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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.3.8 Newsモーニングサテライト

2017年03月08日 16時19分54秒 | MS
■マーケット

NY株 続落
株価は小幅なもみ合い。ダウは2万1,000ドル達成から、上値の重い展開が続いています。市場に活気を与える新たな材料は確かに不足気味です。なかなか材料の無い中では、テクニカル的な水準が、投資家心理に影響することも多く、SP500では2,360台半ばの水準を割り込むかどうかもこの先の動きを探る上でのポイントだとの声も聞かれます。医療制度改革で、共和党がオバマケアに変わる代替案を示し、その影響で、ヘルスケア株の動きにも市場は神経質になっています。引き続き、雇用統計待ちのムードも根強く、結果的に方向感が出にくくなっています。ニューヨークの株価終値です。ダウは29ドル安、2万924ドル。ナスダックは15ポイント下落、5,833。S&P500は6ポイントマイナス、2,368でした。

【NY証券取引所中継】米株価展望
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏

--連日冴えない動きですね。

はい、雇用統計、予算教書、FOMCとイベント待ちで動きづらい状況です。トランプ大統領の薬価批判が嫌気される一方、半導体や住宅関連が買われました。

--さてダウは21000ドルを達成してから、少し上値が重いですよね。

はい、ただ大和証券では年末の目標を2万2000ドルに引き上げました。理由は景気の上振れ期待です。連銀が先週一気にスタンスを変えた事自体が市場へのメッセージで、データ次第の様子見から成長加速フェーズに舵を切ったとの受け止めが多いようです。来週のFOMCではバランスシート調整が議論されるか注目です。

--でも一方で、リスクはないんですか。

(フリップ:ダウ下値めどは1万9500ドル)
やはりトランプ大統領の政策遂行のリスクで、ダウの下値めどは19500ドルと見ています。来週には予算教書が発表される予定ですが、通商政策や医療・税制改革など問題山積で、予算計画には程遠いようです。過去を見ると、ブッシュ政権でもおよそ1ヵ月後、オバマ大統領の時は2月に概要が示され、予算教書発表は5月でした。ワシントンの混乱ぶりからすると、今回はかなり遅れそうです。
 

【NY証券取引所中継】米銀行株に上昇余地
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏

--新しい買い材料に乏しいようですね。

そうですね。雇用統計、予算教書、FOMCとイベント待ちで動きづらい状況です。トランプ大統領の薬価批判が嫌気される一方、半導体や住宅関連が買われました。

--さて来週の利上げはほぼ確実視されつつあるんですが、市場への影響はどう見てますか。

はい、トランプラリーの主役、金融株のリーダーシップは続くと考えています。
(フリップ:短期金利上昇(利上げ)は収益に追い風)
ご覧のグラフはFRBが今後、合計1%の利上げをした場合、金利収入にどう影響するかをまとめた銀行自身(バンクオブアメリカ、シティグループ)の試算です。これから分かることは長期金利の動きより、短期金利の上昇が収益に好影響を与えるということです。

--これを見ると、一番右の「利上げなしで長期金利上昇」のほうが金利差拡大で利益が増えると思いきや、そうじゃないんですね。

はい、銀行の金利収入を考える時には、債券市場の金利差ではなく、預金金利と貸出金利の差が重要です。銀行にとって預金金利は調達コストと同じなので、低いほうが有利です。金利感応度の試算では利上げ後の預金金利と貸出金利の反応が違うことがポイントです。

--具体的にはどういう反応の違いですか。

実は利上げをしても、この低金利環境では預金金利が上がるのに1年ほどのタイムラグがあります。一方で、貸出金利は利上げとほぼ連動して上昇します。このため利上げサイクルの初期段階では、銀行の利ザヤの拡大が見込まれるため、銀行株の優位が当面続くと考えています。
 

【為替見通し】注目は「米ファンダメンタルズの見通し」
解説はソシエテジェネラル銀行の鈴木恭輔氏

--方向感のない展開でしたが、NY市場を振り返っていかがでしたでしょうか。

来週にFOMC、予算教書の発表、G20といった大きなイベントが控えていますから、様子見ムードが継続しています。ドル円は114円を挟んだ狭いレンジの推移となっていますね。

