【本日のコメンテーター】慶応大学教授/白井さゆり氏(前日銀審議委員)
■マーケット
NY株そろって上昇
30日のNY株式市場は3指数とも上昇。先週のオバマケア代替法案取り下げのショックからは立ち直ってきているものの、さらなる上値を狙う材料には乏しいようです。去年10月から12月期のGDP確定値は小幅に上方修正。また雇用関連の指標も引き続き底堅く、株価を支えました。ただ3月の動きを見ると、ダウは下落した分の半分をようやく取り戻す水準。さらなる上値追いには、新しい材料が必要なことは確かなようです。1月から3月期は新政権の期待感が相場を動かしましたが、4月以降はより具体的な内容が求められ、市場の目も厳しくなりそうです。終値です。ダウは69ドル高の2万728ドル。ナスダックは16ポイント上昇し5,914。S&P500は6ポイントプラスの2,368でした。セクター別騰落率です。典型的なリスクオンの相場でした。金利が上昇し金融が1%以上の上昇。逆に下落はデイフェンシブの代表格、公益や生活必需品でした。
30日のNY株式市場は3指数とも上昇。先週のオバマケア代替法案取り下げのショックからは立ち直ってきているものの、さらなる上値を狙う材料には乏しいようです。去年10月から12月期のGDP確定値は小幅に上方修正。また雇用関連の指標も引き続き底堅く、株価を支えました。ただ3月の動きを見ると、ダウは下落した分の半分をようやく取り戻す水準。さらなる上値追いには、新しい材料が必要なことは確かなようです。1月から3月期は新政権の期待感が相場を動かしましたが、4月以降はより具体的な内容が求められ、市場の目も厳しくなりそうです。終値です。ダウは69ドル高の2万728ドル。ナスダックは16ポイント上昇し5,914。S&P500は6ポイントプラスの2,368でした。セクター別騰落率です。典型的なリスクオンの相場でした。金利が上昇し金融が1%以上の上昇。逆に下落はデイフェンシブの代表格、公益や生活必需品でした。
【NY証券取引所中継】1-3月期決算 増益率↑か
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
--今日は底堅い動きですね。
そうですね。去年の第4四半期のGDPが上方修正されたこともありまして、最近少し調整局面にあった金融がリードする形で、上昇して引けております。
--さて来週から日本では新年度、アメリカではいわゆる第2四半期に入りますね。
はい、そうですね。注目ポイントはやはり再来週から始まる1-3月期決算だと思います。ファクトセットの集計によりますと、この1-3月期は、2011年の第4四半期以来の高い伸びとなる、9.1%の増益が予想されております。当然のことながら、まだ税制改革が実施されておりませんので、それをやらなくてもこれだけ増益が期待できるという状況です。
--今年の1月期は常に割高感が指摘された印象ですよね。
そうですね。こういう時期、とにかくPER(株価収益倍率)が一番高く見える時期だと思うんですよね。こうやって増益が始まって、利益がリードする形で、株式の上昇を引っ張る。いま株価収益倍率は20倍近くですけれども、、これは予定通り伸びていきますと、(2017年は)17倍台まで下がりますので、割高感はなくなります。4~5月にかけては確定申告の期限なんかもありまして、需給的にもいいですし、こうやって決算もいいですので、両面から株価の上昇が期待できると思います。
【NY証券取引所中継】トランプ旋風後の株式相場は?
