まった時間を、残った人達に与えるようです。


ひとつだけ。
私はその時、使命をみつけました。

残った骨の中に。
たったひとつだけ。
『歯』がありました。

白い…奥歯?
係の人がつまみ上げて「綺麗に歯が残ってますね」と言った。

あの人。
歯をあんまり磨かなくて。
虫歯も多くて。
若い頃からタバコも吸ってたから、歯が茶色くて汚かった。


生きたあの人を最期に見た日。
あの人は『白い歯を見せて、ニッと笑った』と記事に書きました。
あの時の『白い歯』は入れ歯です。

抗がん剤で上の歯が全部抜けて、入れ歯だったのだそう。
入れ歯は棺に入れられると外されました。
なので。おそらく。
残ったのは、下の奥歯。

長年の不摂生と病気で、残った歯でさえも頑丈ではなかったはずです。
なのに……たったひとつだけ。
綺麗に、白く残った歯。

私には、あの人が残したメッセージに思えました。

私とあの人は、同じ歯医者さんに通っています。

先生も歯科助手さんたちも、素敵な人達で。
先生は。
歯医者さんなのに、まるでカウンセラーの様に、患者の話を聞いてくれる人で。
あの人の病気のことも知っていて。
月1にメンテナンスで通うだけの私と、あの人の話もしていました。

私が離婚して引っ越してからも、変わらず同じ歯医者さんに通い続けたのは、この日のため導きだったのかもしれません。

「先生たちに、ちゃんと伝えて」
そう言われた気がしました。

病気になってからのあの人の。
愚痴や不安を聞いてくれたのは。
多分、先生だったのだと思います。

2ヶ月近く前に取った、私の次の歯医者の予約は…ちょうど火葬の5日後で。
月1でメンテナンスに行っていたのに、その月だけは何故か間違って2ヶ月近くあいてしまっていたのに…
それが火葬の5日後なんて。

歯医者さんに行って。
あの人が亡くなったこと。
最期がどうだったか。
先生に話ました。
助手さんたちも、真剣な眼差しで、話を聞いてくれました。

お世話になりました。
と、私が頭を下げると、深く頭を下げてくださいました。
「大変な時に、よく来てくれましたね」と。

他にも患者さんがいたので。
帰りの会計の時、助手さんにあの『残った歯』の話をしました。
それが私へのメッセージだったこと。
そして、皆さんへの感謝だったこと。を。

その日初めて聞いた話では。
あの人は、先生が開業してすぐの患者さんだったらしく、私よりかなり長い付き合いだったそうです。

あの人に言いたいです。
私、ちゃんと伝えたよ。と。






涙を流す遺影。

2024-05-12 12:28:00 | 家族
亡くなった人を見たのは、私の人生では2度目。
1度目は祖母で。
もう冷蔵保存された状態で。
私にはその姿が、人間の形をした『ただの器』に思えた。


元夫が胆管癌で亡くなったあの日。
夜。
なかなか眠れなくて。
寝れなくても良いとも思えて。
ベッドで横になって。
頭の中は思考がぐるぐるで。

本当にあの人は死んだの?
どうして?
私はどうすれば良かった?
どうすれば良い?
子供たちは?

自分が生きていることさえ、赦されないことのように思えて。
悲しいのか。怖いのか。不安なのか。自分の感情さえわからなくて。

ただ私は。
最期にちゃんとあの人と話がしたかった。
今までのこと。子供たちのこと。
真剣に話したかった。

そんな時のこと。
あれは、もしかしたら夢だったのかもしれない。
眠れないと思っていても、体は疲れていたから、眠っていたのかもしれない。

急に目の前が明るくなった。
私は思い立った様に起き上がって窓の方を見ると…光の塊?
私には『あの人』の形に見えた。

その光は何も言わないし、動かない。
私はその光に言った。

「大丈夫だから。ちゃんとやるから。(子供たちと)3人で頑張るから」と。

亡くなった人は、縁のある人たちに会いに来ると言う。
あの人が来てくれた。
私はそう思った。

次の日曜日があの人の葬儀だった。
先週の日曜日には杖を渡して、会話してたのに…

葬儀は宗教関係なく、お別れ会の様な形式で。
参列者7人のみ。身内のみ。

打ち合わせの時、葬儀屋さんに尋ねた。
私は離婚して他人なのに、一緒に出て良いんですか?と。
「貴女は父親の子供達の母親なんです。堂々と出て下さい。」
と、言ってもらえた。

あの人の最後の姿は。
花いっぱいに囲まれて。
大好きだったアディダスのジャージやゴジラのおもちゃやチョコを入れて。

火葬場。

日本の風習って、気持ち悪いと思った。
すぐそこで、これまで生きていた人が焼かれているのに、平気で食事をする。
他の待合室では、お酒やお寿司が振る舞われて、談笑する人たちが。

誰かが亡くなっても。
本当に悲しむのは、ほんの一部の人にすぎない。
生きてる人は無情だ。

火葬場への行き帰りは、親戚の車に乗せてもらって。
葬儀場に一度戻って、娘の運転であの人の家に帰ることになっていた。

車を乗り換える時。
私があの人の遺影を持っていた。

その日は朝からどんよりと雲っていて。いつ雨が降っても不思議ではないような天気で。
車を乗り換えるほんのわずかなタイミングで雨がポツポツと落ちてきた。

遺影が濡れちゃう。
慌てて車に乗って。
遺影に目をやると。
遺影に3つぶ程の雨の雫。
2つは顔とは離れたところに付いているのに………ひとつぶだけ…
右目から涙が流れていた

ただ雨が付いてるという状態と違う。
ちゃんと右目にそって溢れて流れた。

「心配しないで。ちゃんとやるから」
思わず話しかけた。

誰よりも悲しくて。悔しくて。
無念なのは
間違いなくあの人自身なのだと知った。