--今日の予想レンジは、113.50~114.50円です。

海外時間にはアメリカのADP雇用報告が発表されるんですけども、来週FOMCでの利上げがほぼ完全に織り込まれた状況ですので、強いインパクトを与える材料にはならないと見ています。ドル円は引き続き114円を挟んだ狭いレンジでの展開となりそうです。

--注目は「米ファンダメンタルズの見通し」です。

今後はFRBによる利上げペースに市場参加者の注目が集まりますが、持続的な利上げの織り込みを進めるためには、アメリカの経済見通しでも上昇トレンドの兆しが伴う必要があると思います。
(フリップ:米国の経済見通し↑がドル高のカギ)
ここで市場参加者の2017年から19年までのアメリカのGDP見通しの中心値を見ますと、実は今年の1月以降は大きな変化はありません。すべての年限で横ばいに推移している状況ですね。アメリカの経済の見通しを押し上げていくためには、やはりアメリカの財政政策での具体的な進展を見る必要があると思います。来週16日に公表予定の予算教書をきっかけにして、市場参加者のアメリカ経済見通しに変化が生じて、持続的な利上げの織り込みが進むことで、ドルの上昇の起点になるかに注目してます。

【日本株見通し】注目ポイントは「日経平均-ダウ」
解説はみずほ証券の三浦豊氏

--今日の予想レンジは、19250円~19450円です。

NYダウとドル円が結構方向感に乏しい動きになってますので、本日の日経平均も前日の水準を挟んだ揉み合いになるといったところで、ザラバはちょっと為替の動きにやや左右されやすいかなと思いますね。

--注目ポイントは「日経平均-ダウ」です。

(フリップ:円高でマイナス幅拡大)
日計平均からダウを引いた値というのが、日本株の米国株に対する相対的な強弱感、NY優位感を表すものと考えておりまして、この指標が上昇しますと、日本株が米株に対して優位にあるというところで、逆に下落してますと、日本株は結構出遅れてきているという指標でして、これとドル円の動きを重ねますと、円高時にはこの指標が下落しまして、円安には上昇して、マイナス幅が縮小しているというところで、円高時にはダウ以上に日経平均は下落しやすくて、円安時にはNYダウ以上に日経平均は上昇するといったところで、直近の状況を見ますと、ドル円が115円に接近すると、マイナス1200程度上昇しまして、113円程度まで円高になると、マイナス1700程度まで幅が広がるということが言えますね。

--その差から見た今後の日経平均というのはどうなりそうですか。

そうですね。足下ちょっと円高地合いというところもあるんですけれども、FOMC後はイベント通貨によりまして、円高が止まるということが予想されます。ですからドル円が114円程度であれば、日経平均とNYダウの差はマイナス1500程度というところですので、2万円といったところが1つ注目されているんですが、そこまでいくにはNYダウが21500程度まで上昇するということが必要かなというところですので、いまの動きから考えますと、2万円越えは4月ぐらいかなという感じですので、3月の1万9000円割れは押し目買いの水準といえるんじゃないかなと思いますね。
 

■【プロの眼】働き方改革は正しい方向に向かっているか?
残業時間の圧縮を軸に議論が進んでいるように見受けられる日本企業の働き方改革について、現在の方向性は正しくないのではないかと指摘する。残業時間の圧縮は、「無駄を省く」や、「ワークライフバランスの向上」には効果があるが、そもそも、アベノミクスが成長の柱と据える“生産性の向上”につながる対策なのかどうか、疑問が多い。解説は三井住友銀行の西岡純子氏。

--連日私たちもお伝えしている「働き方改革」ですが、正しい方向に向かっているんでしょうか。

「もちろん無駄な残業時間を圧縮するとか、ワークライフバランスを向上させるという意味では、もちろん重要なことだと思います。ただそれが日本経済底上げの成長戦略に本当にならったものなのかどうかって考えると、やや疑問符が付くところもあるなと思います。」

(フリップ1:日本の成長のけん引役に違い)
--成長力という意味では、生産性の向上というものがよく言われています。そこでGDP(国内総生産)をみると、その動きが分かるということですね。まずGDP(国内総生産)を労働指標で見てみましょう、ということですね。