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
--底堅い動きでしたね。
そうですね。2第4四半期のGDPが上方修正されたこともありまして、最近、調整局面にありました金融を中心に上昇して引けております。
--さてトランプ旋風に沸いた今年、第1四半期も今週で終わりで終わりですね。
(フリップ1:大統領選挙後10%以上上昇)
大統領選挙後、S&P500指数は10%程度上がっていますけれども、これは単純に年率に換算しますと、24%上がることになるんですね。これで市場関係者はハッピーかもしれませんが、実はトランプ政権にとって良くないんですよね。
(フリップ2:株↑20%以上で4年後の勝利の大統領なし)
《S&P500上昇率(11月~翌10月)》
・ 1988年 ブッシュ大統領 22.0%
・ 1996年 クリントン大統領29.7%
・ 2012年 オバマ大統領 24.4%
というのは、過去50年間で大統領選挙で勝って、その1年間で20%以上株が上昇して、4年後に勝った大統領はいないんです。
--なるほど、これは理由はあるんですか。
はい、おそらく株価というのは、企業の業績の伸び率を反映していくものであって、単に大統領に対する期待だけで上がっていると、やはり最後には帳尻が合うものになっているからだと思います。
(フリップ3:負けた年は株上昇率10%以下)
《S&P500上昇率(前年11月~10月)》
・ 1992年 ブッシュ大統領 6.7%
・ 2000年 クリントン大統領 4.9%
・ 2008年 ブッシュ大統領-37.5%
・ 2016年 オバマ大統領 2.3%
実際、90年代に現職またはその党の候補が敗れたときは、いずれもS&P500は10%以下の伸び率になってます。
--それでこの結果をどう理解したらいいんでしょうか。この先を見ると・・・。
はい、私はトランプ政権の経済閣僚は、特に史上最強メンバーだと思っているんですけれども、ということで、こういう傾向は絶対に知っていると思うんですね。要するに、初年度に飛ばし過ぎてはいけないという傾向は知っていると思うんです。ですので今ワシントンでオバマケアの見直しとか、税制改革の遅れとか、いろいろニュースが出ますけれども、実は遅れてもそんなに悪くないんじゃないかと思っている可能性があると思うんですよね。ですので投資家が前のめりになっていると、裏切られる可能性もありますので、この辺も含めて考えておくべきだと思います。
【為替見通し】注目ポイントは「米経済指標」
解説は三井住友銀行NYの柳谷政人氏
解説は三井住友銀行NYの柳谷政人氏
--まずはNY時間を振り返ると、どういう動きだったんでしょうか。
本日は第4四半期確定値GDPが発表され、結果は前回分から上方修正、特に個人消費は3.5%まで大きく上方修正されたことが好感されました。米国債利回りが上昇する中、ドル円も堅調に推移し、111円台後半まで値を戻してきています。
--今日の予想レンジは、111.25円~112.25円、注目ポイントは「米経済指標」です。
本日は月末、特に本邦税にとっては期末に当たりますので、実需筋からの円買いには注意をする必要がありますが、米国経済は堅調であり、基本的にはドルは強含みで推移するものと考えています。先週は米国の政治にフォーカスが当たり、オバマケアの改革法案が通る、通らないなどの事態を嫌気して、リスクオフへと動きました。さて次はいといと市場が期待する税制改革、インフラ投資ですが、詳細が聞こえてくるのはまだ先のことになりそうなことから、市場で考慮すべき政治的材料が直近として見当たらなくなったことで、シンプルに米国経済に戻ってくると考えています。
(フリップ:米経済指標の予定)
3月31日(金) 2月個人所得、2月個人消費支出
4月 3日(月) 3月ISM製造業景気指標
4月 5日(水) 3月ISM非製造業景気指数
4月 7日(金) 3月雇用統計
あとは個人所得の指数に注目ですし、来週はISM、雇用統計と重要指標が発表されますので、注目したいと考えています。
【日本株見通し】注目ポイントは「トランプ相場の変容」
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏
--今日の予想レンジは、19100円~19300円です。
円安、米株高と条件が揃っていますので、年度末相場は反発ということになりそうです。
--注目ポイントは「トランプ相場の変容」です。
直近でもオバマケア代替法案撤回ということもありまして、トランプ政権への政策実行能力に対する疑問が浮上しているということだと思うんですね。今後は減税策に希望をつなげますけれども、当初案よりも規模は縮小する懸念も出てきている。これを受けて、マーケットのほうでは、もう既に織り込みに行く動きというのが出ていると思います。
(フリップ1:年明け以降ハイテク株が好調)
S&P500の業種別指数をご覧いただきたいんですけども、上のほうにありますテクノロジー、あるいはソフトウェア、先ほどナスダックは高値という話がありましたが、非常に好調で、アップル、アマゾン、フェイスブックといった辺りが上場高値を更新しているんですね。ところが去年11月、12月相場で、熱狂的な相場をやった素材・金融が横ばい、エネルギーは原油価格が下がったこともありましてマイナス圏で推移ということで、去年の11月、12月の物色と全く一変しているということが言えると思います。
--日本株でもこれは同様と見ていいんでしょうか。
そうですね。そのままアメリカの物色動向を日本株に適用できるというふうに思うんですが、足下でも半導体あるいは製造装置、例えば東京エレクトロン、あるいはスクリーンホールディングス、それからFA関連、これはファナックやキーエンスなんですけれども、こうした好業績の優良株というのは昨年初来高値、あるいはその近辺で推移ということなんですね。つまりトランプ政権の恩恵を受けるかどうかよりも、ビジネスモデルがしっかりして、高収益の株が物色される、いわば相場の原点に返るという状況ですので、4月以降もこの傾向は続く、新年度相場にも備えられるということだと思います。
■【プロの眼】物価目標2%の“受け入れ姿勢”
各国のインフレ率はイギリスではコアでも2%に到達。ヨーロッパ、アメリカでも2%に向けて上場し始めている。一方日本は「取り残されている状況です。この結果の違いの理由の1つには家計が2%をきちんと認識し、さらに2%の目標を受け入れている事にあると言います。解説は前日銀審議委員 白井さゆり氏。
--さて今日はユーロ圏の消費者物価指数が発表になりますけれども、2月は2%を付けましたし、イギリスはエネルギーと食料品を除いたコアでも2%にいくなど、物価上昇が見えてきている中で、一方で日本はなかなか追いつきませんね。
(フリップ1:インフレ率、日本は取り残される)
「そうですね。こうした物価動向の違いの1つとして、例えばイギリスの例を挙げますと、2%のインフレ目標について、(家計が)しっかりと認識しているということ、そして受け入れているということが重要で、やはり目標の達成には、こうした家計の受け入れ姿勢というのが非常に大事になりますね。」
--イギリスはここ(2%)まで上昇しているんですが、家計の受け入れ態勢ってイギリスではそんなに物価ですとか、物価上昇への理解ってあるんですか。
(フリップ2:英2%インフレ目標について)
「そうですね。イギリスの家計に対する意識調査というのがありまして、例えば2000年からずっと、この2%のインフレ目標について、妥当だと思う人たちが50%程度なんですね。それに加えて、この目標が低すぎると考える人たちを加えますと、ずっと60%程度で推移しておりまして、いかに市民の方たちがこの目標の理解が浸透していて、受け入れているか。言い方を変えますと、家計のインフレ予想が2%程度で、安定しているということなんですね。そうした見方を中銀であるイングランド銀行もしているわけですね。」
--では日本はどうなんでしょうか。物価目標2%への理解度。
(フリップ3:日本、物価目標2%の理解度)
「同じような意識調査がありまして、やはり2%の目標について、『知っている』という人たちが3~4割ですね。『知らない』あるいは『聞いたけど、ほとんど知らない』という人たちが6~7割で、この比率は13年から現在までほとんど変わっておりませんので、やはり2%目標の理解が浸透しているとは言い難いという状況です。」
--あれだけ、異次元緩和だと、番組でもお伝えしているんですけれども、なかなか消費者の皆さんには伝わっていない。でもこれって知らないと同時に、そもそも日本だと物価上昇に対するアレルギーがありませんか。
(フリップ4:日本、物価上昇に対する意見)
「そうですね。いつはそうなんですね。量的質的金融緩和以降に、急激に円安が進みまして、物価が上がりました。その上に消費税の引き上げというのがありまして、物価が高いと思っている人たちの割合がいま大きく増えておりまして、7~8割になるんですね。その人たちの8割が物価の上昇は好ましくないというふうに考えております。」