「この4つの労働生産性、就業率、労働参加率、人口のそれぞれの伸びで、実は成長率というのは分解することができます。まず前回の景気回復局面を振り返ってみたいんですが、ちょうど2000年代前半から2008年ごろまでの動きです。」

--実質成長率、GDPがプラスになっています。

「プラスになった時のけん引役というのは、青の労働生産性の回復でした。この時はただ、企業が働き方改革を進めたというよりは、当時アジア経済を中心とした成長が非常に勢いが良かったので、結果として生産性が良くなったというのが当時の動きでございました。ところが今回はどうかと言いますと、2012年ごろからの動きをご覧いただきますと、確かにプラス成長ではあるんですが、引っ張っているのがオレンジ色の部分の労働参加率に偏っています。本来の生産性は足下でマイナス成長になってしまっていて、ちょっとここが一番厳しいなと思うところです。日本の労働市場というのは、人が減るのはもう分かってしまっていて、だからこそ生産性の回復が必要ですよ、というふうに言っているわけなんですが、現状、例えば女性であるとか、高齢者の労働参加率を押し上げるというところに議論が止まってしまっていて、それに頼りきりになってしまっている状態です。なので本来ならば残業時間を圧縮するというのは、無駄を省くという意味で、意味があることではあるんですけれども、本当に生産性を押し上げるためには何が必要かというと、投資を推し進めることによって、より一人一人の働くパフォーマンスを上げるようなことが進まないと、本質的な生産性回復にはつながらないということかと思います。」

(フリップ2:伸びない設備投資)
--現状、それは本当によく分かるんですね。コチラをご覧いただきましょう。先ほど仰ったように、生産性が上がっていた時期、設備投資が上がっていた時期、バブル景気の時は(設備投資が)良く上がっていたんですね。

「はい、そうですね。これは設備投資を、景気の谷をゼロとして指数化したものなんですけれども、今回の局面、2012年11月から追っかけてみると、当初こそまぁまぁ出ていたんですが、完全に勢いが失せてしまっている状況であります。本来ならば、投資がもっと伸びて、1人当たりの成長性、パフォーマンスが伸びるようなことにならないと、なかなか日本の成長率というのは、雇用の側面から考えると、あまり劇的な回復は見込みにくいなというふうに感じます。」

--時間の制約だけではないんだということですよね。


■【特集】中国 シェア自転車に新商機 問題も続々
中国というと自転車というイメージが強いと思いますが、いま自転車のシェアリングが人気を集めています。去年からサービスが始まったばかりですが、爆発的な普及の裏に中国ならではの問題も出始めています。
 
【中国で急拡大するシェア自転車とは】
中国・上海では今、カラフルな自転車があふれている。シェア自転車が安い利用料と手軽さで、いま都市部を中心に利用者が急増している。中国のシェア自転車はスマホの専用アプリで、誰でも簡単に利用することができる。自転車がどこにあるかは、GPSで管理されているため、アプリ内の地図ですぐに分かる。中国のシェア自転車には、個別の2次元バーコードが設置されていて、スマホをかざすと、無線通信でカギが開き、利用することができる。料金はアプリ内にお金をチャージしておき、カギをかけるまでの間の利用時間に応じて自動決済されるシステムだ。日本円で30分16円程度。毎日1時間乗っても、月およそ1000円だ。去年4月に始まったばかりだが、現在20社が参入し、利用者は延べ3000万人を超えている。そしてシャア自転車が人気を集める秘密が駐輪方法だ。一般的なレンタル自転車は指定の駐輪場に返却する必要があるが、中国のシェア自転車はGPSで管理しているため、駐輪場所に縛られない。街中の無数の駐輪スポットに止めるだけなので、事実上、乗り捨て自由なのだ。