--そうですよね。ただ、あの局面、なぜ物価の上昇に拒否反応があったかというと、賃金上昇が着いて来なかったからというのがありませんか。
「はい、イギリスの場合、現在、賃金が2%を超える水準で伸びていますね。日本は量的質的金融緩和以降の物価上昇で、実質賃金が大きく下落しまして、昨年ようやくプラスになったんですけれども、もっと重要な、これから賃金が上がっていくだろうという予想については低い、下がっていくいう見方が、今も圧倒的に多いですので、そういう意味で負担があると思いますね。よくアメリカの有識者のほうから、日本に対して超金融緩和と財政拡大を合わせて、インフレを引き上げるべきだというような見方がされますけれども、家計から見れば、インフレであろうと、増税であろうと、負担という点では何の変りもありません。ですからこういう状況で家計がなかなかインフレをすぐに容認するかというと、ちょっとその考え方を受け入れるかどうかというのは、疑問符が付くと思いますね。」
--いわゆるシムズ理論といった考え方だと思いますけれども、4年連続で賃金を上げようという動きにはなっていても、まだ足りないのかなとなると、では何をしたらいいんでしょうか。
「やはり賃金が着実に上昇していって、これからも賃金が上がるという予想に変わっていくということが大事で、もっと重要なのが、年金を含む社会保障制度が信頼できるというふうに国民が思うということが大事で、もし財政拡大する場合には、そういった構造改革も一緒にやる必要がありますね。日本銀行も、自分たちのやっている政策が、何をしようとしているのか、もっと国民に分かり易い言葉を使って説明することは本当に重要だと思いますね。」
■【中国NOWCAST】火花散る民泊戦略
今回の中国ウオッチャーは岡三証券の紀香(きのかおり)氏です。ピックアップトピックは「再び注目!一帯一路」「火花散る民泊戦略」です。一帯一路は2013年に習金平氏が提唱した中国と欧州を結ぶ一大経済圏を作るという大規模な構想ですが、保護主義的な考えを持っているアメリカのトランプ政権に対してけん制したい狙いがあり、今年は特に力を入れることが考えられるということです。
今回の中国ウオッチャーは岡三証券の紀香(きのかおり)氏です。ピックアップトピックは「再び注目!一帯一路」「火花散る民泊戦略」です。一帯一路は2013年に習金平氏が提唱した中国と欧州を結ぶ一大経済圏を作るという大規模な構想ですが、保護主義的な考えを持っているアメリカのトランプ政権に対してけん制したい狙いがあり、今年は特に力を入れることが考えられるということです。
【今週のピックアップトピック】
(1) 「再び注目!一帯一路」
(2) 「火花散る民泊戦略」
(1) 「再び注目!一帯一路」
(2) 「火花散る民泊戦略」
(1) 「再び注目!一帯一路」
(フリップ1:「一帯一路」構想)
「一帯一路」は、2013年、習近平が提唱した中国とヨーロッパを結ぶ一大経済圏を作ろうという大規模な構想です。
《岡三証券/紀香氏》
「今年は5月に初めて一帯一路のサミットが開かれる予定になっていますので、それに向けて中国としては、「一帯一路」構想の効果が表れてきたというところを主張したい。それから中国の影響力を高めていくということを実現していきたい。」
香港の調査機関のデータでは、2016年の実質GDP成長率の平均は、新興国3.6%、一帯一路の沿線国は4.6%という結果も出ています。
《紀香氏》 「保護主義的な考え方のトランプ政権に対して、牽制したい狙いがあるということで、今年は特に力を入れていくということが考えられます。」
(2) 「火花散る民泊戦略」
「途家(トゥージャ)」と「エアビーアンドビー」開戦か?、との新聞の見出し。今月、民泊仲介世界最大手のアメリカのエアビーアンドビーが中国で投資額を2倍にするなどの発表をしました。また、それに対抗する形で中国国内で民泊仲介大手“途家”も今年の戦略を発表しました。
「途家(トゥージャ)」と「エアビーアンドビー」開戦か?、との新聞の見出し。今月、民泊仲介世界最大手のアメリカのエアビーアンドビーが中国で投資額を2倍にするなどの発表をしました。また、それに対抗する形で中国国内で民泊仲介大手“途家”も今年の戦略を発表しました。
《紀香氏》 「『途家』が発表した戦略の中で、中国企業ならではというふうに感じたのが、不動産業者と提携するということと、地域化を目指すというところですね。不動産デベロッパーと提携することで、投資目的で保有している不動産を民泊として有効活用できる、空き家対策としても有効というようなことも考えられます。」
(フリップ2:17年は50億人超え?)