【中国のシェア自転車、問題も続々・・・】
しかし新たな問題も・・・。目の前に駐輪スペースがあるにもかかわらず禁止区域に止められた自転車。また往来の邪魔になったのか、自転車が無造作に積み上げられている。利用者急増の裏で、マナーを守らない利用者も多く、自転車が川に投げ捨てられたり、壊されたり、公園で山積みにされるなど社会問題化している。各社は管理スタッフを各地に派遣しているが、対応しきれていないのが現状だ。
それでもシェア自転車の成長性に目をつけ、1300億円以上とも言われる莫大な投資資金が流れている。上海のユーバイシクルは、先月、シェア自転車事業を始めてばかりだが、投資ファンドを中心に40億円の資金を集めた。注目を集めるのは、「自転車を課すだけにとどまらない、消費行動に結び付くサービスが期待されているからだ」、と余社長は語る。
早くもアメリカのシリコンバレーやシンガポールへの進出も取りざたされている。中国版シェア自転車は世界に広がる新たなビジネスとなるのか。


・「中国 シェア自転車に新商機」について

--マナーの部分はありますが、西岡さん、どうご覧になりましたか。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「やっぱり環境対応ということでも、必要ではあるんだと思います。」

--そしてさらに先を見据えた動きもあると・・・。

《森田キャスター》 「そうですね。ユーザーのデータが採りやすい。行動する、移動するデータの取得が容易になったので、そのほかの商業用サービスの利用に役立てられる。ビッグデータですね。」
 

■日経朝特急

営業短縮、小売に拡大
小売業界で営業時間を短縮し、人材を確保する動きが広がっている。(ルミネ、阪急阪神百貨店、イオン、いなげや、すかいらーく、ロイヤルホストなど。)ファッションビル運営のルミネは来月4月から旗艦店を含むおよそ8割の店で閉店を30分早める。営業時間を伸ばして来店客を集めていたスーパーも見直す。営業短縮の動きは外食業界が先行していたが、深刻な人材不足を受け、小売り各社も働きやすさを重視する戦略に転じる。
 

社債発行、18年ぶり最高、低コストで成長賃金
2016年度の日本企業による社債の発行が、18年ぶりに過去最高を更新する。起債総額は1年前に比べ6割増の11兆3000億円になる見通しだ。日銀のマイナス金利政策導入で社債利回りが低下、低いコストで資金を調達しやすくなった。
 

・ 「社債発行、18年ぶり最高」について

--過去最高というのはなかなかの数字になりますね。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「そうですね。日銀のマイナス金利政策のいくつかの効果のうちの1つだとは思います。」

--その社債で調達した資金の先というのはどうご覧になりますか。

「日本経済底上げのためには、国内向け設備投資が本筋だと思いますけども、M&Aであるとか、結局、外にお金が出ていっているというのが、多くの資金フローだと思います。」


地銀再編で金融庁が異例の指針
金融庁は地銀の再編に対する初めての指針を打ち出す。顧客の利益を重要な要素に位置づける点が特徴だ。人口減で地域経済が縮む中、地銀の再編が相次いでいる。その際に経費削減や業務効率化で健全性を高める銀行の都合だけに留めず、再編で生じた原資を、利用者の利便性や顧客企業の価値向上に充てる顧客の視点を求める。顧客への配慮が後回しにならないよう、警鐘を鳴らす。
 

中国、企業減税6兆円
中国で企業減税6兆円が打ち出された。中国の肖財政相は昨日、去年秋の就任以来初めて会見し、今年3500億元規模の企業減税を実施すると明らかにした。製造業や中小企業を対象にする見通しだ。個人を対象にした所得税減税も検討する。中国の税収の伸びが鈍る中、景気対策の軸足を、副作用が目立つ金融緩和から、減税を柱とした財政出動に移す。
 

■日刊モーサテジャーナル

新たな入国制限、評価分かれる
トランプ大統領が新たに署名した入国制限に対する大統領令について、各紙が一面などで大きく報じている。ワシントンポストの社説の見出しは、「 New words,same tune 新しい言葉を使っているが言っていることは同じ」と批判的だが、ウォールストリートジャーナルは、一定の評価を示すなど見方が分かれている。
ウォールストリートジャーナルは、「入国制限そのものが不必要だ」と前置きしながらも、「修正版はより合理的だ」、と指摘。その理由として、中東の過激派組織「イスラム国」と共に闘うイラクを対象から外したこと、また商業目的やアメリカ国籍との2重国籍者、さらにアメリカで長期にわたって働いたり、学んだりしている人を、制限から外したことなどを挙げている。記事は、「トランプ大統領は自分の間違いをほとんど認めない人間だが、今回の修正には譲歩が見られ、良い兆候だ。」、と伝えている。
 