中国国内の旅行客数は2015年は約40億人、今年は50億人を超えると予想されています。旅行者の増加が中国の民泊市場の後押しとなるでしょうか。
■日経朝特急
一面トップは、ニュースでも伝えた、「東芝の半導体メモリー事業の分社を決議」の記事。
東芝、防衛部門は継続
東芝は探知レーダーなど、防衛分野の半導体事業については、継続する意向を防衛省に伝えていたことが分かった。安全保障上の懸念に配慮した。
送金効率化へ世界連合、三菱UFJは米欧豪6行と来年
三菱東京UFJ銀行は、来年初めから仮想通貨技術を活用した次世代の国際送金サービスを始める。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの大手6行と連携する。これまでのような送金を中継する銀行などが不要になり、即時決済が可能となるほか、高止まりしていた手数料も安くなる見通しだ。
働き方改革、人材・機械期待
働き方改革が投資戦略の軸になりそうだ。有力運用会社のファンドマネージャーに新年度の投資戦略を聞いたところ、働き方改革からどのような影響を受けるかが、業種を選別するうえでの大きな判断基準になっていることが分かった。人手不足が追い風になる人材サービスなどが有望視される一方、人件費増加が負担になりそうな小売りなどは敬遠されている。
■日刊モーサテジャーナル
アメリカ、石炭ではなく“ガスの時代”到来か
アメリカのトランプ大統領が環境規制を緩和し、石炭の生産を促す方針を打ち出したが、その実効性に懐疑的なフィナンシャルタイムズは、「 The power shift to gas 」との見出し。火力発電に使われる燃料について、「石炭ではなく比較的安いシェールガスの利用が広がる」、と見ている。東部ペンシルベニア州にあるニューキャッスル発電所は、コストが高い石炭による発電を続けたことで、経営が一時行き詰まったが、燃料をガスに変えたことで状況が一変、ここで働く40人の雇用を守ることができたという。経営幹部の一人は石炭による発電の未来は暗いと強調した。
一方、ニューヨークタイムズは、東芝の子会社ウェスティングハウスが連邦破産法11条の申請したことについて、「背景には、原発に対する需要の減速があるのでは」、と分析。「ガスの価格の下落によって、原発建設の経済的合理性は失われつつある」、と論じている。
アメリカのトランプ大統領が環境規制を緩和し、石炭の生産を促す方針を打ち出したが、その実効性に懐疑的なフィナンシャルタイムズは、「 The power shift to gas 」との見出し。火力発電に使われる燃料について、「石炭ではなく比較的安いシェールガスの利用が広がる」、と見ている。東部ペンシルベニア州にあるニューキャッスル発電所は、コストが高い石炭による発電を続けたことで、経営が一時行き詰まったが、燃料をガスに変えたことで状況が一変、ここで働く40人の雇用を守ることができたという。経営幹部の一人は石炭による発電の未来は暗いと強調した。
一方、ニューヨークタイムズは、東芝の子会社ウェスティングハウスが連邦破産法11条の申請したことについて、「背景には、原発に対する需要の減速があるのでは」、と分析。「ガスの価格の下落によって、原発建設の経済的合理性は失われつつある」、と論じている。
借入金急増、株高への自信か(ウォールストリートジャーナル)
トランプ相場に陰りが見える中でも、株などの投資するための借り入れが急増。アメリカの投資家は株高の傾向はまだまだ続くとみているようだ。ニューヨーク証券取引所によると、2月の投資家による借入額は5282億ドル(前月比↑2.9%)で、ここ2年で最も高い水準だという。投資家の相場観を表すとも言われる借入金の動向だが、ある専門家は、「借り入れの急増は、投資家が株は上がり続けるだけだと信じ切っている証なのかもしれない。」、と警鐘を鳴らしている。
トランプ相場に陰りが見える中でも、株などの投資するための借り入れが急増。アメリカの投資家は株高の傾向はまだまだ続くとみているようだ。ニューヨーク証券取引所によると、2月の投資家による借入額は5282億ドル(前月比↑2.9%)で、ここ2年で最も高い水準だという。投資家の相場観を表すとも言われる借入金の動向だが、ある専門家は、「借り入れの急増は、投資家が株は上がり続けるだけだと信じ切っている証なのかもしれない。」、と警鐘を鳴らしている。
国境の壁、問い合わせ殺到(ウォールストリートジャーナル)