米ニューヨーク、外国人訪問者が減少へ(USAトゥデイ)
トランプ大統領による入国制限の影響で、観光地として世界的な人気を誇るニューヨーク。そのニューヨークをを訪れる外国人の数が今年9年ぶりに減少する見通しだ。ニューヨーク市がまとめた試算によると、今年ニューヨークをを訪れる外国人の数は、去年から2.1%減少と、208年以来初めてマイナスに転じる見通しだ。ニューヨーク市の広報担当者は、「トランプ大統領の入国制限がイメージ悪化をもたらしていることが背景にある」、と分析。実際、トランプ氏が最初に入国制限を出した直後8日間の国際線予約は、その前の8日間と比べて6.5%減少したという。ニューヨークを訪れる人が消費する金額の50%は外国人によるもので、ニューヨークの経済や旅行業界に影を落とすかもしれない。
 

米ユーチューブTV、まもなくサービス開始(USAトゥデイ)
グーグル傘下の動画共有サイト「Youtube」が、地上波やケーブルテレビで放送されている番組を、インターネットで配信するサービス「ユーチューブTV」を今後数週間のうちに始める。「ユーチューブTV」は月額35ドルで、ABCやCBSなどの大手ネットワークを含めた40以上のチャンネルをスマートフォンやタブレット端末、パソコンから視聴が可能。またクラウド上に無制限に録画もできる機能も備えている。記事は、「アメリカで最近、生中継でコンテンツをストリーミング配信するサービスが登場していることを紹介し、ユーチューブTVは価格的にも機能面でも競争力がある」、と分析。テレビ視聴の変化が予想される中、本格的な競争が始まりつつあるようだ。
 

・ 米入国制限の真の目的は?

--トランプ大統領の移民規制ですけれども、入国制限、あまり変わらないんだという論調もありましたね。

《三井住友銀行/西岡純子氏》
「そうですね。これは譲歩だという表現もありましたけれども、もとより大統領令に指定された7ヵ国についても、サウジアラビアはすでに外されていたわけですので、商業目的であるというのは当初より明らかなのではないかなと思います。」
 

■今日の予定

16年10-12月期GDP(改定値)
1月国際収支
2月景気ウォッチャー調査
中国2月貿易統計
米2月ADP報告
 

■ニュース

米貿易赤字拡大↑9.6%
ドル高などの影響でアメリカの貿易赤字が拡大です。商務省が7日に発表した1月の貿易統計によりますと、国際収支ベースでみた貿易赤字はおよそ485億ドルで前の月に比べ9.6%増加しました。輸出の伸びが鈍った一方で自動車や原油などを中心に輸入が増え、赤字額は2012年3月以来、4年10ヵ月ぶりの水準を記録しました。国別では対中国の赤字がおよそ13%増えた一方、対日赤字はおよそ16%、対メキシコはおよそ10%、それぞれ減りました。また、対ドイツの貿易赤字も8%減少しました。
《米貿易赤字額 484億9200万ドル(前月比9.6%増)》
・ 対中国の赤字 313億 400万ドル(13%増)
・ 対日赤字    54億7300万ドル(16.2%減)
・ 対メキシコ赤字 39億4800万ドル(10.1%減)
・ 対ドイツの貿易 48億8300万ドル(8%減)
 
 
OECD 日本の成長見通しを上方修正
OECD=経済協力開発機構は7日、最新の世界経済見通しを発表し、今年の日本経済の成長率を前回の予想から0.2ポイント上方修正のプラス1.2%と予想しました。円安を背景に鉱工業生産や輸出が堅調に推移すると見通しています。
 

ブラジルGDP↓3.6%
ブラジルの地理統計院は7日、去年1年間のGDP=国内総生産が前の年に比べ、マイナス3.6%だったと発表しました。2年連続のマイナス成長で、統計が始まって以来、最長の景気後退を記録しています。農業や家計消費、工業などの落ち込みが大きく、全体を押し下げました。一方、地元メディアによりますとエコノミストなどは今年は景気後退から脱し、プラス0.7%を見込んでいるということです。
 