物議を醸しているアメリカとメキシコの国境の壁を巡り、ビジネスチャンスだと見る企業は少なくないようだ。記事によると、これまで大小200を超える企業が入札への参加を検討すると表明。政府への問合せは予想を超え、入札申込の締切は延長された。ただ、事業の規模など詳細は未定。アナリストは、「最終的にいくつの会社が参加を希望するのか、よく分からない」、と述べている。
物議を醸しているアメリカとメキシコの国境の壁を巡り、ビジネスチャンスだと見る企業は少なくないようだ。記事によると、これまで大小200を超える企業が入札への参加を検討すると表明。政府への問合せは予想を超え、入札申込の締切は延長された。ただ、事業の規模など詳細は未定。アナリストは、「最終的にいくつの会社が参加を希望するのか、よく分からない」、と述べている。
・ 「アメリカ、石炭ではなく“ガスの時代”到来か」について
--トランプ大統領は、環境規制を緩和するということで、石炭というのはどうなんでしょうね。この動きは・・・。
《前日銀審議委員/白井さゆり氏》
「規制を緩和して、石炭の生産コストを下げて、みんなに使ってもらおうということですよね。シェールガスとの競合を高めて、もっと全体のコストを下げるということは、短期的には家計にとっていいですけども、長い目で見れば、石炭というのはやはり環境汚染ということもありますので、それはアメリカ国民にとっても、世界にとっても、どうなんだろうかという、長期的な視点も必要なんではないでしょうかね。」
■今日の予定
2月消費者物価指数
2月有効求人倍率など
中国3月製造業PMI、非製造業PMI
3月ユーロ圏消費者物価指数
米2月個人消費支出
■ニュース
米 日本製鉄鋼に反ダンピング関税
アメリカの商務省は30日、日本や韓国など8ヵ国・地域で生産された鉄鋼製品を対象に、反ダンピング関税を課す方針を決めました。トランプ政権が日本製品への制裁関税を決めたのは初めてです。対象となる日本企業の税率はJFEスチールが48.67%、東京製鉄が14.79%などです。アメリカの国際貿易委員会が最終的に認定すると関税の適用が確定します。アメリカのロス商務長官はワシントンで開かれた会合で、「海外企業の不当廉売や過剰生産に苦しむアメリカの鉄鋼業界を救う」と強調しました。
アメリカの商務省は30日、日本や韓国など8ヵ国・地域で生産された鉄鋼製品を対象に、反ダンピング関税を課す方針を決めました。トランプ政権が日本製品への制裁関税を決めたのは初めてです。対象となる日本企業の税率はJFEスチールが48.67%、東京製鉄が14.79%などです。アメリカの国際貿易委員会が最終的に認定すると関税の適用が確定します。アメリカのロス商務長官はワシントンで開かれた会合で、「海外企業の不当廉売や過剰生産に苦しむアメリカの鉄鋼業界を救う」と強調しました。
米 トランプ政権 NAFTA 小幅な修正か
アメリカのトランプ政権は、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉でメキシコやカナダに対し、大幅な修正は求めないもようです。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。通商代表部が議会に提出した原案の中で明らかになったもので、これまで撤廃を主張していた紛争解決機関について存続を認めるほか、貿易赤字の数値目標の設定を見送る方針だということです。この報道についてホワイトハウスのスパイサー報道官は先ほど、「政府としては何も公表していない」と述べるに留めました。
アメリカのトランプ政権は、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉でメキシコやカナダに対し、大幅な修正は求めないもようです。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。通商代表部が議会に提出した原案の中で明らかになったもので、これまで撤廃を主張していた紛争解決機関について存続を認めるほか、貿易赤字の数値目標の設定を見送る方針だということです。この報道についてホワイトハウスのスパイサー報道官は先ほど、「政府としては何も公表していない」と述べるに留めました。
米 GDP確定値 ↑2.1%に上方修正
アメリカの去年10月から12月期の実質GDP=国内総生産の確定値は、前の期に比べ2.1%のプラスと、先月の発表から0.2ポイント上方修正されました。設備投資は下方修正されたものの、個人消費は0.5ポイント上方修正され、アメリカ経済の力強さが示されました。
設備投資 ↑0.9%(0.4ポイント下方修正)
個人消費 ↑3.5%(0.5ポイント上方修正)
クリーブランド連銀総裁「年内に資産縮小を」
クリーブランド連銀のメスター総裁は講演で、予想通りに経済成長が続けば「年内に保有資産の縮小を始めるのが適切」との認識を示しました。縮小は、再投資の停止から始めるべきとしています。また、アメリカ経済の先行きについては「来年にかけて2%程度の成長率を維持する」との見方を示しました。
クリーブランド連銀のメスター総裁は講演で、予想通りに経済成長が続けば「年内に保有資産の縮小を始めるのが適切」との認識を示しました。縮小は、再投資の停止から始めるべきとしています。また、アメリカ経済の先行きについては「来年にかけて2%程度の成長率を維持する」との見方を示しました。
米 失業保険申請 25万8,000人
アメリカの先週1週間の新規失業保険申請者数は、25万8,000人と前の週から3,000人減りましたが、市場予想は上回りました。トレンドを示す4週移動平均は、7,750人増加し、25万4,250人でした。
アメリカの先週1週間の新規失業保険申請者数は、25万8,000人と前の週から3,000人減りましたが、市場予想は上回りました。トレンドを示す4週移動平均は、7,750人増加し、25万4,250人でした。
韓国 朴前大統領 逮捕
韓国の裁判所は収賄などの疑いで逮捕状が請求された朴槿恵前大統領に対して、逮捕を認める決定をし、朴前大統領は直後に逮捕され、身柄をソウル拘置所に移されました。
韓国の裁判所は収賄などの疑いで逮捕状が請求された朴槿恵前大統領に対して、逮捕を認める決定をし、朴前大統領は直後に逮捕され、身柄をソウル拘置所に移されました。
《中継:ソウル/和田高記者》
裁判所の審査で、朴容疑者は収賄や職権乱用など13の容疑をすべて否認しましたが、裁判所は「証拠隠滅の懸念があり、逮捕の理由と必要性、相当性認められる」と指摘し、検察の主張を認めました。また共犯の崔順実被告や、贈賄側のサムスンの事実上のトップ・李在鎔被告などが逮捕されていることから、扱いのバランスを考えたものとみられます。大統領経験者としては、1995年の全斗煥氏や盧泰愚氏に続き3人目の逮捕者です。検察は大統領選が始まる来月中旬までの起訴を目指し、容疑の裏付けを進める方針です。
森永製菓と森永乳業 経営統合を見送り
森永製菓と森永乳業はきのう、検討していた経営統合を見送る方針を発表しました。両社は「現時点での検討を終了し、それぞれの事業戦略への注力で経営基盤の強化を図る」としており、経営の独立性を保ったうえでの協業については検討を続けます。両社とも業績は好調で、商品開発では既に連携を進めています。統合の効果が想定ほど見込めないこともあり、それぞれ独立したままで経営基盤の強化に力を入れます。
森永製菓と森永乳業はきのう、検討していた経営統合を見送る方針を発表しました。両社は「現時点での検討を終了し、それぞれの事業戦略への注力で経営基盤の強化を図る」としており、経営の独立性を保ったうえでの協業については検討を続けます。両社とも業績は好調で、商品開発では既に連携を進めています。統合の効果が想定ほど見込めないこともあり、それぞれ独立したままで経営基盤の強化に力を入れます。
東芝 株主総会 半導体の分社を承認
経営再建中の東芝は、きのう株主総会を開き、主力の半導体メモリー事業を分社化することを賛成多数で可決しました。経営破たんした原発子会社ウェスチングハウスの巨額損失の穴埋めにより、今期の連結決算は最大で1兆100億円程度の最終赤字に陥る可能性もあるなか、半導体メモリーの新会社をより高く売却し、再建に向けて財務体質の立て直しを急ぎます。
英 ブレグジット 保険ロイズ ベルギーに新会社
イギリスのEU離脱を受け、金融機関が新たな拠点づくりを本格化させています。世界最大の保険組織イギリスのロイズ・オブ・ロンドンは30日、2019年にベルギーのブリュッセルに保険会社を設立すると発表しました。また、JPモルガン・チェースはアイルランドのダブリンに、シティーグループもEU域内に、新拠点を設ける検討をしているということです。
ウェスチングハウス 英で原子炉承認
経営破綻したウェスチングハウスは30日、イギリスで新たに建設を計画している最新型の原子炉について、原子力規制局から承認を得ました。このあと建設地でのライセンス取得に向けたプロセスに入りますが、巨額の資金が必要とされる原子炉が完成できるかどうか疑問視されています。
北朝鮮とマレーシア 金正男氏の遺体引き渡しで合意