米ナビスタ- トラック需要低迷で赤字拡大
アメリカの大型トラックメーカー、ナビスターが7日発表した去年11月から1月期の決算は長距離輸送トラックの需要の弱さを背景に赤字幅が拡大しました。また、売上高は1年前に比べ、6%近く減少しました。ただ、ナビスターは今年後半には大型のトラック需要も回復すると見込んでいます。またGMと共同で再参入する中型の商用トラック市場にも積極的に新モデルを投入するとしています。
《ナビスタ- 11-1月期決算(前年比)》
・ 売上高16億6300万ドル(5.8%減)
・ 最終赤字6200万ドル(1.9倍)
・ 1株損失76セント(予想より悪化)
 
 
都が4年前に調査 築地で基準超の有害物質検出
築地市場の敷地内で行われた4年前の土壌調査で、環境基準を超える有害物質が検出されていたことがわかりました。東京都が4年前に築地市場で行った土壌調査で、環境基準の2.4倍のヒ素、それに環境基準の1.6倍のフッ化物が検出されました。都は、これまでこの事を公表してきませんでした。「現在はアスファルトで覆われているため、健康に影響はない」としています。都は近く条例に基づく土壌調査を行うことにしています。一方、豊洲市場への移転問題をめぐり今月3日に記者会見を開いた元東京都知事の石原慎太郎氏が報道各社に文書を送り、移転延期を決めた小池知事を改めて批判しました。石原氏は「豊洲市場は安全で小池知事こそ移転させない不作為について責任がある」として、小池知事に対し、法的措置を取る可能性を示唆しました。
 

北陸新幹線延伸 京都-新大阪「南回り案」で大筋合意
北陸新幹線でルートが決まっていない京都から新大阪の区間について、与党の検討委員会は、京都府南部の京田辺市を経由する「南回り案」を採用する事で大筋合意しました。東海道新幹線の北側を通る「北回り案」に比べ、「南回り案」は、建設費が300億円増えますが、新駅設置などで、地域経済への波及効果が高いと評価されました。
 

中国 外貨準備3兆ドル回復
中国人民銀行は、2月末の外貨準備高が前の月から69億ドル増え、3兆51億ドルだったと発表しました。増加は8ヵ月ぶりです。中国は人民元相場の急落を防ぐための外貨準備を元手にした為替介入を控え、代わりに海外送金や外貨両替の規制強化で資本の流出に歯止めをかけ、相場の安定を図ったものとみられます。
 

物流倉庫火災 アスクルが住民向け説明会
先月、埼玉県・三芳町の物流倉庫で起きた火災について、ネット通販大手のアスクルはきのう、近隣住民向けの説明会を開きました。アスクルは、火災による環境への影響について調査していることや、近隣住民が医師の検診を受けられることなどを説明しました。出席者によりますとアスクルは、住民対策を優先するとしていて、倉庫の復旧にはあと1年ほどかかると説明したということです。
 

三越伊勢丹社長に杉江氏
百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは大西洋社長が業績悪化の責任を取って退任し、後任に4月1日付で杉江俊彦取締役専務執行役員を昇格させると発表しました。任期途中のトップ交代は異例です。百貨店業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、杉江氏が不採算店舗の閉鎖など構造改革をどう進めるかが課題となります。
 

米商務長官 中国通信大手ZTEに罰金1,300億円
アメリカのロス商務長官は7日、中国の通信機器大手「ZTE」におよそ1,300億円の罰金を科すと発表しました。ZTEはアメリカで製造された部品を使った通信機器を北朝鮮とイランに違法に輸出していたとされています。ロス長官は「トランプ政権はアメリカの安全確保と労働者保護を目的に強力な貿易政策を実行する」としています。
 

北朝鮮とマレーシア 2国間で出国禁止の応酬
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件をめぐり、北朝鮮外務省はきのう、国内に滞在するマレーシア人の出国を一時的に禁止すると発表しました。これは、朝鮮中央通信が伝えたものです。一方、マレーシアのナジブ首相は対抗措置として、マレーシアに滞在する全ての北朝鮮国民の出国を禁止すると発表していて、両国の対立は、緊迫の度合いを増しています。
 