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、北朝鮮とマレーシアはきのう、遺体を北朝鮮に引き渡すことで合意したとする共同声明を発表しました。発表された共同声明によりますと、両国は正男氏とされる遺体について北朝鮮にいる家族に引き渡すことで合意しました。また、共同声明によると、両国の国民の出国を禁止する措置を解除することでも合意し、殺害事件への関与で手配されている北朝鮮の大使館職員と高麗航空の職員とみられる男性2人がマレーシアを出国し、北京に向かいました。殺害の証拠となる遺体が北朝鮮に渡ることで、事件の真相究明は極めて困難になった形です。
衆院でヘルメット着用訓練
衆議院できのう、本会議場に防災用ヘルメットが配備されたことを受け、着用訓練が行われました。訓練では座席の下に収納された折り畳み式のヘルメットを議員が一斉に着用しました。大島衆議院議長は「災害は、いつやってくるかわからない。緊張して対応することを期待する」と防災意識の向上を呼びかけました。衆議院では今回の配備に際し、大臣用の20個を含む498個を購入しました。
ヨーロッパ委員会 ユンケル委員長 「分裂あおるなら“報復”も」
ヨーロッパ委員会のユンケル委員長は30日、マルタでの会合で演説し、トランプ大統領がEUの分裂をあおり続けるなら報復も辞さないと発言しました。ユンケル委員長は「トランプ大統領は他の国もEUを離脱するよう働きかけている。これが続くなら私もオハイオ州とテキサス州に独立を働きかけたい」と述べ、けん制しました。オハイオ州やテキサス州で実際に独立の可能性が取り沙汰されているわけではありませんが、EUの結束が大事な時期に、アメリカの口先介入に神経をとがらせているようです。
ヨーロッパ委員会のユンケル委員長は30日、マルタでの会合で演説し、トランプ大統領がEUの分裂をあおり続けるなら報復も辞さないと発言しました。ユンケル委員長は「トランプ大統領は他の国もEUを離脱するよう働きかけている。これが続くなら私もオハイオ州とテキサス州に独立を働きかけたい」と述べ、けん制しました。オハイオ州やテキサス州で実際に独立の可能性が取り沙汰されているわけではありませんが、EUの結束が大事な時期に、アメリカの口先介入に神経をとがらせているようです。
■【ネタのたね】ペットグッズ展示会 進む健康志向
東京江東区で開かれているペット関連グッズの展示会、インターペット。17の国と地域からおよそ400社が出展しています。ペットの世界でも高齢化が進む中、今年の展示会はペットの健康を意識したグッズがたくさん集まっていました。
東京江東区で開かれているペット関連グッズの展示会、インターペット。17の国と地域からおよそ400社が出展しています。ペットの世界でも高齢化が進む中、今年の展示会はペットの健康を意識したグッズがたくさん集まっていました。
・ ハッピー米粉プチロールケーキ 1個1080円(税込み)
・ ペット供養のためのメモリアルグッズのバイアスアーン 15800円(税込み)
(ペットの遺骨や遺影から樹木を育てるキット)
■【本日のコメンテーター】慶応大学教授/白井さゆり氏(前日銀審議委員)
・ 米経済は強い、金融政策どう読む
--アメリカのGDP確定値を見ますと、やはりと内需・消費が強いですね。
「そうですね。もともとずっと消費主導の成長なんですけど、やはり1つは、雇用がいいということと、もう1つは、ガソリン価格が1ガロン=2ドル台でずっと推移してますので、これは非常に大きいと思いますね。この感じですと、アメリカも利上げをあと2回順調にしそうですね。6月、9月ですかね。その後に11月か12月に再投資を停止していくという流れじゃないか、というふうに見ています。」
--保有資産の縮小という動きにも入っていくだろうということですね。
・ きょうの経済視点 「日銀短観」
「私は来週月曜日に発表されます日銀短観に注目しています。特に大企業の製造業の業況判断と、想定為替レートが非常に重要だと思っています。大企業製造業については、業況判断は、足下は世界経済は非常に良くなってきていますので、かなり12月から比べますと、改善すると思うんですけれども、注目点は、これから3ヵ月後の見通しが、トランプ大統領になって初めての調査ですので、それ以降の大変な訴訟とか、なかなか政策がうまくいっておりませんので、そこをどう織り込んでくるのか、おそらく見通しについては下がると思いますけれども、どの程度下がるのか、それから想定為替レートが12月の時には105円でしたけれども、今回もそのレートなのか、円高なのか、円安なのか、どう見ているのか注目しています。」