自民党 森友学園理事長の招致応じず
学校法人「森友学園」への国有地売却問題で自民党と民進党の衆議院国対委員長が会談し、民進党は学園の籠池理事長らの国会への参考人招致を求めました。ただ、自民党は「民間人の招致は慎重に対応すべき」として応じませんでした。野党は籠池氏のほか、売却当時の財務省幹部などの招致も要求しています。
 

清宮人気がけん引 センバツ 経済効果228億円
今月19日に開幕する選抜高校野球大会の経済効果がおよそ228億8千万円に上るとの試算を関西大学の宮本勝浩名誉教授がまとめました。このうち、プロ野球が注目する強打者、早稲田実業の清宮幸太郎選手の出場に伴う効果は、およそ34億2千万円で、清宮選手見たさに来場する観客は、前回から6.3%増加の56万2千人と推定しています。
 

「国際女性デー」にあわせ ウォール街に少女の銅像
きょう8日は、国連が定めた「国際女性デー」ですが、ウォール街でもこれを盛り上げる試みが行われているようです。ウォール街と言えば「チャージング・ブル」=雄牛の像が観光客にも人気ですが、「国際女性デー」にあわせその目の前に新たに少女の銅像が設置されました。「恐れない少女」と名付けられたこの銅像を設置したのは企業に女性の登用を促すアメリカの大手資産運用会社で、少女の銅像は「現状に挑戦する前向きな姿勢」を表現しているとのことです。新たな人気の観光スポットになるかもしれません。
 

■【コメンテーター】三井住友銀行/西岡純子氏

・ 米貿易赤字が拡大

--米貿易赤字が拡大、これはまた気になってきますね。

「そうですね。アメリカのトランプ政権の通商政策の詳細がまだはっきり分からないだけに、どこの国に対する赤字が拡大しているのか、ということはやはり指標としても非常に注目度が高いと思います。」

--以前より気になるようになってきましたけれども、今そういった注目すべき指標でいうと、やはり上位に挙がってきましたか。

「そうですね。トップ3の中には必ずアメリカの貿易統計というのは入ってくると思いますし、それがほかの国にどういう影響を与えるかという意味では、例えば中国の外貨準備であるとか、為替やお金の出入りに関する指標については重要度が非常に増したのではないかと思います。」
 

・ 中国、外貨準備が3兆ドル回復

--為替介入から、また今度は規制の強化へと、必死さがなんだか伝わってきますね。

「そうですね。あの手この手で必死なんだと思います。当初2010年からは中国に入るお金が細ったというのが、特徴的な動きだったんですけれども、ここ元は中国に入るお金だけではなくて、中国からお金が流出しているという、ネットでも資金の流出超になってしまっているという状況なので、中国の当局としてはいかに資金流出を防ぐのかといういことで、今後も細心の注意を払っていくんだと思います。」

--これは海外からの投資が減っているというだけではなくて、国内からも資金が出ていっているという・・・、国民自身が信用していないところがあるというふうに言われていますよね。

「そうですね。人民元そのものに対する信用度も反映しているのかもしれないです。」


・ きょうの経済視点 「行動様式の変化」

「連日、宅配サービスの様々なサービスが変わるかもしれないという話が出てますけども、一見ちょっとサービスのダウングレードのような印象がありますけれど、人の行動様式というのは、出方によってだいぶ変わるもんだなというふうに思います。例えばスマートフォンがここまで普及した時というのは、最初はここまで普及するとは思っていなかったですし、人々の行動そのものを変えたという、画期的なものだったというふうに思います。こういった宅配サービスもおそらくやり方・工夫次第で、人の行動様式を変えるぐらいの勢いがあると、十分ダウングレードにならずに、新しいサービスを提供するということにもなるんじゃないかと思います。」

--ピンチをチャンスに、ということですよね。しかもちょっと便利ということに私たちが慣れてしまいましたからね。サービスがちょっと過剰になっていることに慣れている感じもします。実は無かったら無かったで大丈夫かもしれないということで、便利さとコストを考える時かもしれません。